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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
弐ノ章~みんなで実習キターッ!~

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83話 桜・牙・自・宅

 ******



 学校から出て、リアとランコが暮らしている所へ行く前に、オウカの家に寄る事になった。


「着の身着のままでも大丈夫だけど一応ね」

「【匣】を持っているのですね」

「……まあね」


 空間を拡張した容れ物、所謂、アイテムボックス、マジックバック、インベントリ――専ら【匣】と呼ばれるアーティファクトが、今の時代存在している。

 

 性能はピンからキリであり、物によっては、戦艦を収納可能な程の容量を持つ物、時間停止している物、物品を瞬時に出し入れ、早着替えが可能な物まである。とは言え、そういう物は高価。安物――ポーチサイズでロッカー位の容量――でも、車買う並の買い物となる。

 そのため、持っている人は程々。それを購入出来るかが、プレイヤーの低級と中級を分ける目安と言われている。


 そして、オウカには師匠に貰った物があった。それが、色々あったおかげでパワーアップしたおかげで、戦闘から生活まで幅広く役に立っている。武器や生活用品を仕舞っている。


 そんなオウカに、ランコが不満そうに言う。


「それなら寄る必要ないだろう」

「しばらくそっちに泊まり込みなら色々あるんだよ。それにもう着いた」

「「早い!?」」


 そして、リアとランコの目に入ったのは、


「……バス?」

「家ですらない……」


 バスだった。とは言え小さい小屋が二つ併設してあり、近くに郵便受けと荷物入れがあり、出入口と窓は改造してある。


「まあ上がって。茶と菓子は出すから」

「いえ、お構いなく」


 そんな会話を交わしていた時だった。


「……ん」


 オウカの表情が引き締まる。そこへマユも警告する。


〔サク〕

〔わかってる〕


 ランコも槍を装備してリアに合図する。

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