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ム限焉転  作者:
第一章 転生
7/110

第七話 世界種々

 ―――昨日は、クロミアさんから魔法? 

 を教わったので、今日は魔力の流し方の練習をしながら剣術を鍛えている。


 オレは毎日欠かさず体力作りだ。

 まずは、体の柔軟体操からはじまる。

 安全を優先されて、遠くまではいけないが、

 家の外周を軽く? ランニングをする。

 後は、ブートキャンプよろしく筋力トレーニング。


 何もしてない時から比べると多少はマシになったのではなかろうかとは思うが、

 実感は沸かない。

 その後、軽くクールダウンしてから剣の稽古となる。

 そして、今度はしっかり、ストレッチをしてから稽古をはじめ、

 稽古が終わるとまたストレッチとクールダウンと行い、終了する。


 それが、オレの毎日の通常となりつつあった。


 そんな、オレにアレンがたまに絡んでくる…

 どうしてやろうか、この人…

 いや、稽古つけてくれるのはいいんだよ。

 うん、それはいいんだけどね…


 稽古の途中に「おお、すごい!」とか「父さん、負けそうだ」とか…

 褒めて伸ばそうとするのはいいんだよ…

 うん、多分いいと思う…うん。


 ただ、その度に一々、抱いてくるのやめてもらってもいいですか?

 って、いいたくなる…


 それはさておき、この世界の剣士というか、

 武芸者って言えばいいのだろうか? 

 について尋ねてみた。


 本気の父さんを見てみたいと、ゴロニャンしてみると、

 ヘラヘラしながら「仕方ないなぁ~」

 とニタニタ気持ちの悪い笑顔を見せながら、やってくれた。


 それを見て、思ったのだが…


 なんてか…動きがオレの知っている剣術の動きじゃない…


 はっきり言って、異常だ!

 速すぎて、目で追いきれない!

 それに、なんで岩が切れるんだ?


 あれはなにか、武器が「天羽々斬(あまのははきり)」か「エクスカリパー」か「デュランダル」とか、レジェンドクラスなのか?


 ………


 …なわけがない。


 じゃあ、なんであんなことが出来るんだ?


 オレは気になって、アレンに聞いてみることにした。


 すると、「剣士なら誰でもできるだろう」と言われ、

 「アルもそのうちできるようになる!」と力強く言われた。


 …できるかぁ!


 そのうちって何時だよ!

 それに、その誰でもって誰だよ!

 比較対象がなさすぎて、さっぱりわからん。


 天才か? 天才だからか?

 天才は模倣の対象にならんぞ…


 そう、昔の某N○Kでやっていた油絵絵画講師のアフロと髭が素敵なダンディーなナイスガイな人のように…


 その講師の人が「ここに森を書きましょう、ほら簡単でしょ」とか「水面に光を与えみましょう、ほら簡単でしょ」とか…


 ほんとうに簡単に書き上げる…

 そして、見る見る素敵な絵が描かれていく。

 それも、ものの三〇分程で油絵の絵画を書き終える…

 

 「ほら簡単でしょ」が口癖の人だ…

 その言葉に、何人の子供が騙されたのだろうか…?


 そら、あんたには簡単だろうが、オレには無理だ!


 ……今がまさにそんな気持ちだ。

 …ま、そんな気持ちは出来る人には分からんのでしょうね…はぁ。


 ちなみに、アレンのような剣士って何人くらい、

 いるのか聞いたことがあった。


 すると、「さぁ、どうなんだろう?」と、分からないならしい。


 でも、剣術とかあるならなにか流派みたいなのがあるのかも尋ねてみた。

 

 流派はたしかに存在するが、

 有名処ろは大概は国か軍事の必要な貴族のお抱えになる。

 だから、市井にある道場は数も少なく、

 溢れた剣士の食い扶持として存在している。

 希に、放浪の剣士等が教えを請われた時に教えてくれるくらいだ。 

 アレンはその咮だった。


 だから、基本的には市井には自己流な者が多い。


 それだと、何故岩が切れるのか理屈が分からない…


 そこで、やはり剣が凄いのだろうかと思い、尋ねてみることにした。


「たしかに、この剣は魔剣だな」


 と、自慢げに見せてくれた。


 名前に魔とつくがただ単に魔力を帯びた剣だ。 


 なんでも、七年前くらいに、ここから北へ約十日間くらいで

 到着出来る場所に「翼竜(リントブルム)の巣(ネスト)」と呼ばれる北の山脈に

 「遺跡迷宮(レリックスダンジョン)」と呼ばれる、迷宮で手に入れたそうだ。


 この世界には、そういった場所が世界中に点在しており、

 西に比べて魔素濃度が濃く魔族が多数存在する東の大陸は

 特に多く点在している。

 と、言えども西の大陸にも東に数は劣っているが、

 それでも迷宮は点在している。


 そして、大概は遺跡(レリック)と同じ場所にあるため、

 「遺跡迷宮(レリックスダンジョン)」と呼ばれている。


 いつから存在するのか? 

 誰が何のために作ったのか? 

 そもそも、人や魔族が作ったのかどうかすらも分からない。

 一節には、勝手に生成されているとさえ言われている。

 

 そして、その遺跡がある場所は特に魔素の濃度が濃いと言われている。


 そのため、魔素に引き寄せられた魔物が迷宮に存在しており、危険度も上がる。

 そして、最奥には巨大な魔石が存在しており、

 「守護獣(ヴェシュテル)」と呼ばれる、

 魔石を守っている魔獣が存在していると言う話だ。


 迷宮と呼ばれていて、宝箱とかがあるイメージがあるが、

 特にそんなものはなく、ただ単に前に入った冒険者がそこで命を落としたり、

 無くしたりした物がダンジョンの魔力を長年浴び続けている内に

 魔剣とかと呼ばれるものに変化をとげるらしい。


 それは、別に剣だけというわけではなく、

 ありとあらゆる物が変化を遂げるらしい。

 中には使えない物もあるが、

 極希に伝説級と呼ばれてもおかしくないものもある。


 そういった物はやはり高額な値段が付くため、

 探索するものが多い。が、命懸けだ。


 中にはわざと迷宮に色んな物を投棄して作ろうとする者まで現れるが、

 そもそも奥にいかなければ魔力が薄く、

 ロクに変化はしない、というより、

 下手すれば錆びたり、朽ち果てるだけである。

 だから、持っていくだけ無駄な労力だ。


 だが、奥まで入れる腕に覚えのある冒険者などは、

 武器などを持ち込み、自分だけしか分からない場所に残して行く者はいる。

 だが、変化は年数が掛かるため、そのうち忘れたり、

 違う場所で命を落としたりして、回収できてないアイテムが存在したりもする。

 それを狙って、一攫千金を目指して迷宮に入るものが後を絶たないそうだ。

 そして、アイテムを手に入れた者は何かを残すの一応の礼儀となっている。


 それはなんでもいい、中には紙を回収した人は、

 それが自動で地図を作成してくるアイテムだった、

 なんて事もあり、超絶高額がついたという噂もあったりする。


 ある意味、それは形を変えたガチャだな…


 まぁ、兎に角、アレンはそこで魔剣を手に入れたんだそうだ。


 基本的に手に入れた物に名前などなく、

 所有者が勝手に命名していい事になっていると教えてくれた。

 中には名刀とか呼ばれているものは、

 分解すると名が掘られていて、その名をそのまま使う人もいる。

 

 アレンの魔剣には名がなかったので名付けたと言う。

 ちなみにどんな名付けをしたのか聞いてみた。


「ザ・グレート・ワン!! だ!」


「…か、かっこいいですね」


「そうだろうそうだろう。わはは」


「………」


 …なワケないだろう!

 すこぶるダサい!

 只々、超絶だっさいぃぃ!


 え、なに?

 プラモが付いているガムの商品名か?

 オールドつけると外なる神の名前か?


 …それは、ちょっとカッコイイな。


 まぁ、それはいいとしても…


 それだと、魔力で身体能力を強化して魔剣を使っているとしたら、

 動きも岩を切れることも、まぁ、説明はつくかも?


 最後に魔物と魔獣の違いについても聞いてみた。

 

 すると、魔物は魔素濃度の濃い場所で様々な野生動物や虫から変異したものらしい。

 そして、野生動物より獰猛になっており、好戦的で危険みたいだ。


 片や、魔獣は比較的大人しい種類が多く、

 特殊な方法で人や魔族に懐く物もいると言う。

 だが、額に魔石があり、桁違いな魔力が多いのか巨大になる傾向が強く、

 その巨体を魔力で維持していると言う。


 比較的大人しい魔獣だが、危険な種類もいる。

 額の魔石が青ければ大人しい部類だが、

 赤い魔石を持つ魔獣は危険で近寄らない方がいいと言われた。


 それから、魔物は倒すと皮膚や肉、骨等、食料になったり、

 部分によって高価な物を多いため、仕留めたら解体するのが普通みたいだ。


 一方、魔獣は倒すと額の魔石に全てが吸い取られ、

 魔石だけになるらしい。

 魔石は、高く取引されるため、

 それを狙う冒険者もいるが基本的に魔物より厄介なのが多く、

 人手やアイテムもそれなりに用意しなければならない為、

 それに見合うかどうかが分からないとのことだ。


 やはり、危険が多いな、この世界は…

 オレは生きていけるのだろうか…?


 ………


 そのためにも、今は鍛える事に重点をおこう…


「…さて、稽古に戻るかな」


 オレは、ここまで教えてくれたアレンにお礼を言って、稽古に戻るのだった。

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