第49話 デミカツ丼/【はいしん】キャラクターデザイン
広島で1泊した次の日。
俺たちは、遂に大阪のダンジョン周辺街に帰って来ていた。
宿に入る頃には夕方になっており、3人ともへとへとに疲れていたのでそのまま寝ることにした。
もちろん、次の朝にスッキリと起きられるように、寝る前には【マッサージ】をしておいた。
ちなみに大阪に帰る途中に、岡山県にも立ち寄った。
岡山県は、ちょうど兵庫県と広島県の間にあるので、せっかくだから昼食を食べてみようという事になったのだ。
その際は【はいしん】を使っていなかったので、何を食べるか迷った。
しかし、駅を降りた途端ルーシーが『トンカツの匂いがする!』と言い出し、匂いの元を辿ると、「岡山県発祥!デミカツ丼やってます!」という立て看板があるお店に遭遇し、そこでお昼をとることにした。
そういえば、このとき初めて知ったのだが、デミカツ丼は、岡山県だけでなく他の地域にもあるらしいが、店主の話によると岡山県が発祥らしい。
見た目は普通のソースカツ丼の様だが、食べてみるとソースが違った。
デミカツ丼という名の通りデミグラスソースがかかっており、その上にグリーンピースが添えられている。
また、トンカツの下にはキャベツが敷かれていた。
俺は大盛、カエデちゃんは並盛、ルーシーはもちろん特盛を頼んでいた。
肝心の味だが、ソースカツ丼と比べてデミグラスソースの甘い味わいが新鮮で、とっても美味しかった。
ルーシーは、デミグラスソース自体を初めて口にしたので、大好きなトンカツと一緒に食べたという事もあり、とても気に入って2杯目の特盛も注文していた。
次のダンジョン探索には、ルーシーの為にもデミグラスソースを持っていこうと決意したのであった。
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—チュンチュンチュン
『ん~!いい寝覚め!これも【マッサージ】のおかげね!』
「おはようルーシー!疲れが取れたようでよかったよ。」
—ガチャ
俺とルーシーが話していると、部屋のドアが開かれた。
「おはようございま~す!もう起きていますか~?それとも、ぐっすりお休み中ですかね~!」
—うっひっひ
という嬉しそう笑い声が聞こえそうな表情でやってきた。
隣の部屋を借りているカエデちゃんがやってきた。
カエデちゃんには、もしものために合鍵を渡していたので、いつでも入って来れるのだ。
『もう起きてるわよ。』
「それは残念です。まだ寝ているようならルーシーちゃんに添い寝してあげようと思ってたのに~。」
『起きてるのにくっついてきてるじゃないの~!』
カエデはいつものように、ルーシーの頬にスリスリしている。
「ダンジョンの中だと、いつもルーシーにくっついて寝てるじゃないか…。」
「大和さんは分かっていませんね~。ダンジョンの中と地上では、得られるルーシーちゃんエネルギーの種類が変わって来るんですよ~。」
さらに強くスキンシップをとるカエデに、ルーシーは諦めたようで、成すがままにされていた。
「それはそうと、今日は以前から予定していた通りゲームの練習をするんじゃなかったのか?」
「あ、そうでしたね。」
『そうよ!カエデがやり方を教えてくれるって話だったじゃない!朝ご飯を食べたら早速始めるわよ!』
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宿の1階にある食堂でモーニングセットを食べ終えた俺たちは、早速カエデちゃんからゲームの操作方法を教わっていた。
ちなみに、操作方法などを教えてもらう最中も「視聴者に需要がありますよ!」とカエデちゃんが提案したので、現在【はいしん】中だ。
「え~っと。先ずは操作するキャラクターの見た目を決めていきましょう!」
:え、本当にゲーム配信やってるじゃん!
:いったいどうしてゲーム配信を?
:新しい視聴者層獲得のためかな?
:モンスター狩人の最新作じゃん!2、3日前に発売したばかりじゃなかったっけ?
:この前の配信で最後に言ってたやつだ!
コメントの質問を受けて、以前ルーシーとカエデちゃんに説明した内容を視聴者に伝えた。(46、48話参照)
「えーっと。今回ゲーム配信をするのは、俺が俯瞰視点に慣れておきたいからだ。というのも、探索歴が長いからパーティーのリーダーを務めているんだが、指示を出すうえでは戦況を見渡すことが出来た方が有利だと思うんだ。」
:そりゃそうだな。
:確かに、大和ちゃんは基本的に接近タイプだから、視界が狭くなるかもね。
:そういえばそうだな。でも、的確に指示出来てたし問題ないと思うんだけどな。
:やっぱり位置的には魔法使いとかの遠距離タイプが1番敵から離れてるから、ルーシーちゃんが指示した方が良い気がするな。
:でも、大和ちゃんの方が探索歴長いんだろ?だから、いい指示が出せるんじゃないか?
「そうなんだ。指示を出すうえでルーシーが一番いい場所にいる!そこで考えたんだ。戦闘中にルーシーの視点からも全体を見ればいいんじゃないかと!」
:え、どういう事?
:ルーシーちゃんの視点から?
:あ、もしかして。
:ルーシーちゃんの【はいしん】画面も見ながら戦うって訳か!
:なるほど。
「その通りだ!そこで、広島の家電量販店で偶然見かけたこのゲームが自分を俯瞰的に見る練習になるんじゃないかと思ったんだ!それと、次にダンジョンに潜るまで暇だから…。」
『も~!途中までいいこと言ってたのに、最後ので台無しよ!』
:たしかに、ルーシーちゃんの視点からは大和ちゃんの後ろ姿が見えてる訳だもんな。
:そう言われると、ゲームの視点にちょっと近いかもな。
:なんか最後に本音が漏れてたようなw
:そういえば、前回の探索でミスリルとオリハルコン手に入れたんだっけ。
:武器を作ってもらってる最中は暇って訳だなw
「そうですね…。暇って言うのもありますが、視聴者数増加を見込んでの配信という面もありますね!それじゃ、そろそろ始めていきますよ!」
「そうだな!最初は操作するキャラクターのデザインだったな。」
『どんな見た目にしようかしら…。』
:耳長くしてエルフの女の子っぽく出来るはず。
:このゲームって、キャラクターの造形の自由度が高いんだよな。
:俺はウサギ獣人のおっさんのデザインにしたで!
:うさ耳生やせんのかよ!?
:っていうか、よりによってオッサンとは…。
:そういえば、3人はどんな見た目にするか決めてるん?
「そうだな。やはり、戦闘のための練習という事もあるから、出来るだけ自分の見た目に近い方が良いと考えている。」
『私は、故郷の勇者様っぽくしようと思っていたけど、確かに大和の言う通り自分に似せた方が良いわね。』
「へ~。ルーシーも男の子みたいに勇者に憧れがあるのか?」
『そうよ!なんてったって、勇者様は私の故郷出身…。』
:勇者様?
:そう言う設定じゃない?
:初見です!モンスター狩人やってるみたいだから見に来ました!
:俺も!初めて見たけど3人ともメチャクチャ可愛いですね!
:おっ、早速ゲーム配信の効果が出始めてるんじゃないか?
「あ、本当ですね!初見さんありがとうございます!それじゃ、パパっとキャラデザを完了させていきますよ!それと、ルーシーちゃんは自分の好きなデザインを作りたければ、データを複数作ることが出来ますよ!」
『あら、そうなの!それなら後で作っちゃおっと!』
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