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第30話 探索前の準備


 大阪に帰ってきた次の日、俺たちはカエデちゃんの武器を受け取りに来ていた。


 「お待たせ、カエデちゃん。水龍の素材で強化しておいたよ。」


 装備屋のおじさんが、カエデちゃんに片手剣を手渡した。



 「ありがとうございます!店長さん!」


 カエデが受け取った片手剣は水龍の素材と上手く融合し、とても芸術的な見た目になっていた。



 「なかなかいい感じに強化できたと思うよ。希望していた強度upも出来ているよ。他に必要なものはあるかい?」


 「えーっと、ルーシーちゃんの剣の鞘が欲しいんでした。」


 「鞘なら無くてもアイテムボックスに入ると思うんだけどな。まあ、こういうのに憧れるお年頃なのかね?」


 『何言ってるのよ!これでも私は3人の中で一番年上なのよ!それと、私の剣は魔法の杖代わりに使いたいから戦闘中は触れておきたいの!』


 「そ、そうなのか。お嬢ちゃんは、どうもそんな年には見えないが…。」


 「店長さん。こちらの2人は最近話題になったエルフなんですよ。だから寿命も長いんです。」


 「なるほど。確かに2人とも耳が長くて、テレビでも見たことないくらい別嬪さんだな。」


 『誤解は解けたようね。それで、この剣に丁度いいサイズのが欲しいの。それと、邪魔にならないように背中から背負うタイプがいいわ。』


 「どれどれ…。これはかなりの業物だな。ちょうどいいサイズの背負うタイプの鞘なら1つだけあるよ。あんまり鞘は売れないから種類は少ないんだ。」 


 『それでお願いするわ。お値段も手頃でサイズも丁度いいみたいだし。』


 「まいど!」



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 大和達は、装備屋での用事を終えて調味料と食器の調達にやって来て、ついでに【はいしん】を使っていた。



 「えーっと、カレー粉とスプーンにフォーク。後はコップも買っておきたいな~。」


 『マヨネーズもお願い!』


 「分かってるよ。他には何を買っておけばいいかな~。」


 :急に配信するからビックリしたぜ。

 :おっ、配信やってるじゃん

 :お買い物配信ですか?

 :ここって大阪?


 「あっ、コメント来てますよ。みなさんこんにちは~。私たちは、大阪のダンジョン周辺街に戻って来てま~す。今日はダンジョン探索用の調味料と食器類を買いに来てます。」


 :ついにダンジョン配信ですか?

 :前回はリアタイ出来なかったから、次は絶対に見ます!

 :調味料なら、とりにしスパイスもおすすめ。

 :↑ダンジョン周辺街なら限定品もあったはず。



「大和さん。これじゃないですかね。万能アウトドア用スパイスのダンジョン周辺街限定版!」


 :それそれ

 :それめっちゃ美味しかった。お肉に合うよ。

 :俺探索者だけど初めて見た。

 :俺も。


 「へ~。こういうのもあるんだな。とりにしスパイスっていうのか。とりあえず買っておこう。」 


 「それじゃあ、他に必要な物は大和さんの髪紐くらいですかね?」


 「そうだな。」


 :前の配信で髪は切らないって決まったんだっけ。

 :↑さっきSNSでアンケートもとってたぞ。

 :SNSやってたんだ?

 :これな 【URL】

 :サンキュー


 「あっ、【URL】貼ってくれた方ありがとうございます。やっぱりSNSの認知度はまだ低いんですね。え~っと、SNSでも配信の告知をやってますので、よかったらフォローお願いします。」


 :了解~。

 :俺はもうフォローしてる。

 :友達にも教えときます~。


 「皆さんありがとうございます!」


 しばらく配信を続けながら歩いていると、食品売り場と雑貨屋さんの境目近くでルーシーが立ち止まった。


 『あっ、これって髪留め用の紐じゃないかしら?ほら!ヤマトに絶対似合うと思うわ!』


 ルーシーが手に持っていたのは、青色のシンプルな髪留めの紐だった。


 「そうですね。これでポニーテールにすれば邪魔にならないんじゃないですか?」


 「それじゃあ、色違いの黒を買っておこうかな。」

 

 :シンプルでいいと思います。

 :配信中に髪留めつけてるの見たい!

 :ポニーテールにするんだ。

 :近接戦闘タイプにとっては邪魔だからな。


 「それじゃあ、これでお会計を済ませておこう。」



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 レジで会計を済ませた俺たちは、建物内のベンチに座りながら配信を続けていた。


 大和は、先ほど購入した髪留めをつけようとしており、その様子をルーシーとカエデは眺めていた。


 「うーん、こんな感じで大丈夫か?」


 「もうちょっと直した方がいいと思います。私がやりましょうか?」


 カエデが大和の髪留めを整えようと立ち上がった瞬間に、ルーシーが遮った。


 『私がやるわ。ダンジョンで指輪をはめてくれたでしょ。お礼ってわけじゃないけど、これぐらいはやっておかないとね。』


 ルーシーは少しだけ恥ずかしそうにしながら立ち上がり、大和が座っている椅子の後ろまで歩いて行った。

 

 「ありがとう。それじゃあルーシーにお願いしよう。」


 :ルーシーちゃんは大和お姉さんが好きなんやね。

 :指輪って何だろう?

 :ルーシーちゃんの指についてるやつじゃね?

 :指輪を嵌めてくれただって!?


 ルーシーは慣れた手つきで髪留めの紐を解き、綺麗に結びなおしてくれた。


 『こんな感じかしら。 似合っていると思うわ。』


 「ありがとうルーシー。これなら次の探索でももっと動きやすくなるな。」


 :ポニーテールも似合ってる~。

 :ちょっと、侍みたいな雰囲気が出ててカッコいい。

 :そういえば、次はいつダンジョンに潜るんですか?


 「あっ、ちょうどいい質問が来てますね。ダンジョンには明日に探索に行く予定です。」


 「ああ。今回はちゃんと【はいしん】のスキルを使ってみようと思う。このスキルはさらなる可能性を秘めていると思っているんだ。」


 :よかったー!明日はちょうど仕事休みだ!

 :俺は明日の探索休んでおこうかな。

 :いいな~。明日学校あるんだよな。

 :前回と違って、正式なダンジョン配信ってことになるんかな。

 :今のところ2人しか持ってないスキルだから、どんな能力があるのかは知りたいな。

 :今回が正式な第1回ダンジョン配信って感じかな。

 :がんばれー。


 「そうだな。今回は武器の素材を手に入れることを目的に探索しようと考えている。後でカエデちゃんがSNSに投稿しておくと言っていたから、みんなもよろしく頼む。」


 :オッケー!

 :モンスターの素材かな?

 :絶対見るからな!


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