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第41話 【はいしん】マンドレイク/グリフォンとの戦い方


 アルラウネを倒しながら、俺たちは31層~40層で構成される森エリアを進んでいた。


 『あれ?あそこに生えてる植物って、もしかしてマンドレイクじゃないかしら?』


 「よく分かったな。ちょうどいい。マンドレイクは料理にすると美味しいんだ。」


 :たしかに、周りの草とちょっと違う感じがするな。

 :マンドレイクって、叫び声を聞いたらヤバいんじゃなかったっけ?

 :物語とかでは、叫び声を聞くと死ぬって言うのが定番だけど…。

 :大丈夫だ、死ぬことは無い。


 「そうだな。コメントでも言ってくれてるように、すさまじい叫び声を出すが、それで人が死ぬということは無い。だが、マンドレイクの叫び声を聞いたモンスターが集まってくるという点では危険と言えるな。」


 :なるほど。叫び声を聞いてモンスターが集まって来るんか。

 :なんで集まって来るんだろう?

 :野次馬じゃね?

 :いや、マンドレイクを引っこ抜く奴なんて、ダンジョン内だと人間しかいないんじゃないか?

 :間違って引っこ抜いたらモンスターが集まるなんてトラップみたいだな。

 :でも、間違えて引っこ抜くなんてことあるか?

 :それが、このあたりの植物とか果物は美味しいから、食用に集めてる間に引っこ抜いてしまう事があるんだよ…。


 「そうだな。俺も最初は知らずに引っこ抜いて、ひどい目に遭ったよ。」


 「私はマンドレイクの叫び声だけ聞いたことがあります。他の探索者の人達が間違えたみたいで…。」


 :探索者あるあるだな。

 :確かに、あそこの果物美味いんだよな。

 :一時期、森エリアのセーフリアで1か月ほど過ごしたことあるわ。もちろん、食べ物目当てw

 :1か月もw

 :それは長すぎw


 「そんな中でも、マンドレイクはなかなか美味しいんだよ。」


 『それは気になるわね。私は引っこ抜いたらダメって教わってきたから、食べたことないのよね~。』


 大和はマンドレイクの元まで歩いていき、地上に出ている部分を思いっきり握った。


 「それじゃ、引っこ抜くぞ。」


 :叫び声が来るぞ!

 :みんな気を付けろ!

 :どうやって引き抜くんやろか…。

 :あ、危ない!


 マンドレイクの茎を握ったまま、大和はアイテムボックスから包丁を取り出し、一気に引っこ抜いた。


 —ギィィ…!


 一瞬、叫び声を上げたマンドレイクだったが、大和の早業はやわざで、顔の部分を切り裂かれ絶命した。


 :あれ、顔が切られてる?

 :速すぎて分からんかったけど、叫び始めてすぐに静かになったな。

 :もしかして、大和ちゃんが高速で切り裂いたんか?

 :スロー再生で見たら切り裂く瞬間見れた。

 :配信中にスロー再生出来るのか。

 :なんか、この配信だけスローボタンあるよ。押すと、小窓にスロー映像が流れる。

 :へ~。スキルによる配信だけの機能なんかね…。

 :こんな採り方なんか…。

 :ゴリ押しで草。


 「それじゃあ、後2匹集めてから先に進むとするか!」


 次のセーフエリアでの食料にしようと思い、アイテムボックスにマンドレイクを保管した。


 『叫び声が一瞬だったから、モンスターも寄って来ないわね。』


 「よかった~。」


 :よかったけど、まだ採るんかw

 :今日は豪華な食事になりそうだな。

 :でも、これなら安全に行けそうだな。


-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


 マンドレイクをさらに2匹確保した俺たちは、次のセーフエリアを目指して進んでいた。


 『あ~、早く食べてみたい~。』


 「案全な場所に行くまでの辛抱ですよ!」


 『は~い。分かってるわよ~。』


 :お預けされてかわいそうなルーシーちゃん…。

 :かわいそう可愛いw

 :もうそろそろ、グリフォン出てくるんじゃない?

 :スキル【地図】によると、現在35階層なので、出てきてもおかしくないですね。

 :地図ニキいてたんか!?

 :【地図】持ちの人か。


 「よし、そろそろ空を警戒しておこう。」


 :カエデちゃんもソロで倒したらしいけど、どんな風に戦ったんだろう?

 :確かに気になる。

 :ソロでグリフォンか…。

 :でも、カエデちゃんって翼獅子突破のカギになるかもしれないって噂されてたくらいだから、何か秘策があるんじゃね?


 「グリフォン戦ですか?私の場合は、これが活躍しましたね。」


 —ジャラ


 カエデがアイテムボックスから取り出したのは、モーニングスターと呼ばれる武器だった。


 見た目は、手持ち部分から長い目の鎖が伸びており、その先に禍々しいトゲの生えた鉄球がついている。


 :ええ…。

 :なんか意外な武器が出てきたな…。

 :こわい…。

 :なんか、この配信見始めてからカエデちゃんが怖くなってきた…。

 :みんなのカエデちゃんを見る目が変わりそうになってて草

 :だって、こんな禍々しい感じの武器が出るとは思わんやん。


 「ちなみに、これはダンジョンで偶然手に入れた武器です。それに、私の戦い方に関しては、スキルの特性上仕方ないんですぅ!」


 :ダンジョン産か。

 :よかった。カエデちゃんが選んだわけじゃなかったんだね…。

 :そうだよな、仕方ないよな!

 :カエデちゃんは好きでグロ担当になってるわけじゃないんだ!

 :カエデちゃんは元気っ娘だから、そんな暗い印象とは無縁だぞ!

 :そうそう!


 『ちなみに、どうやってその武器でグリフォンを倒したの?』


 「え~っと、実はこの武器ってスキル持ちなんです。」


 :え?ダンジョン産なのにスキルついてるの?

 :スキルオーブで普通の武器に付けるんじゃなかったっけ?

 :↑その方法もあるけど、偶にスキルが付与された武器もドロップするんや。

 :じゃあ、スキルのついた武器を手に入れる方法は2つあるって言う事?

 :そう。滅多に手に入らないけど。

 :まあ、スキルオーブを使う場合は、自分で付与したいスキルを選べるって言う利点があるから、どっちがいいかは人によるけど。


 「スキル持ちか~。それで、どんなスキルなんだ?いや、話せないならいいんだが…。」


 「大丈夫ですよ。この武器のスキルは【追尾】です。そのおかげで、モーニングスターの扱いに心得が無くても、何とかなりました。」


 『それは便利ね~。』


 「はい!それと、私のスキルを組み合わせて、グリフォンに近づかれる前にモーニングスターで叩き潰して討伐しました!」


 :やっぱり倒し方は、グロいんじゃないか…。

 :カエデちゃん…。やっぱり見る目が変わってきたよ…。

 :いつも叩き潰してて草。

 :追尾してくる巨大モーニングスターか…。

 :グリフォンにとっては恐怖だったろうなw

 :あれ?あそこに見えるのって、グリフォンじゃね?

 :あの空飛んでるやつ?


 「うーん…。そうだな。コメント欄の皆は、よくあんな遠くのモンスターが見えたな。」


 :4kで見てるんでw

 :拡大したら何とか見えたで…。

 :俺のスマホじゃ全然見えねえよ。

 :画質のいいパソコン欲しいな。

 :デカい画面と高画質はいいで。


 「なるほど。大きい画面か…。」


 『それじゃ、いつものように私が牽制けんせいするわよ!』


 「お願いします!弱ったところ中距離から私のモーニングスターでやっちゃいます!」


 :っちゃいます!

 :俺にもそう聞こえたんだがw

 :いけー!カエデちゃん!


 「もしもの時は、俺が止めを刺す。それじゃあ、頼むぞ2人とも!」


 「了解です!」『ええ!』


 —《サンダーランス》!


 ルーシーは、長距離攻撃という事を考慮し、火の魔法などと比べて飛距離の長い魔法を選択した。


 —バチッ


 :こんな距離から撃つの!?

 :速っ!

 :あっ、でもギリギリで避けられた…。

 :でも、ちょっとふら付いてないか?


 グリフォンは、動体視力と俊敏さを活かし、高速の雷をギリギリで避けたはずだったが、見えない電気に接触し、一瞬だけ麻痺してしまった。


 しかし、グリフォンはこれなら問題ないと感じていた次の瞬間。


 《サンダーバレット》!


 —バチバチバチ


 先ほどよりは威力は低いが、複数の雷の弾が襲い掛かり、避けきれずに弾の1つに被弾してしまった。


 しかし、ダメージを受けながらも、グリフォンは敵を目掛けて加速する。


 その最中グリフォンは、人間の1人が何か金属のような物を振り回しているのに気づいた。


 —だが、そんなものは関係ない、この鋭い爪で人間を八つ裂きにしてやる!


 と、考えていたところで突然目の前に現れた巨大な何かに気づいたところでグリフォンは意識を失った。


----------------------------------


 —グチャ


 「と、モーニングスターの使い方はこんな感じです!」


 『やるじゃない!カエデ!』


 「俺の出番は必要なかったな。」


 :頭がつぶれてる…。

 :カエデちゃんのスキルで部分的に拡大も出来るのか。

 :これ、初見殺しじゃね?敵に当たる寸前までは普通のサイズだから、ギリギリで避けようとか、防御出来ると思ってしまうやん。

 :なるほど。これなら、翼獅子の風にも負けずに攻撃を当てられるかもしれないな。うちのパーティーに欲しい…。


 「よし!また小瓶がドロップしてるぞ!しかも4本だ!」


 『ポーションならいくつあっても嬉しいわ!』


 「えーっと、これは…。ヒールポーションのLv3が1本と、Lv1が3本だな!」


 :おお!またLv3だ!

 :ラッキーだね!

 :それだけあれば、売る分も確保できるな!

 :グリフォン戦のお陰で、視聴者も少し増えてきたし、【はいしん】のステータスアップの恩恵あるんじゃね?

 :そういえば、そんなこと言ってたな。(※38話より)

 :ていうか、グリフォンって人気なの?

 :ほら、異世界小説とかの鉄板モンスターだし、見た目がカッコいいじゃん。


 「それじゃあ、グリフォンの解体をしておくから周囲の警戒を頼む!」


 『任せておいて!』


 「了解です大和さん!グリフォンなら美味しそうですね!」


 『美味しそうって、カエデは倒したときに食べなかったの?』


 「ええっと…。ソロで倒したときは、スキルの力加減を間違えまして…。」


 『食べられる状態じゃなかったと…。』


 「そう言う事です…。」

スキルが付与された武器は大きく分けて2種類あります。


 1つは、オリハルコンにスキルオーブを付与したものです。

 この武器の利点は、自分の好きなスキルを付与できる点と、現状スキルオーブの価格が安いので、選び放題という点です。

 スキルオーブが安い理由は、超レア素材であるオリハルコン以外に付与しても数回使用すると壊れてしまうからです。


 もう1つのスキルが付与された武器は、カエデのモーニングスターのように、ダンジョンでドロップアイテムとして手に入れることが出来ます。

 すべてのダンジョン産の武器にスキルが付与されているわけではありませんが、オリハルコンよりは入手できる確率は高いです。

 また、付与されているスキルを選ぶことは出来ないので、たまにハズレスキルが付与されている場合もあります。


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