72話:六・人・集・合
そして、放課後。
職員室に向かうオウカの横にはカナタとジンナがいた。双方共にオウカと腕を組んでいる。両手に花、もしくは、人間二人に捕まった宇宙人状態である。
[……どうしてこうなった?]
マユがツッコミを入れるのも無理はない状態だった。
オウカはホームルーム終了したタイミングで、キョウコを呼び止めた所、
「先約があるから〜、三十分後位に来て〜」
「わかりました」
そういう訳でジンナと話して時間を潰していたのだが、
「ボクも行く。もしもの時はコッチの班に入れば良い」
と言う訳でジンナと一緒に行く事になった。
「それありなの?」
「どうしても無理とか」
「うん」
「生理的に受け付けないとか」
何かドンドンおかしくなっている。
「虫唾が走るとか」
「……うん」
「殺したくなる場合はOKらしいよ」
「理由が凄まじい!?」
とのこと。実際、無理矢理一緒にしたせいで殺人未遂が起こった事例もあるとの事。
こうして二人で向かっていると、
「サク君!」
カナタがやって来た。何でも言い出しっぺはこちらなので、付き添いに来たそうなのだが。
「こんにちは」
「……どうも」
女の争いが勃発した。
「私が付き添うから帰っていいわよ?」
「それはコチラのセリフです。オウカはボクの班に入るのだから」
[何か勝手に決まってる!?]
[これが修羅場?]
オウカとマユが念話でコメントする。
そうして、二人と一緒に行く事になったオウカである。
「「失礼します」」
三人仲良く(?)職員室に入り、キョウコの席に行くと、そこには先客がいた。
「ですから班員を変えてください!」
「だから〜、変えられないの~」
噂をすれば影。リアとランコだった。様子を見る限り、彼女達、というかランコが班を変えてもらおうとしているようだ。
キョウコはそれに応対しているようだが、どうにも話し合いは上手くいっていない。
そんな彼女の目がオウカ達を捉えた。
「サクヅキクン〜、丁度良い所に〜」
「何?」
「え」
二人もこちらを向く。
「アレ〜? ソノ二人は〜?」
「「付き添いです!」」
「ソ、ソーナノ〜」
深く触れたら駄目だとキョウコは直感した。
「それで〜? サクヅキクンの用事も〜、学外実習の班について〜」
「はい」
チラリと原因を見るオウカ。ランコは睨み返して来た。
「ソッカ〜」
キョウコは少し考え、提案した。
「場所を変えよう〜」




