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第53話 【はいしん】ついに初バズり!?


 現在俺たちは、古代人の集落の奥にあるという古代文字が書かれた石板のある場所に向かっていた。


 道中ではクモの糸を集めつつ、雑魚モンスターを倒していた。


 主に登場するモンスターは、車のタイヤほどの大きさのクモのような見た目をしていた。


 幸いなことに、フル装備を手に入れていたおかげで苦戦することなく件の石板の在り処までたどり着くことが出来た。


 「あそこに何かありますよ!」


 『あれが石板じゃないかしら?』


 「ここからじゃ分からないが、何か書かれているような…。」


 —サッサッサッ


 俺達は小走りで石板に近づいていった。

 

 :あれが古代文字が書かれた石板?

 :そうやで。

 :意外と簡単に来れたな。

 :確かに。ボスモンスターも出なかったしな。

 :ここから蜘蛛系のボスが出るんじゃないの?

 :ネタバレになるかもしれやんけど、ここは特にボスとかは出ない。

 :そうやな。雑魚を全部倒して第2の拠点を作る感じや。


 「これが古代人の文字ですか。何が書いてあるか全然読めませんね…。」


 「しかし、かなり分厚いな…。」


 :確かに分からんな。

 :日本語みたいに3種類の文字で書かれてるような感じだな。

 :↑この一瞬で良く気づいたな。

 :すまん。実は自分でもプレイしてて、どうしても文字を読みたくて解析してたんや。

 :もうプレイ済みなのかよ。


 『確かに3種類文字があるように見えるわ。私の国も3種類の文字を使っていたのよね~。』


 「へ~。日本と同じような形式だったんだな。」


 『言われてみればそうね。最近日本語の読み方をカエデと大和から教えてもらったけど、同じ発音で意味が違う言葉が多いじゃない?』


 「そうでしたね!この前教えたのは雨と飴、蜘蛛と雲とかでしたっけ!」


 『それよ!』


 「そういえば、新幹線の中でそんなこともやったな。」


 『そうそう!それで、実は私の国の言葉も同じ発音なのに意味が違う言葉が多いのよね~。』


 :そういえば、ルーシーちゃんって外国の子やったっけ?

 :そこは良く分からん。

 :日本以外にもそんな国があるんやな。

 :今日本語をペラペラしゃべってるんは、【はいしん】の効果の1つやったっけ?

 :そうやで。

 :《翻訳》な!

 :あ!!

 :どうしたんや?

 :大和さん!視線を石板の方に戻してください!


 3人はお互いの方向をむきながら話し合っていたため、石板から視線が外れていた。


 「石板ですか?特に変わりないような?」


 「ん?石板の方に視線を…っ!?」


 『あれ!?読めるようになってるわ!?』


 :本当だ!字幕がついてる!

 :さっきまでこんなの無かったよな?

 :読める!読めるぞ!

 :ゲームの仕様じゃないよな…。

 :カエデちゃんは読めてないみたいだから違うかも。

 :大和ちゃんとルーシーちゃんだけが読める…。

 :もしかして、さっき言ってた《翻訳》の効果じゃね?

 :え?それってゲームにも適用されんのか!

 :これって、まだどの配信者も読めてなかったよな!

 :うん。ゲームの進行に関係なかったから先に進んでるはず。

 :内容次第ではバズるんじゃね?


 『そういえば、《翻訳》って理解できるまで時間がかかるんだったわね』


 「でもおかしいぞ。ルーシーの言葉も何度も聞いて、時間をかけて理解できるようになった。でも、今回はそこまで文字を入念に見ていないのに、突然理解できるようになった。」


 「もしかして、さっきコメントにいた人がきっかけになったんじゃないですか?」


 「コメントにいた人?」


 『そういえば、自分で解析中だって言ってるコメントがあったわね。ほら、古代文字が3種類の文字で出来ているって言ってた…。』


 「なるほど!《翻訳》の効果発動のトリガーは、スキル保持者の言語に対する一定の理解度なんじゃないかと思っていたんだが、【はいしん】を見ている人の誰か1人でも一定の理解度に達すると効果が発動するのかもしれないな。」


 『たしかに、古代文字に関しては全然理解してなかったものね!』


 :そんなこと出来るんや。

 :【はいしん】って便利なスキルだな。

 :ってことは、古代人ニキのお手柄ってこと!?

 :ほんまや!

 :よくやった!古代人ニキ!

 :古代人ニキじゃなくて古代文字ニキのほうが正しいような…。

 :そんな細かいことはいいんだよ!

 :そうそう。早く全文読んでしまおうぜ!


 「そうですね。コメント欄の方たちも待ち遠しいみたいなので、内容を確かめましょう!」




----------------------------------------------------------------------------------------------------------


 その後、ちゃんと石板の文字を読むことが出来た。


 内容は要約すると、「ここに我らの宝を隠した。試練を突破したものだけが手に入れられる。」的なことが書かれていた。


 「試練?いったいなんのことだろうか?」


 「う~ん。良く分かりませんが、こう言うのって、石板を動かすと地下につながっているって言うのが定番じゃありませんか?」


 「確かにそういう映画を見たことがあるな…。でも、そう言うコマンドが表示されないし、どうすれば…。」


 俺とカエデちゃんが考え込んでいると、石板の裏のほうに歩いて行ったルーシーが驚いたような声を上げた。


 『あ!!』


 「どうしたんですか?」

 

 『石板の裏にも文字が書かれているわよ!正面にある文字を全てなぞりながら声に出して読むと試練への道が開けるって書いているわ!』


 :裏にも文字があったのか!

 :これで試練が解放されるんか?

 :何が出てくるんやろうか?


 「正面の文字をなぞりながら声に出す?それじゃあ、やってみるぞ!」


 —スーッ


 俺は正面にある全ての文字をなぞりながら読み終えた。


 「あれ?何も起きませんね?」


 「いや、辺りが揺れ始めたぞ!」


 —ゴゴゴゴゴゴゴ


 『あ!石板が横にずれていくわ!』


 :石板の下に穴が!

 :ホンマや!

 :もしかして、地下迷宮?

 :ダンジョンってこと?

 :これは凄いことになってきました!


 「こ、これは地下に試練と宝が眠っている訳ですよね…。」


 「石板の内容が正しければな…。」


 『それじゃあ、早速中に入りましょう!』


 「そうですね!コメントによると私たち以外のゲーム配信者はまだここを見つけていないみたいですから、もしかしたら本当にバズるかもしれませんよ!一番乗りで攻略しましょう!」


----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


 地下に潜ると、古代人が作り上げた迷宮が眠っていた。


 地下迷宮では、地上で見かけた蜘蛛のモンスターの強化版が現れ俺たちの行く手を阻んだ。


 しかし、苦労したのはモンスターとの戦闘だけでなく迷路のように張り巡らされた迷宮や謎解きであった。


 なぜなら、迷宮内での灯りは手に持った松明のみであり、周りが見えにくいだけでなく、迷宮内のみ地図が表示されなかったのだ。


 だが、コメントにいつも見に来てくれている【地図】ニキが遅れて現れ、ゲーム内の迷宮をマッピングしてくれたおかげで正確な道を進むことが出来た。


 また、謎解きに関しては、コメント欄の皆が一緒に考えてくれたおかげで正解することが出来たのであった。


 そして、みんなで協力しながら迷宮を進み、最後の部屋に辿り着いた俺達は、最後のボスである巨大な蜘蛛のモンスターと遭遇し、現在戦闘は佳境を迎えていた。


 —ズバッ


 :もう1本の脚を切り飛ばした!

 :大和ちゃんナイス!

 :これ1戦目で勝てるんじゃね?

 :いけるぞ!

 :後ちょっとだ!

 :なんか視聴者めちゃくちゃ多くないか?

 :うん。ダンジョン配信も含めて、今までで一番多いかもw


 『その調子よヤマト!私ももうすぐでビンの調合が終わるからカエデも耐えて頂戴!』


 ルーシーは矢に属性を付与するビンを使い果たしてしまったので、モンスターを麻痺させるビンを調合で1から作り直している最中だった。


 「大丈夫です…よっ!さっき武器を研いだばかりですからまだルーシーちゃんを守れます!」


 —ガキン!


 カエデは調合中のルーシーを大剣の腹によるガードで守っていた。


 「いいぞ!カエデちゃん!」


 大和はボスの注意がカエデに向いている間に、隙が大きい分威力が高い大技を繰り出す。


 《悪魔斬り》!


 —ズドン


 :よっしゃ!顎が割れた!

 :これでボスの攻撃力が落ちるんじゃね?

 :あ!ボスの足取りがヨロヨロしてるぞ!

 :本当だ!そろそろ捕獲出来るんじゃね?


 『待たせたわね!麻痺ビンの準備は出来たわよ!』


 「ちょうどいいタイミングだ!頼んだぞルーシー!」


 『心配しなくても外さないわよ!だって私はエルフなんだか…らっ!』


 —バシュッ!


 ルーシーは麻痺ビンをセットした矢を4本同時に発射した。


 :いっけえええ!

 :エルフの力見せてやれええ!

 :これがエルフの弓術ですか…素晴らしいフォームです。

 :あれ?でもルーシーちゃんって、あんまり弓矢使ったことないんじゃなかったっけ?

 :↑今はそんなことどうでもいいんだよ!

 :というか、ゲームだから弓の扱いが上手いとか関係ないんだよなぁ。


 —ズサッ


 —ギィィィィィ!


 ルーシーの矢は、全て見事に命中しボスを麻痺させることに成功した。


 『ヤマト!落とし穴の設置をお願い!カエデは私と一緒に麻酔玉を投げるわよ!』


 「大丈夫だ!もう準備は出来ている!」


 —ドシン


 直後、体全体が痺れて動けないボスは落とし穴に落ちてしまった。


 「大和さんナイスです!私もいつでも投げられますよ!」


 『わかったわ!私が合図するわね!せーの!』


 『「えい!」』


 2人合わせて4個の麻酔玉をボスに投げつけ…


 —zzzZZZ


 遂に迷宮のボスを捕獲することに成功した。


 —捕獲完了!—


 「やったぞ!これで捕獲完了だぁぁ!」


 「やりましたね!大和さ…ぼふっ」


 『遂に迷宮攻略よ!…ぼふっ』


 大和は嬉しさのあまりコントローラを投げ出し、カエデとルーシーを抱きかかえた。 


 そして、大和は3人の中で断トツで背が高いので、ルーシーとカエデは大和の胸に押しつぶされて一瞬呼吸が出来なくなった。


 『…っぷは~!嬉しいのは分かるけど、息が出来ないじゃないの!』


 「ふ~!危ないところでした…。」


 :二人とも胸に埋まってたでw

 :意外とデカいんだな。

 :二人が羨ましい…。

 :そんなことよりも、これで世界初の地下迷宮クリアや!

 :おめでとう!

 :有名なゲームだから視聴者の数もハンパないな。

 :「地下迷宮」がSNSのトレンド1位になってるで!

 :「エルフちゃん」も2位に載ってるな!

 :これってチャンネル始まって以来の大バズりじゃないか?

 :世界初のダンジョン配信者なのに、ゲームでバズるのかw

 :視聴者数も普段の数倍以上になってるぞ!

 :チャンネル登録者も凄い勢いで増えてるw


 「確かに数字が凄いことになっているな…。」


 大和は視界の端に見えている視聴者数を見ながら、自身の身体能力に変化が無いか確かめた。


 「それに、視聴者が多いお陰なのか力がみなぎってくるぞ…。」


 『私も魔力があふれてくるわ…!やっぱり【はいしん】にはステータスup効果があるのは確定ね…。』


 「という事は、これからもダンジョン探索に配信は欠かせませんね!」


 『そう言う事になるわね!』


 :初見なんですけど、ダンジョン配信って何ですか?

 :私も初見です!

 :これだけ一気に視聴者が増えると、ダンジョン配信のこと知らない人の方が多いんじゃない?

 :そりゃあ、いつもの数倍の視聴者がいるんだから当たり前だろ。

 :ってことは、今のうちにダンジョン配信のこと宣伝しといた方が良いんじゃね?

 :確かに!このゲームが好きなら、本物のダンジョン配信にも興味あるだろうし!

 :宣伝といえば、ショート動画も…。


 「それはいいアイデアだな!」


 「そうですね!それじゃあ、視聴者さんが多い今のうちに宣伝しておきましょう!」


 『宣伝って、どうすればいいのかしら?』


 「簡単な挨拶と、普段の活動内容を3人で伝えましょう!」



 配信内での宣伝をしたあと、改めてチャンネルにダンジョン配信などの活動内容に関する動画を投稿し、さらにチャンネル登録者数を増やすことに成功した。


 また、カエデちゃんがSNSやショート動画を活用し、フォロワー数を増やしたこともあって、俺たちの知名度向上に繋がった。

「おもしろい!」「つづきが読みたい!」と思ったら


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