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ム限焉転  作者:
第二章 可能性の世界
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第三十九話 魔術は存在?

 魔力がない世界…


 転生する前の世界でなら当たり前の世界。

 それが普通。

 それが当然。

 それが当たり前の世界。


 …だけど…


 魔力があって、魔法があって、魔術があった世界。

 今となってはそれが普通になっていた。

 それなのに、また魔力がない世界に来てしまった。


 これは、どういうことなんだ?

 魔力がないため、遺跡はあるが迷宮はない。

 傭兵はいるが冒険者はいない。

 魔道具も魔法陣も…


 あ、うさんくさい魔法グッズならあったな…


 けど、基本的にはその手のものはない…


 魔物はいる? が魔獣はいない。

 魔物といっても、異常に強いのは稀だ。

 だから、基本的には魔物といっても

 害獣の類に分類されている。

 危険度が害獣より上のカテゴリーに分類されるため

 名義上魔物と呼ばれていた。

 それでも、人に害がある以上駆除はしないといけない。


 だから、ここシエル村には前の世界と同じように

 警備隊がある。


 だが…魔力がない以上、身体強化など出来る者などいない。

 だから、アレンもデュランさんもオーレリアンさんも

 クロスボウを携帯していた。


 まったくもって、転生前の中世にきた感じに近い。

 だが、違うところもある。

 魔族がいるのだ。

 ここでは、魔力がないため亜人と呼ばれてはいるが。

 エルフもドワーフもその他の亜人も存在している。


 魔力がないのに何故? とは思ってしまう。


 とにかく、色々変な世界だ…

 

 そして、冬が過ぎ、春が過ぎ、今は夏になっていた。


 ―――


「目がぁぁぁ! 目がぁぁぁ!!」


「うぅぅ…うわぁぁん!」


「わ、わるかった…わるかったって、だから泣き止んでくれよ、セネカ」


 ―――バンッ!


「アル!! なにをしてるの!?」


「オ、オレは悪くないですよ、母さん!! セラ、セラがぁぁ…」


「アル! 人のせいにしないの! ほらほら、セラちゃんも体を拭いて、服を着なさい。セネカちゃんも大丈夫だから、泣き止んでね」


「うぅぅ…うん…」


「は、はい…」


「…で、アル。後で何があったか説明してくれるかしら?」


「オ、オレは悪くな…」


「ん、なにかしら?」


 まだ、目を開けられないオレは母さんに無罪を訴えるが

 聞き入れてくれそうにない…


 ちくしょ~~


「あ…はい、オレが悪かったです…」


 なんでだ!!! 

 なんで、何もしていないオレが謝らなければならないんだ!!! 


 不条理すぎるぅぅ!!


 ―――三十分程前


「なぁ…アル…暑いな…」


 向こうの世界なら7月の終わりくらいだろうか?


 その余りの暑さにオレもセラもセネカもオレの家の庭で

 へばり、セラが弱音を吐いてきた。


「まぁ、夏だしな…」


「そうだけどさぁ…毎年どんどん暑くなってないか…?」


「あ、それ、わたしも思った…」


「…いやいや、それ、去年も同じこと言ってたじゃまいか…気のせいだろ…」


「そうなのか…?」


 と、オレはすっかり今の生活に馴染んでいた。


 そんな中でも、さすがの暑さに参り、オレの家で

 水浴びをすることになり、井戸の水を汲み、大きめの

 洗濯用のタライを借りて、行水をすることになった。


 そんな感じで、早速オレたちは準備に取りかかる。


 母さんに頼んで、タライを借り、


「壊したら、どうなるかわかるわよね~アルゥ~」


「イ、イェス…マムッ!」


 ど、言うことで細心の注意を払い行水へと無事?

 こぎつけたのだった。


 オレはここで、意外なことがわかってしまって

 ビックリしたのだった…


 ―――


「よ~し、早速水浴びしようぜ、アル」


 そう言うと、オレが水を貯めるのも待たずセラは服を脱ぎだした。


「ちょ、まだ早いって」


 …ったく、仕方ないな。

 オレもセラに釣られ上着を脱ぎだした。

 セネカはそんなオレ達を出来るだけ

 見ないように後ろを向いている。

 まぁ、女の子だから仕方ないかもな。


 …しかし、セラって後ろから見るとなんだろ…

 案外、扇情的な体型してるな。

 流石に、いつも同じくらい練習してるから肉付きはいいんだが…

 なんてか、(ケツ)とか所々柔らかそうと言うか女性的というか…

 

 いかんいかん、オレはノンケだ。

 その()はないハズなのだが…


 いや、それよりも…だ。


 オレの道鏡とヤツのラスプーチンはどっちが上かだ!

 ちょっとした男のくだらないプライドなのだが…

 オレの中に負けられない戦いが始まった気がした!


 ………


「なんだ、アル。まだ脱いでないのか?」


「ああ、ちょっとま…」


 もう既に全部脱ぎ払ったセラのラスプーチンを

 確認してやろうと視線をセラに移すと違和感があった。


 然るべきところに存在していないと

 いけない道鏡もラスプーチンもなかった。


 …これは、一体どういう事だ?

 おかしい、オレにはアワビが

 ついているとしか見えないのだが…

 

 …now loading


 …はあぁぁ~あわび!!?


「セラ! おおおオマエ、アワビさんだったのかぁぁぁ!!」


「アワ…なんだそら?」


「い、いや、オマエ女だったのか!」


「ぇ…」


 オレの素っ頓狂な大声に

 反応してセネカはセラに視線を向けた。


「ぇ…セラくん、女の子だったの…?」


 セネカもオレと同じくセラが女だと言うことに驚き、

 その場で立ちすくんだ。

 が、しばらくするとセラを見えないように

 オレの前に立ちふさがる。


「ア、アルくんはみちゃだめぇぇ」


 と言いながら、セネカは手のひらを広げ

 オレの目を塞ぐ感じでかざした。


 そんな中、セラが何かよからぬことを企んだかのように

 セネカの後ろに立つといたずらっ子のような目で

 「セネカも、もう脱いじまおうぜ」というと、

 セネカの下の履物を脱がしたのだった。

 

 お、おま! 

 なんで、そっちを脱がすんだ!! 

 バカか! 

 バカなのか!!


 そして、当然だがセネカについている

 アワビの片鱗がオレの目に映り込む。


「くぁwせdrftgyふじこlp」


 セネカが言葉に出来ない叫びを上げながら

 オレの目を塞ぐため、手のひらを目にあてがおうとすると

 オレの目に指が侵入してきた。


「ぎゃああああああああ! 目がぁぁぁ! 目がぁぁぁ!」


 そうこうしていると、セネカは涙声になり泣き出した。


 と、言うのが一連の流れだったのだ…オレ、わるくないよね?


 ―――


 その後、さんざん母さんに怒られた後、

 木にシーツを吊るし外から見えないようにして

 一人づつ水浴びと体を洗った。


 そんな中、オレの番になると


 ―――ガバッ!


「オレの裸見たんだから、アルのも見せてくれないとな」


 とセラがシーツを剥がしてきた。


「いぁぁぁ~お婿にいけなくなるうぅぅ!」


「…なんだ、オヤジのよりちいせぇな」


 と、セラには言われる始末…


「う、うるさい! これからなんだよ!」


 等とのたまわってるオレを見ないように

 セネカは手で顔を覆ってはいるが

 指の隙間から覗いてる感じがしていた…


 …気のせいであって欲しいものだ。


 ―――


 アルの部屋にて――― 


 ああ、今日は大変だったな…


 …セラが女だとはな。

 これからは優しく接する…


 …無理だな。

 うん、いつも通りでいいな。


 それより…


「深遠の水底で蒼く眠る水よ 命の火を灯し目覚めて放て ヴァッサ()・クーゲル(の球)


 ―――し~ん


「………」


 くぅぅぅ~


 何も反応しないと、くっそはずいぞ…これ…


 オレは羞恥心のあまり赤面してしまった。


「はぁ…誰も見てないな…ふぅ…よし」


「何がですか?」


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」


 オレの叫びに耳を両手で塞ぎ凌いでいるクロミアさんがそこにいた…


「ああ、耳が痛いわね…そんなに驚いたのですか?」


「当たり前じゃないですか! 入ってくるならドアのノックをお願いしますよっ」


「それは悪かったわね。わたしはただ、そこに置いている薬草の本を取りに来ただけよ」


 クロミアさんが指さすと、オレの机の上には、

 確かに薬草の本が置かれていた。


 そう、クロミアさんは魔法士ではなく薬学者なのだ。


「それでは、わたしはこれで戻りますね。おやすみなさい」


「あ、はい。おやすみなさい。クロミアさん」


 そう言うと、クロミアさんはオレの部屋をあとに

 しようとした時に口を開く。


「あ、そうそう。先ほどの詠唱? は、程々にしておかないと、頭がおかしいと思われますよ。それでは」


 ―――スタスタスタ


「んんぅぅぅぅ」


 あああ…


 やっぱり、聞かれてたぁ!!!


 超絶はっずぃぃぃぃ!


 あああ、地面に穴があったら入りたい…

 いや、むしろ自分で掘りたい!


 と、恥ずかしがってはいたが、

 じつは、魔術は使えることをオレは確認していた…

半分くらいは前のネタを使いました。

また、使えそうだと思えばつかっていきます

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