表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

月夜譚 【No.201~No.300】

嘘の重み 【月夜譚No.293】

作者: 夏月七葉

 吐いた嘘は徐々に広がり、やがて収拾がつかなくなっていく。嘘を隠すには更に嘘が必要で、幾重にも重なった嘘は重圧となって自身にのしかかるのだ。

 少年は誰もいなくなった教室の机に突っ伏して、その重さに呻き声を漏らす。

 中学に入学して一ヶ月。小学校卒業と同時に他県へと引っ越した彼には、新しい学校に既知の者がおらず、周囲に尋ねられるまま自身を良く見せようと応えていった結果、とんでもない人物が出来上がってしまった。

 正直なところ、自分とは正反対と言ってもいいほど善良で気さくで真面目な好少年である。

 これから三年間、そのキャラを押し通し続けられる自信がない。しかし、だからといって今更訂正したら皆が離れていってしまうのも目に見えている。

 どちらにしろ待っている地獄に、少年は呻くことしかできなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ