第46話 新しい武器/2つの視点/粉物論争
地上に戻った次の日。
俺達は早朝からギルドに向かい、買い取ってもらった素材の代金を受け取った。
ちなみに、オークションに関しては出品してから終了まで少し時間がかかるとのことなので、後日連絡してもらうようにお願いした。
ということで、お金を手に入れた俺たちは、ミスリルとオリハルコンの武器制作の依頼のために装備屋にやって来ていた。
「ミスリルは、片手剣にしてください。それと、こちらのオリハルコンは…。」
「オリハルコンは刀にしてほしいんだが…。」
「おい、おい。久しぶりにカエデちゃんの顔を見たと思ったら、すげえ素材ばっかりじゃねえか!?ミスリルはともかく、オリハルコンなんて久しぶりに見たぜ!それに、オリハルコンは大きさが十分あるから、短刀かナイフぐらいならもう1本作れそうだぜ!」
装備屋の店長が、オリハルコンの量を確認し、追加での武器制作の提案をしてくれた。
「短刀か…。あ、それならサイズ的に手裏剣を作ってもらう事は出来るだろうか?」
「大丈夫だぜ!ちなみに、スキルは付与しておくかい?」
「ああ、よろしく頼む。」
で
「まいどあり!それじゃあ、自前の物がなければうちの店で購入出来るけど、どうする?」
質問された大和は、店内のスキルオーブの種類と値段を確認した。
スキルオーブは聞いていた通り、かなりお手頃な値段であり、欲しかったスキルも発見した。
「それじゃあ、ここで買わせてもらおう。」
「まいどあり!スキルオーブなんて、なかなか売れないから買ってくれてよかったよ。因みにもう欲しいスキルオーブの目星はついているのかい?」
「ああ。刀には【闇属性】。手裏剣には【マーキング】を頼む。」
【闇属性】とは、その名の通り闇属性の魔法を使えるようになるスキルだ。
インターネットで調べたところによると、自分の苦手な属性の魔法や本来使えない属性があったとしても、このスキルがあれば使いこなせるようになるらしい。
そして、【マーキング】に関しては、マーキングした物をもう1つのマーキングを施した場所に出現させることが出来る能力らしい。
つまり、投げた手裏剣を何度でも手元に戻すことが出来るのだ。
「【闇属性】と【マーキング】だな。それじゃあ、完成したら連絡させてもらうよ。いつも通り、カエデちゃんにメールしてもいいかい?」
「はい、よろしくお願いします!」
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『武器の完成まで3週間くらいって言ってたわね~。』
「そうですね。オークションの終了までは2週間ほどと言っていたので、しばらく探索はお預けです。」
「そうだな。でも、しばらく暇だな。何をして過ごそうか…。」
そうやって考えていると、なにかいい匂いがするのに気づいた俺と、ルーシーのお腹が鳴った。
—ぐ~!
『くんくん。何かいい匂いがするわね。そろそろお昼どきだし、何か食べながら考えましょう!』
ルーシーは、全く恥ずかしい素振りをせずに、昼食の提案をした。
「そ、そうですね!あっ、あそこからいい匂いがしますよ?」
カエデちゃんが指し示した方向を見ると、お好み焼き屋さんが「営業中」と書かれた立て看板と共にソースのいい匂いを周辺に漂わせていた。
「お好み焼きか…。久しぶりに食べてみたいな。」
『お好み焼き…。こんなに良い匂いなら、美味しいに決まってるわ!今日はあそこで食べていきましょう!』
「私も賛成です!」
店内に入ると、テーブル席を案内された。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
どれにしようかと、メニューを見ていると「お好み焼き&たこ焼きセット。今ならお得!」と書かれているのが目に入った。
「それじゃあ、このお好み焼きと、たこ焼きのセットで。」
「セットですね。お好み焼きの具材はどちらになさいますか?」
「あ、具材も選べるのか。それじゃあ、この豚玉でお願いします。」
大和自身は、お好み焼きはスーパーの出来合いのものしか食べたことが無かったので、あまり注文の仕方が分かっていなかった。
『あら、たこ焼きってこの前に食べた料理よね!私も、彼女と同じものを2つお願い!」
(※第26話参照)
「私は、カルボナーラお好み焼きをお願いします!」
『やっぱりカルボナーラお好み焼きも1つ追加で。』
店員さんは、ルーシーのオーダーを聞いた瞬間、驚いたような顔をしたが、すぐに表情を切り替え冷静に対処した。
さすがはプロだ。
「ありがとうございます!では、ご注文を繰り返します…。」
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「そうだ。ここで【はいしん】を使ってもいいか?俺だけじゃなく、ルーシーにも使ってほしいんだが。」
『構わないけど、なんで私も?』
「カエデちゃんがこの前言ってた収益化という物をするためには、配信の回数を増やした方が良いと言っていただろ?それと、もう1つの理由はルーシーの【はいしん】カメラの視点から見る練習をしておきたいんだ。」
「1つ目は分かるんですけど、もう1つのルーシーちゃんの【はいしん】の視点からって、どういうことですか?」
「そうだな。今回、パーティーのリーダーとして探索をしてみて思ったんだ。俺はどちらかというと近距離で戦うタイプだから、パーティーに指示を出すときに視界が狭くなってしまう。しかし、ルーシーなら常にモンスターから距離を取って全体を俯瞰して見れているだろ?それを利用して、俺の視点とルーシーの視点を見ながら戦う練習をすれば、もっといい指示を出せるんじゃないかと考えているんだ。」
「なるほど。【はいしん】にそんな使い方が…。」
『ヤマトが戦闘中に私の視点からも見る…。それなら、私も同じことが出来るように練習してみるわ!』
「ありがとう、ルーシー。それじゃあ、2人同時に発動するぞ。」
『分かったわ。せーの。』
【【はいしん】】
大和とルーシーは、2つの視点を同時に見る練習を始めた。
「戦闘中は意識していなかったが、2つの視点を見るというのは違和感があるな。」
『そうね。ヤマトってこんなに高くから私を見下ろしていたのね…。でも、続けていればなんとかなりそうだわ。』
2人は、お互いに感想を言いながら新しい視点に慣れようとしていた。
「それじゃあ、私はSNSに投稿しておきますね。」
「よろしく頼む。そういえば、まだ視聴者は殆ど来ていないな。」
「突然始めましたからね。しばらくすれば、見に来てくれますよ!」
「そうだな。いまは大人しく料理を待つか。」
『お好み焼きと、たこ焼き。どんな味か楽しみだわ!』
「ルーシーちゃんは、たくさん頼んでましたよね。店員さんも一瞬驚いてましたよ。」
『仕方ないじゃない。お腹が空いたんだもの。それに、カエデが注文してたものも美味しそうだったのよ。』
「そういえば、カルボナーラお好み焼きなんて初めて聞いたな。」
「私も実は初めてなんです!」
:え、いつの間に配信始めてたの?
:通知から来ました!
:SNS見たよ~。
:お好み焼き屋さん?
:ダンジョン周辺で、カルボナーラお好みという事はあの店か…。
:ダンジョンってことは、大阪スタイルのお好み焼きか。
「あ、みなさんこんにちは!今日は、お好み焼きを食べに来ています!ちなみに大和さんとルーシーちゃんはたこ焼きも頼んでます!」
:炭水化物&炭水化物
:組み合わせがw
:大阪名物セットだな!
:たこ焼きとお好み焼きか。
:あ、店員さん来たんじゃない?
:お、美味しそうじゃん!
:なんか量多くない?
:6皿ある?
『わ~!美味しそうな匂い!』
「これがカルボナーラお好み焼きですか!おいしそう!」
「おいしそうだが、6皿もあると圧迫感が凄いな…。」
『ま、これぐらいすぐに食べちゃうから安心して!』
:ルーシーちゃんが言うと安心感あるな…。
:足りなさそう…。
:お好み焼きが何秒持つか…。
「それじゃあ、いただきましょう!」
「『いただきま~す!』」
—ぱくっぱくっ
『凄く美味しいわ!お好み焼きは豚とキャベツが上手く合わさって凄くいい!それに、たこ焼きもこの前の味付けと違うわね!』
「このたこ焼きは、醤油ベースの味付けだな。この前のはソース味だ。」
「へ~。たこ焼きと言っても色んな味付けがあるのね~。他のも食べてみたいわ~。』
:たこ焼き気に入ってくれたか!
:お好み焼きも美味しそうに食べてる!
:なんか地元の料理を美味しそうに食べてくれて嬉しいわ。
:お好み焼きなら、広島風も食べてほしい…。
:その気持ちわかるぜ。明石焼きも食べに来てくれたら嬉しいんだけど…。
:↑広島県民と兵庫県民かw
:俺は明石焼きも好きやで。
:俺も大阪府民だけど、広島焼き好きやで!
:↑広島焼きじゃなくて、せめて広島風って呼んでくれ!
:お好み焼き論争でましたw
「そういえば、ここ大阪以外にも兵庫県と広島県にも同じような料理があるんでしたっけ?」
「俺は東京出身だから、もんじゃ焼き以外は分からんな…。」
『へ~!大阪以外って言う事は、兵庫っていうところと広島っていうところに行けば、他の種類も食べられるのね!あ、そうだ!次のダンジョン探索まで時間があるじゃない!』
「確かに、しばらく暇だな…。」
:お、この流れは…。
:もしかして…。
:兵庫県と…。
:広島に…。
「そうですね。何もすることもありませんし、気分転換に兵庫県と広島に行ってみるのもいいかもしれませんね!」
『そう来なくっちゃ!』
「広島県か。確か俺の大好きな牡蠣で有名だったな。」
:よっしゃ!
:俺の地元に大和ちゃんとルーシーちゃんが…!
:広島に住んでてよかった!
:明石焼きなら、明石市に来てくれよ!
:兵庫県民と広島県民が盛り上がってるな…。
:岡山県も忘れないで…。
:↑そういえば、兵庫と広島の間だったな。
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