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第52話 【はいしん】ピザ/ゲーム配信者の適性/クモの糸


 俺達は、遂に最初の鳥型のマヌケな見た目のモンスターのワンクックを倒すことに成功した。


 その後も、基礎を叩きこむために何度もワンクックに戦いを挑み、遂に3人とも殆どダメージを受けることなく倒せるようになっていた。


 そして遂に、俺たちはワンクックのフル装備と武器を手に入れることが出来たのであった。


 :遂にワンクック装備コンプリートや!

 :ここまで本当に長かった…。

 :普通はここまで同じモンスターと何度も戦わないんだけどなw

 :ここのエリアで同一モンスターのフル装備を手に入れる人って少ないんじゃないかな…。

 :でも、最初の頃と比べると見違えるほど強くなったな。

 :基礎を叩きこんだおかげや!


 『これがフル装備ね!今の私達なら、どんなモンスターでも勝てるんじゃないかしら!』


 「そうだな!それじゃあ、次の依頼を受けにい行くとしよう!」


 —コンコンコン!


 俺とルーシーが意気投合した瞬間、ノックの音が部屋に響いた。


 「あ、そういえばデリバリー頼んでたんでした!受け取ってきますね!」


 カエデちゃんが玄関に小走りでピザを受け取りに行ってくれた。


 「頼んだのを忘れていたな。次のモンスターに挑む前に腹ごしらえも必要か…。」


 『たしかにお腹が減ってきたわね…。ゲームに夢中で気づかなかったわ。』


 :デリバリー何頼んだんだっけ?

 :たしかジェンガピザで頼んでたはず。

 :ピザか!デリバリーの定番やな!


 「お待たせしました~!美味しいピザですよ!」


 カエデちゃんが、ピザの箱を5つ持って戻ってきた。


 :結構多いなw

 :5箱も頼んでたんか!

 :3人でこんなに食べられる?

 :まあ、ルーシーちゃんと大和ちゃんがいれば大丈夫か。

 :ルーシーちゃんだけで大丈夫だと思うw


 『これがピザなのね!写真で見るより大きいわね!それに、いい匂い!』


 「ありがとう、カエデちゃん。ピザも久しぶりに食べるな~。」


 「どういたしまして!それじゃあ、どれから食べていきますか?」


 「それじゃあ、シーフードから食べてみないか?イカと貝、それにエビも入ってるぞ!」


 『海の食材ってことよね!美味しそうだわ!』


 「それじゃあ、シーフードから食べていきましょうか!」


 「それじゃあ、俺が切り分けるよ!」


 『私は多い目にお願いね!』



-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------


 『は~、美味しかったわ~。もっと食べたいところだけど、今日は我慢しておこうかな。』


「俺もこんなに美味しいとは思わなかったよ。」


 「うっぷ、私はもう食べられません…。」


 :ルーシーちゃんまだ食べられるんだ…。恐ろしい子…。

 :ルーシーちゃんと大和ちゃんがかなりの割合食べてたけどなw

 :カエデちゃんが少食に見えてしまうけど、普通の男性よりは食べてるんじゃないか?

 :俺もそう思う。


 『ヤマトはどれが一番美味しかったの?私は、この照り焼きチキンね。』


 「そうだな~。俺は貝が好きだからシーフードかな!カエデちゃんはどうだった?」


 「私は、炭火焼きカルビですね~。」


 :俺はガーリックシュリンプ味がおススメ!

 :やった!俺カエデちゃんと同じだ!

 :俺もルーシーちゃんと一緒で照り焼きチキン派です。

 :シーフードはちょっと苦手。


 「それじゃあ、歯磨きと休憩をしてからゲーム再開と行きますか!」


 『「お~!」』


 大和とルーシーは、カエデの言葉を受けて、こぶしを突き上げながら応えた。




-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------



 その後の俺達は、最初にワンクックに負け続けていたのが噓であったかのように、次々と新しいモンスターを倒していくことが出来た。


 おそらく基礎的な操作方法を覚え、初級モンスターの装備ではあるがフルアーマーで揃えることが出来たおかげだろう。


 そうやってモンスターを狩り進めていくうちに、今まで使っていた武器や防具に新しいモンスターの素材を使って強化したり、合間を縫って木を切り倒し、島の中に新しい拠点を建てることが出来た。


 :遂に拠点ゲット!

 :かなり島の奥まで進んで来たんじゃない?

 :最初の頃と違って、スムーズにモンスター倒せるようになってきたな。

 :成長したな…。

 :やっぱり、基礎を叩きこんだおかげじゃないか?

 :それだけじゃなくて、3人とも探索者なだけあって動体視力がいいわ。

 :これからは、もっと奥のエリアまで行けるようになったな。

 :でも、その分モンスターも強くなるんじゃなかったっけ?


 「なかなか立派な建物になったんじゃないか?」


 『ここが私たちの新しい家ね!』


 「やっと完成しましたね!コメントによると、ここからはもっと強い敵が現れるらしいですよ…。」


 『そんなの今の私達には関係ないわ!どんどん進んでいくわよ!』


 :まだ続けるの!?

 :何時から始めたんだっけ?

 :確か午前8時から初めて、今は午後の3時だから…。

 :もう朝からぶっ通しで7時間くらいやってるぞ。

 :初めてのゲーム配信で長時間やりすぎ~!

 :探索者だから体力もあるんだろうな…。

 :それだけじゃなくて、合間に大和ちゃんの【マッサージ】で体を癒してるし…。

 :あと、ダンジョン配信はもっと長時間やってるから、これくらいじゃあ全然堪えないんだろうな。

 :そういえば、ダンジョン配信のアーカイブ長すぎて見れてないわ。

 :ってことは、この子たちゲーム配信者としての適性が高いのかもな。


 「たしかに。いつもに比べると全然大丈夫ですね…。」


 「ルーシーの言う通り、このまま突っ走ろう!あわよくばゲームクリアも目指すぞ!」


 「いつもより視聴者が多いですし、チャンスかも知れませんね…。それでは、このままバズるまでぶっ通しで行きましょう!」


 『そう来なくっちゃ!いくわよカエデ!』


 「はい!」


 その後、さらに強力なモンスターとの死闘を重ねることとなった。



 (ニャンガクルガ戦)


 現在俺たちは、猫のような顔と恐竜のような羽を持った動きの素早いモンスターと戦っていた。


 ニャンガクルガという名前で、このエリアの主のような存在らしい。

 

 「3段攻撃が来るぞ!」


 「私がガードします!その間に…。」


 『分かってるわ!私とヤマトが仕掛けるのよね!』


 「分かっているさ!くらえ!悪魔切り!」


 ニャンガクルガがカエデに攻撃した隙を狙って、大和が太刀による最高火力技を放った。


 —にゃあああん!


 すると、ニャンガクルガはひるんでしまい、さらに隙が生まれる。


 「今です!」


 『準備は出来てるわ!これでどうかしら!痺れビン!』


 動きが止まった隙に、ルーシーが痺れ効果のあるビンを備え付けた矢を放った。


 —にゃにゃにゃにゃぁぁぁ!


 「いまだ!罠を仕掛けてくれ!俺とカエデちゃんは麻酔玉を!」


 『了解よ!』「了解です!」


 ニャンガクルガが痺れている間にルーシーが落とし穴を仕掛ける。


 —ドスン!


 :ルーシーちゃんナイス!

 :やっと落とし穴に落ちたな!

 :あとは眠らせるだけ!

 :2人で2個づつ投げるとちょうど眠ってくれると思うで!

 :罠にかかってる時間は短いから急いで!


 「一緒に投げるぞ!せーの!」


 『えい!』


 大和とルーシーが、ニャンガクルガが目掛けて麻酔玉を2個づつ投げつけた。


 —にゃにゃ、にゃ…zzz


 :捕獲成功ですね!

 :やったああああ!

 :これで次のエリアに進めるな!

 :初戦闘で捕獲に成功するとは!

 :捕獲と討伐では何か違いがあるんですか?

 :倒すより、捕獲する方が難しいけど素材が多く取れるんだよ!

 :次のエリアってどんな場所なんですか?

 :古代人の集落跡だったと思う。

 

 「おお、遂に古代人関係のエリアに進めるのか!」


 モンスターの素材を剥ぎ取っていた俺は、ちらっと目に映ったコメントに反応した。


 「あ、確か古代人の遺産がこの島に眠ってるんでしたっけ?」


 『そういえば、最初の映像でそんなことも言ってたわね。今のところ全くそんな気配がないから忘れていたわ…。どんな場所なのかしら…。』


 :今のところ古代人要素ゼロだもんね。

 :集落跡ってことだから、特別な物はないんじゃね?

 :集落の奥の方に、古代文字が書かれた石板があるよ。

 :↑ネタバレとかはやめてくれよ。

 :大丈夫。まだ誰も古代文字は読めてないから。


 「古代文字か!ワクワクしてくるな!」


 普段は大人しい性格をしているが、元来ダンジョンやUFOなどの現実離れしたものが大好きな大和は、古代文字にも興味を示した。


 「それじゃあ、早速次のエリアに行ってみますか!」



---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


 集落に辿り着くと、早速異変を感じた。


 集落全体に蜘蛛の糸が張り巡らされているのだ。


 「これってもしかして、蜘蛛系のモンスターが出てくるってことですか…?」


 :ご名答!

 :集落全体が蜘蛛の住処になってるで。

 :うわ、俺クモが苦手なんだよな…。

 :でも、この蜘蛛の巣が有用なアイテムなんだよ。

 :有用なアイテムって、どうやって使うの?

 :蜘蛛の糸で防具の下の服を新しく作れるはず。

 :防御力の高い服が作れるんだよな!

 :あんな細い糸で強度なんか上がるのか?

 :うん。確か現実の蜘蛛の糸でも鋼鉄の5倍くらいの強度があるって聞いたことあるで。

 :マジで!?


 『え?クモって私が知っている虫のクモのことを言ってるのよね?巣は何度も見たことあるけど、手で簡単に切れたわよ…。』


 「そうですよね。私も昨日の夜に蜘蛛の巣に引っかかっちゃって…。」


 「俺も同じような経験があるな。」


 :蜘蛛の糸が鋼鉄の5倍ほどの強度があるのは本当です。でも、自然界のクモの糸は0.01mmほどの太さしかないので、簡単に切れてしまうんです。

 :いくら強度があっても細すぎるから手でも切れるってことか!

 :なるほど!

 :ちなみに1㎝ほどの太さがあれば、飛んでいるジェット機を捕まえられるほどの強度になるらしいです。

 :え!?

 :ウソやろ!?

 :たった1㎝の太さでそんな強度になるんか…。


 「あ、本当だ!スマホで調べたら出てきましたよ!ここを見てください!」


 「本当だな。蜘蛛の糸か…。どこかで見たような…。」


 『へ~。インターネットって色々なことが調べられるのね!』


 :確かにネットに載ってるわ。

 :ホンマや。2.5mmくらいでも人間を吊るすどころか600㎏くらいまで持ち上げられるらしいぞ。

 :すげえな…。っていうか、なんで蜘蛛の糸の話になったんだっけ?

 :そういえば何故だろうか?

 :古代人の集落跡に張り巡らされてる蜘蛛糸が有用なアイテムだって話だろ!

 :あ、そういえばそんな話だったw

 :よく覚えてたなw


 「私も忘れてました…。それじゃあ、蜘蛛の糸を採取しながら奥まで進みましょうか。」


 『そうね!いっぱい集めて新しい服を手に入れるわよ!』


 「古代人の建造物と文字も見てみたいな!」

「おもしろい!」「つづきが読みたい!」と思ったら


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