六百八十六話目「カノジョは虎になる」
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今の時代、巨大な敵が存在する。
それは巨大なモンスターだったり、ロボットに乗ったプレイヤーだったりする。
そして、そういう敵に対抗する手段を熟練のプレイヤーは持っている。
ある者はそういう時用の召喚獣を使う。
ある者は巨大ロボットに乗って戦う。
ある者は巨大武器をぶん回す。
元殺し屋であり、戦闘者であるミユも対抗手段を持っている。
彼女の場合は……
[巨大相手の対抗策持っていたんだ]
[嗜みです]
マユの言葉に涼し気に答えるミユ。
それは奇しくも相手と同じ。
Ϝのゴーレムに対抗するため、巨大な氷の虎を作り出し、その中にいた。
〈虎虎婆〉
ミユの奥の手の一つ。
虎型の氷ゴーレムを作り出して戦わせる。状況によっては今みたく中に搭乗する場合もある。
氷や土系統などの物質を操る術で、ゴーレム作成は存在しているが、成長しない、時間経過で消えるなどのデメリットがある。
なのでミユはそれを強力にするために、それ以外の氷ゴーレムを作らない、数は最大二つまでなどの制限と制約を加えたうえ、アクセサリーで効果を高めている。
更に今回はマユとネラが補助をしている。
そのため、現在は怪獣大決戦となっていた。
機械ゴーレムと氷の虎が殴り合い、時に遠距離攻撃をぶつけ合う。
戦況は互角。
(まあ、マユさんとネラさんがいなかったら、キツかったかもだけど)
心の中で呟く。
マユはバフを担当。
彼女が掛けているバフは二つ。
一つがステータスの向上。
しかも状況に応じて、特定バフを更に重ね掛けしてくれる。
そして、もう一つが空間に関する事。
攻撃に切断、防御には歪曲、移動には転移。
ネラは補助を担当。
機械アリを展開し、術の制御や補助をしていた。
負担を軽減したり、氷の虎のダメージを肩代わりしている。
これらのおかげで互角だった。
そんな状況下でネラがミユに聞いてくる。
[疑問]
[どうしました?]
この言葉使いにも慣れたなと心の中で苦笑するミユ。
[相手、偶像、無戦?]
もっともな疑問だった。
それにミユは答える。
[組織のトップは全員下積み時代があります。なので戦えると]
だからこそミユは奥の手を切れなかった。
ゴーレムを破壊してもまだ本命があるのだから。
だが、このままでは長引く一方だった。
【コソコソ話】
(・▽・)<巨大モンスターっているんですね。というかどれくらいから大型モンスターって言うんですか?
(#ー#)<一応四、五メートルが基準だな。
(・▽・)<ああ、鯨と海豚!
(#ー#)<ああ。因みにウ〇トラマンで出て来る怪獣サイズはあまりいない。
(#ー#)<せいぜいモ〇ハンや恐竜のデカい奴くらいだな。
(㈩*㈩)<……と言う事はさ、海にはデカいのいるの?
(#ー#)<ああ。いる。流石にキロ超えはいねえけど、百メートルサイズはいるな。




