第47話 明石焼き/チャンポン
次の日。
俺たちは大阪駅を出発し、ちょうどお昼時に明石駅に到着していた。
「隣の県なのに、意外と時間がかかりましたね~。」
「ちょうど大阪駅から40分くらいだな。まあ、隣とは言っても明石市は神戸市なんかよりも大阪から離れているからな。」
書店で購入した「兵庫県の走り方」というガイドブックをカエデに見せながら説明する。
「ほんとですね~。あ、明石市といえば、明石海峡大橋があるところでしたっけ?学生時代に授業で習いましたよ!」
「へ~。俺が地上にいたころはまだ出来ていなかったみたいだな。それと、ガイドブックによると明石海峡大橋は明石市じゃなくて、神戸市と淡路島を繋いでいるらしいぞ?」
「え~!名前に明石って入ってるのに!?私今まで勘違いしてました…。」
と、カエデは驚いた声で叫んだ。
ちなみに3人は、駅周辺で話し合っていたので、周りの人達から「あれエルフのコスプレ?」、「めちゃくちゃ可愛い」、「あの声もしかしてカエデちゃんか?」「本物のルーシーたん!はふはふ…。」などの声が聞こえてきたが、大和達3人にとってはいつものことなので、特に気にならない様子であった。
「なんだか大和さんと話していると、時代の流れを感じますよね…。見た目はあんなに肌が綺麗なピチピチのお姉さんなのに…。」
『仕方ないんじゃないの。何十年もダンジョンに潜っていたんだから。』
「そうですね!それに、ギャップがあるのが逆にいいかも…。」
そうやって、しばらくおしゃべりしながら歩いていると…。
「お、あそこに明石焼きって書いてるぞ!」
大和が指差した方向を見ると、看板に「兵庫の全てをそこにおいてきた!」書かれている店があった。
そして、店の入り口の前に「明石焼き、ちゃんぽんやってます」と書かれた立て看板が置いてある。
「ほんとですね!でも、どうして兵庫県をアピールしている店で、チャンポンを売ってるんでしょうか?」
「うーん…。とりあえず、店に入れば分かるんじゃないか?」
『そうよ!早く食べましょ!』
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運の良いことに、俺達は並ぶことなくテーブル席に案内され、早々に注文することが出来た。
「私は、明石ダコと、すじこん(牛すじとコンニャク)でお願いします!」
『私は彼女と同じものを。それから…。あっ、カレー味とチーズ味と穴子もお願い!』
「それじゃあ俺は、エビとタコと…。あ!それじゃあ、ご当地グルメではないが、このチャンポンをお願いしようかな!」
『あ、チャンポンを1個追加で!』
大和は、なぜ兵庫県名物の店に九州の食べ物であるチャンポンが置いてあるのかを知るために、そして麺類も食べたいなと考えて注文することにした。
:すじこん?
:初めて聞いた具材なんだが…。
:牛スジとコンニャクのことらしいぞ。
:なにそれ。聞いただけで美味そうなんだが…。
:へ~。兵庫県の料理だけ提供しているのかと思ったけど、ちゃんぽんも置いているのか。
:ちゃんぽんって、九州の麺料理だっけ?
:確か長崎だろ?あのスープが美味しくて冬に食べたくなるんだよな~。
:いや、長崎名物とはまた別の料理やで。
:兵庫県にもチャンポンがあるってこと?初耳なんだが、どんな料理なんだ?
:焼きそばと焼うどんを組み合わせた料理やで!兵庫県の姫路市の名物や!
「なるほど。俺も九州のチャンポンしか知らなかったな。」
『へ~。いつも思うけど、コメント欄って物知りな人が多いのね。』
:そ、そんな~。
:物知りだなんて照れるな~。
:ま、配信は日本だけじゃなくて世界の色んな人が見れるからな。その分色んな知識を持った人が集まる訳だ。
『ということは、見てくれる人が多くなればなるほど、いろんなことを教えてもらえるわけね!』
「そう言う事です!配信の視聴者を増やすことで様々な面で恩恵を受けることが出来ます。そのためにも、視聴者を増やしていきましょう!」
『そうね!頑張るわよ~!』
:気合入れてるルーシーちゃん可愛いw
:大和ちゃんが腕組んで頷いてるのわろたw
:視聴者が増えればお金も稼げるしな!
:お金といえば、収益化はまだなんですか?
「あ!収益化はもう少しで申請が出せると思います。なので、ご視聴とチャンネル登録をお願いしますね!」
:分かりました!
:分かったで!
:もうちょっとか!ま、このまま順当にいけば問題なく収益化できると思うよ!
:チャンネル登録してます!
:あ、注文届いたんじゃない?
:本当だ。あれが兵庫県のチャンポンか。
:焼きそばじゃね?
「確かに焼きそばの様に見えるが、細い面だけじゃなく太いうどんも入っているみたいだ。」
:あ、明石焼きも持ってきてくれてるんじゃない?
:お~、器が紅い。
:高級感があるな。
『あれが明石焼きなのかしら!確かにタコ焼きに似てるけど、赤い器と黄色い明石焼きの色合いがとても綺麗ね!それに、横にタレが入った皿が置いてあるけど…。』
「たしかに綺麗な色合いですね~。明石焼きは、あの皿に入った出汁に浸けて食べるんでしたっけ?」
:そうやで!
:黄色いのは、卵が多く入ってるからやで!
:へ~。明石焼きって初めて見た。
:俺はお祖母ちゃんがお土産で買ってくれたのを食べたことある。
:ダシが用意されてるのか!
:たこ焼きと違ってソースと鰹節がかかってないな…。
「なるほど。この出汁に浸して食べればいいんだな。それじゃあ、全部揃ったみたいだし、いただくとしようか!」
「はい!」『早く食べましょう!』
「それじゃあ、いただきます。」
『「いただきま~す!」』
—パクパクパク…
「おお、コメントの言う通り、卵の味が強くて出汁と合うじゃないか!触感も違うな。それに、チャンポンは細麺の触感と太麺に絡みついたソースが同時に口に入ってきて美味い!」
『このコンニャクって言う食材は初めて食べたけど、牛の肉と一緒に食べるととても美味しいわ!中の食材が変わるとこんなに違うのね!それに、たこ焼きは外の触感がカリッとして中はフワフワだったけど…。』
「明石焼きは外も中も柔らかいですね!」
:牛すじか。美味くないわけないよな!
:あ~。すじこん食べたくなってきたわ。
:チャンポンも気になるな…。
:明石焼きって、生地自体がタコ焼きとは別物なんや。
:触感も違うんだ。
:関西人だけど、明石焼き食べたことなかったわ。今度食べに行ってみようかな…。
:美味しそうに食べるなぁ。
:中身の食材変えたいなら、家でタコパするのもおススメやで!
:タコパって何?
:タコパは、たこ焼きパーティーの略やで。
:自分たちで好きな具材を持ち寄って、パーティーするんや。豚肉とかチーズとか、チョコレートとかも。
『チョコ!?それって美味しいのかしら…。でも、いつかタコパって言うのをやってみたいわね。』
「いいですね!今度やってみましょう!ね、大和さん!」
「それもいいかもしれないな。3人それぞれ好きな具材を選んでパーティーか…。」
『なんだかワクワクするわね!』
:どんな具材を選ぶか気になる。
:美女3人のタコパ…。
:見てみたい…。
:タコパ配信お願いします!
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