六百六十九話目「カノジョ達の戦闘」
『ここを突破出来れば私達の所に付けますよ?』
その言葉にやる気よりも腹立たしさを感じる四人。
ミユがオウカと│ζ《双子》を見て聞く。
「あのモンスターかなり強いです。どうします?」
「この面子で突破するか」
そう言ったオウカに、│ζ《双子》が首を横に振る。
……首振りまで息ぴったり。
「「いや、ここはあたし達が受け持つ。先に行け」」
それにミユが心配そうに聞く。
「……大丈夫ですか?」
「「大丈夫。問題ない」」
「それは問題ある人のセリフ!?」
そんな漫才(?)を見て、オウカは決める。
「わかった」
「先輩!?」
「何か手があるんだろ?」
「「ああ」」
「なら任せる。終わらせたら加勢する」
オウカの言葉に不敵に笑う│ζ《双子》。
それを見たオウカは、
[マユ。頼む]
[わかった]
マユに準備をさせながら、
「失礼」
「わ」
ミユを抱え、
「任せた!」
その場から一瞬で消える。
『!?』
大魔神が気づいた時には、後ろの入り口にいる。
空間歪曲による転移。
そのまま、オウカはミユを連れて入り口に入る。
『!』
逃がすまいと、大魔神は槍で突きを繰り出そうとするが……
「「隙を見せたな」」
│ζ《ゼータ》が攻撃を仕掛ける。
幾ら腕が八本あり、同時に武器を使えようとも、やはり多少の隙は出来る。
そこへ、間合いを潰し、戦棍に炎を纏わせたパワーの一撃を放つ。
勿論ζがバフを乗せている。
その一撃は左腕の一番下……矢を生み出す腕を破壊した。
『!?』
だが、大魔神は怯まない。
そのまま他の腕で攻撃を仕掛ける。
それを│ζ《ゼータ》は一気に下がる事でどうにか射程から逃れる。
そのままζの所まで合流。
「「これで遠距離攻撃は潰せた」」
そのままζは間合いを離したまま攻撃を仕掛ける。
ζは火魔法。
ζは風魔法。
風により火力を増した炎は大魔神に迫る。
だが、それを大魔神は盾で防ぐ。
盾使いが上手く、結構器用に防いでいく。
しかも……
「「近づいて来るか……」」
少しずつ近づいて来る。
遠距離攻撃だけでは削り切れない。
ならば。
「「仕方ない」」
攻め方を変えるζ。
火と風から雷と氷に分けて攻めながらこちらから近づく。
そして、ζは戦棍、ζは双剣で近接攻撃を仕掛ける。
『……!』
大魔神は七つの腕に武器を持ち振るう。
だが、それをζは器用に避け、時に弾きながら、相手にダメージを与えて行った。




