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第68話 【はいしん】決着


 首無し騎兵に3人で攻撃を仕掛けていた。


 しかし、何故か死角からの攻撃は防がれてしまい、なかなか有効な攻撃を当てることが出来ずにいた。


 ルーシーとカエデちゃんの攻撃は見てからガードしているように見える。


 しかし俺の攻撃に関しては、まるで太刀筋が読まれているかのように防がれてしまっていた。


 「く…っ。このままじゃあ、埒が明かない…。」


 『何か突破口が見つかれば…』


 そうして、しばらく首無しとの攻防を繰り広げていると、【はいしん】にコメントが投稿されたらしい。



 「大和さん!ルーシーちゃん!コメント欄に、首無しの突破口を見つけたって人がいますよ!」


 『何ですって!?』


 「それは本当か!俺は今正面から戦っていてコメント欄が見えないから、カエデちゃんが見てくれないか!」


 —ガキィン!


 俺は、刀で攻撃を防ぎながらカエデちゃんに伝えた。


 「分かりました!」


 カエデちゃんはそう返事をすると、コメント欄を確認し始めた。


 ちなみに、ルーシーにコメントを見てくれと頼まなかったのは、使い慣れていない剣を使っての戦闘に精一杯の様子だったからだ。


 すると、カエデちゃんの準備が出来たと考えた【魔眼】持ちの視聴者は、コメントを再開した。



北海道:首無しが3人の攻撃を防げている理由が分かりました!

   :【魔眼】の特殊スキルって、魔力の流れとかが見れるんだっけ?

   :たしか世界中合わせて日本に2人持ってる人がいるらしいな。

   :そんなことより、早く教えてくれ!


北海道:分かりました。さっき【魔眼】を発動したら、3人の体内の魔力が体外に引っ張り出されているのが見えたんです!

   :魔力が体外に引っ張られてる?

   :でも、いったいどうして?

   :↑多分、首無しが常時全体から発動してる闇魔法のせいじゃないか?

   :そうか!闇魔法の特性を活かしてカエデちゃん達の魔力を引きつけてるのか!



 「な、なるほど…。さっきから首無しの近くにいると、変な感覚がしていましたが、そう言う理由でしたか。あれ?でも、それと私たちの攻撃が防がれることにどんな関係があるんですか?

 


北海道:僕も、そう思ってたんですけど、ルーシーちゃんが言ってた「魔力操作可能範囲」っていうやつを思い出してから気づいたんです!

   :魔力操作可能範囲?

   :探索者の周りにある、魔力を感知できるフィールドみたいなものだっけ?

   :そう言う事か!

   :北海道ニキが言いたいことが分かったぞ!

北海道:そうです。闇魔法で、体外に引っ張られたカエデさん達の魔力が、首無しの「魔力操作可能範囲」の感知に引っかかって、動きを読まれているんじゃないでしょうか?

   :なるほど!

   :という事は、全方位レーダーを備えてるような物か…。

   :だから死角からの攻撃も防がれたのか…。



 「そう言う事ですか!大和さん!ルーシーちゃん!聞いてください!」


 北海道ニキのコメントを見たカエデは、直ぐにそのことを大和たちに伝えた。




 「なるほど…。そうやって俺達の立ち位置を把握していたのか…。でも、どうやって対処すればいいのか…。」


 :た、確かに…。

 :感知魔法の理屈は分かったけど…。

 :弱点とかが分かった訳ではないもんな…。

 :でも、魔法に詳しいルーシーちゃんなら、何か知ってるかも!


 

 「そうですね!ルーシーちゃんは、あの魔法について何か知ってますか?」


 —ガキィン!


 カエデからの質問に対し、首無しとの攻防を何とか続けているルーシーは、こう答えた。


 『そうね…っ。見たことは無いけど、私の世界では有名な魔法よ…っ。』



 :おお、さすがルーシーちゃん!

 :これで勝てる!

 :よっしゃ!



 『でも、勇者様が使っていたという記録が残ってるだけで、実際に使ってる人は見たことが無いわ…っ。だから、対処法も分からないわ…っ。』


 「そ、そんな…。ルーシーちゃんにも分からないなんて、一体どうすれば…。」



 戦闘がジリ貧になっていた、そのとき。



 —パリィン



 普段とは違う、モンスターの攻撃を刀で受けるという戦闘スタイル。


 それを続けていた俺の刀が、遂に折れてしまった。


 「あ…っ。」


 「大和さんっ。」


 『ヤマト…っ。』



 :大和ちゃんの刀が…。

 :パキっといってしまった…。

 :だ、大丈夫や!まだ【闇属性】付与の刀がある!

 :そうだ。オリハルコンの刀があるんだった!

 :でも、首無しが切りかかって来てる!

 ;急いで構えろ!

 :大和ちゃん!



 一瞬驚いた。


 だが、初心者の頃には良くあった事だと心を切り替えた俺は、すぐさま冷静さを取り戻した。

 

 折れてしまった刀を手放し、アイテムボックスから【闇属性】を付与したオリハルコンの刀を取り出す。


 そして、即座に刀を両手に持った。


 —カチャ


 

 そうして、首無しの攻撃が来ることを身構えていると、予想していなかったことが起こった。


 「え?」


 何故か分からないが、俺に向けてロングソードを振り下ろそうとしていた首無しの手が止まっていたのだ。


 :あれ?

 :首無しの動きが止まった?

 :なんで?

 :分からんけど、これってチャンスじゃね?


 俺が【闇属性】のオリハルコンの刀を構えた瞬間、モンスターが突然動きを止めたというあり得ない状況。


 このとき最初に動き出したのは、ルーシーだった。


 —タッタッタッ


 首無しの背中側から、突きの構えを取りながら掛けていく。


 そして、ルーシーは剣で首無しの背中側から、胸の正面まで思い切り突き刺した。


 —グサ


 —ウガアアアァ!


 

 弱点である胸の正面を貫かれた首無しだが、苦しみで暴れまわりながらも、まだ生きているようだ。


 『これで終わりよ!』


 ルーシーは、止めを刺そうと考え、首無しに突き刺さった剣に土属性の魔力を込め始める。


 —グググググ


 ルーシーの剣から岩の塊が膨れ上がるようにして出現し、鎧を内側から突き破ろうとした。


 そのとき…。



 〈…マ。…サマ…。〉



 (なんだと!? モンスターがしゃべった?)



 だが、首無しの言葉は続かず、ルーシーの剣に付与された土魔法によって、内側から砕け散ってしまった。



 —バァァン!



 :ルーシーちゃんナイス!

 :やっと勝てた…!

 :まさかルーシーちゃんの剣で倒すとはな!

 :おめでとうルーシーちゃん!

 :カエデちゃんと大和ちゃんもよくやったで!



 「やりましたねルーシーちゃん!」


 遂に首無しとの戦闘が終わり、止めを刺したルーシーにカエデは駆け寄った。


 『ありがとうカエデ!みんなのお陰よ!…でも、最後になんで動きを止めたのかしら?それに、何か言おうとしてたような…。』


 「言おうとしてたって何のことですか?」


 「首無しの事だよ。ルーシーが止めを刺す寸前に、突然言葉を話し出したんだ。」



 俺もルーシーの元に歩いていき、会話に加わる。


 「モンスターが話す!?そんなの聞いたことありませんよ!?」


 「そうだな。俺もだ。ルーシーはどうだ?」


 『私も聞いたことないわね?』



 :俺も最後に首無しが喋ってるの聞こえた!

 :僕も聞こえました…。

 :マジか…。

 :でも、カエデちゃんの言う通り、モンスターが話すなんて聞いたことないな…。



 「どうですよね…。ちなみに、何て言ってたんですか?」


 『そうね…。確か、「○○様」って聞こえたわ。大和はどう?』


 「俺も、ルーシーと同じように聞こえたな。恐らく、誰かの名前を言おうとしてたんじゃないかな…。」


 「名前ですか…?でも、戦闘の最中にいったいどうして人の名前を呼ぼうとしたんですかね?」


 「さあな。まあ、今はとりあえずリスポーンするまでの間、食事と睡眠をとっておこう。」


 「そうですね!リスポーンまで24時間ありますから、目一杯休みましょう!」


 『確かに、お腹も空いてきたわね…。』


 :久しぶりのお料理ですか!

 :そろそろ休憩しないとね!

 :たっぷり休んでな!


 「料理の前に、ちょっと休憩をしないか?2人とも疲れただろ?」


 『そうね。少し横になってヤマトのマッサージでも受けたいわね…。カエデもそれでいいかしら?【はいしん】は一旦休憩という事で。』


 「分かりました!それでは【はいしん】は、少し休憩してから料理配信を再開しますね!みなさんご視聴ありがとうございました!」

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