六百六十四話目「ココから出すにはどうするか?」
その会話を聞いてオウカは行動を開始する。
「行くぞ」
そう言ってどこかへ向けて歩き始める。
マユが訊ねる。
「ど、どこに行くんですか?」
それに金髪と双子も付いて来た。
「もしかして心当たりあるのか?」
「「わかるのか?」」
三人も訊ねて来る。
なので、オウカは答える。
「ここにいるのにいないって事は……いるけどいないって事」
「「……?」」
「……空間の裏か、別の位相にいるんだよ」
「「!」」
その言葉に納得する三人。
金髪が呟く。
「なら次元や空間の攻撃をぶつけりゃいい訳か」
「持ってるの?」
ミユの疑問に金髪はニヤリと笑う。
その態度から持っていると察するミユ。
だが、双子がこう言う。
「「だが、広範囲をやる訳にはいかない。どの辺にいるかは特定しなければ……」」
「だな。この船破壊する訳にはいかねえし」
金髪も肯定した。
それにオウカはこう言う。
「それについては大丈夫。感知できるから」
元々、オウカは冥肌鏤骨のおかげで、空間の揺らぎにはかなり敏感。
現在は、冥肌鏤骨は消えてしまったが、それでも残滓はある程度残っている。
戦闘経験と技術がそれにあたり、空間感知もそれだった。
暫くあちらこちらを歩き周り、オウカはとある場所で立ち止まる。
「ここらへん」
[じゃあやる?]
マユが空間破壊の準備をしようとするので、オウカは補助として何かしらの刃物を出そうとした時だった。
そこへ金髪が声を掛けて来る。
「おーい、そこの男子?」
「俺ぇ?」
「おう」
そう言って前に出る。
「俺がやる。下がってろ」
「……じゃあお願い」
オウカは素直に下がった。
それに、金髪は前に出る。
口元に浮かんでいた笑みが消える。
「さてと、やりますかね」
軽く右手を振るうと、そこに現れたのは――奇妙な形の武器。
強いて言えば、大振りの分厚いナイフ。
ただし、刃が鮫の牙のようにギザギザしている。
まるで小型のチェーンソーのような、電動カッター。
それを見たマユが反応する。
[【マカブイン】……]
[誰品?]
気になったのか、訊ねるネラにマユは答える。
[恒河沙]
その言葉にオウカも驚く。
表情には出さないが。
恒河沙叢雅は生粋の鍛冶師。
叢雅一門の創始者でもある、無量大数に鍛冶を教えた師匠でもある。
その作品はあくまで刀剣の延長。
身体強化や切断系のチカラを持っている。
搦め手の能力は持たないが、代償も軽いため、生粋の剣士からは好まれている。




