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第45話 再び地上へ/受付嬢のクルミさん


 翼獅子との戦闘を終えた俺達3人は、遂にダンジョンから地上に帰還した。


 『ふ~。やっと戻って来れたわね。』


 「やっとって言いますけど、帰りは飛ばしてきたじゃないですか。普通はこんなに早く帰ってこれないんですよ!」


 『へ~。そうなんだ。』


 現在、ダンジョンの入り口の周辺を歩いているのだが、確かにカエデちゃんの言う通り周辺の探索者たちが「もう帰ってきたのか?」、「早くね?」、「ルーシーちゃんペロペロ」などと言っており、探索者の常識から考えると相当早く帰ってこれたのだと考えられる。


 「それじゃあ、まずは宿に戻るか?」


 「いえ、先にギルドに行きましょう。オリハルコンやミスリルを武器にするのに時間がかかるので、早くお金を手に入れておきたいんです。」


 「了解だ。ルーシーもそれでいいか?」


 『ええ、大丈夫よ!お腹が空いてきたから、そのあとご飯も食べましょう!』


 「私は、急いでシャワーを浴びたいです!」


 「体は綺麗に保たれてるんだから、シャワーは急がなくても良いんじゃないか?」


 「いくら【適応】のおかげで綺麗に保たれてるとはいっても、 シャワーは浴びたいんですよ~。」


 カエデちゃんの言う通り、探索者は基本スキルの一つである【適応】のおかげで常に体が清潔に保たれており、そのおかげで水浴びなどをすることなく長期的な探索をすることが可能になっているのだ。


 『シャワーもいいけど、食事の後でね。』


 「いいえ、シャワーが先です。」


 『食事が先よ!』


 「それじゃあ、大和さんはどう思いますか?」


 「え、俺?」


 正直、シャワーを浴びなくてもいいと考えている大和だったが、どちらかを選択すると、片方の恨みを買うのではないかと考えた。


 さらに、歩道の真ん中で言い争っていたため、「女同士の喧嘩か?」、「もしかして、真ん中のダークエルフのコスプレ美女を取り合ってるのか?」など、あらぬ疑いをかけられ始めていたので、早急に解決する必要があると考えた。


 「俺はどちらでもいいんだが、この場は公平にジャンケンで決めないか?」


 「ジャンケンですか。生きるか死ぬか恨みっこ無しのガチンコ勝負ですね…。」


 カエデちゃんがなんだか変なモードに切り替わっている気がする…。


 『ジャンケンって初めて聞いた言葉なんだけど、いったいどんな恐ろしい勝負を刺させられようとしているの…?』


 「ルーシーの世界には無かったのか?ジャンケンというのはだな…。」


 俺がジャンケンのルールについて簡単に説明する。


 『なるほど!私の国にも同じようなゲームがあったわ!』


 「それなら相手にとって不足はなさそうですね。」


 『ええ、それじゃあ勝負!』


 「では、いきますよ!最初はグー!」


 『「ジャンケンぽん!」』


 ルーシーはチョキ、カエデちゃんはパーを出していた。


 「ルーシーの勝ちだな。」


 『やった~!先にご飯よ~!』


 「負けました…。研究によると、力んでいる人はグーを出す傾向にあると聞いていたのですが…。」


 「それじゃあ、カエデちゃんの負けという事で、先にギルドに行って素材の換金をしてからご飯を食べて、最後にシャワーという事でいいな。」


 「大丈夫です。」


 『大丈夫よ!』


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 「え~っと、受付は…。」


 「あ、今日は空いてますね。それじゃあ、あそこに行きましょう。」


 現在俺たちは、ギルドの建物内に到着していた。


 前回の受付嬢さんがいないな~と思っていると、カエデちゃんは別の受付嬢さんの元に歩き始めた。


 「クルミさん、換金お願いします!」


 「カエデちゃんじゃない!久しぶりね!」


 「お久しぶりです!」


 クルミさんと呼ばれた受付嬢を見ると、ピンクの髪にツインテールの童顔の女性が立っていた。


 ちなみに身長に関しては、俺の身長だから覗き見ることが出来たのだが、台に乗ってカエデちゃんと同じくらいの身長。


 つまり、ルーシーと同じくらいじゃないだろうか?


 それなのに、胸はかなり大きく、つい見てしまうほどの迫力を感じる。


 「それで、後ろの2人は噂のパーティーメンバーかな?」


 クルミさんは、俺とルーシーを指してそう言った。


 「はい!パーティーのリーダーの大和さんとルーシーちゃんです!」


 「吉村大和だ。よろしく頼む。」


 『ルーシーよ!』


 「やっぱり!ギルマスから、遂にカエデちゃんがパーティーを組んだって聞いて安心したのよ。それじゃあ、パーティーでの換金という事ね!」


 「はい。それでは、大和さんお願いします。」


 「ここに入れてあるから、中を確認してくれ。」


 俺は、クルミさんに袋を手渡した。


 中身は、事前に3人で話し合って売ることを決めたアイテムだ。


 「はい、お預かりします。え~っと、中身はポーションとスキルオーブ。それに、モンスターの素材とお肉かな?」


 「はい!Lv3ヒールポーションが1本と、残りはLv2とLv1ですね。それと、モンスターの素材は水龍の鱗と翼獅子の肉と…。」


 「Lv3ポーションと翼獅子の肉!?後で鑑定させてもらうけど、本当だったらとんでもない値段になるわよ!ギルマスとも相談するけど、買い取りよりも、ギルドからオークション出品した方が高値がつくかもしれないわね。」


 「モンスターの肉をオークションに…?」


 「モンスターの肉は美味しいので人気があるんだけど、なかなか安定供給が出来ない上に、奥の階層に行かないと食べたいと思えるモンスターが居ないから希少なのよ…。それに、今まで市場に出たことのない翼獅子の肉ならオークションに出す価値はあると思うわ!」


 「たしかに、浅い階層はゴブリンやトロールが出てくる階層だから、あまり食べたいとは思わないな…。」


 「それなら、私はオークションに出してもらった方が良いと思うんですけど、大和さんとルーシーちゃんは大丈夫ですか?」


 「そうだな。武器を作るためにも、お金はあって困らないからな。肉はまた取ればいい。」


 『私も賛成ね。』


 「それじゃあ、鑑定が終わってから後でカエデちゃんに連絡させて貰ってもいいかしら?」


 「はい。よろしくお願いします!」


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