六百二十四話目「勝つのはカレか、カノジョか」
(時間を掛ければ不利になるってハナシか……)
Kの手持ちの爆弾も一割を切った。
なのに、ベニバナは一向に消耗しない。
「覚悟を決めるしかないってハナシか」
こうなればこちらも傷つく覚悟をしなければならない。
二枚目の手札を切るK。
それは粒砂爆弾。一粒一粒が高い爆発力を誇り、連鎖爆破で威力は増大する。
それをポケット型匣から一掴み取り出しベニバナ目がけ投げる。それと同時に短機関銃を発砲。残り僅かな弾丸を吐き出させる。
「■■■ーーー!!!」
それをオーラを使う事で無理矢理突っ切るベニバナ。
だが、Kはそれは織り込み済み。
爆破を煙幕代わりにして一時的に身を隠す。
そして、準備を始める。
「使いたくねえが……、仕方ねえってハナシ」
短機関銃を仕舞い、空となったで印を組む。
それと同時、最後の罠を仕掛ける。
魔法を発動させる方法の一つであり、印を覚えなければならないデメリットはあるが、それ以外の準備は必要ないため、使う人は結構いる。……カンペを使う人もまあまあいる。
Kはそれを奥の手の使用に使う。
そして、準備を終えると同時、ベニバナの前に躍り出る。
「■■!」
今のベニバナに理性は残っていない。
ただ敵を完全に殺すまで止まらない狂戦士。
策も思考も何もない。
「ただの獣ならやりやすいってハナシ」
そして、ナイフを抜き、ベニバナを迎撃。
爪と刃が激突。一瞬の拮抗後、Kは吹っ飛ぶ。
そこへ追撃をしかけるベニバナだったが……
「!」
その動きが止まる。
身体中に光の鎖が巻き付いていた。
最後のKの罠。先程の隙にそれを更に強化していた。
だが、鎖は軋み始めてる。恐らく五秒と持たない。
だが、それで十分。
「さあ決着ってハナシ!」
「■」
迫るK。動けないベニバナ。だが彼女の胸部が膨らむ。そして口を開く。
竜で御馴染みブレス攻撃を仕掛けようとしたが。
「ドラゴンならそうするよな!」
「!?」
右手をその口に突っ込む。そして、左手のナイフで腕を切断すると同時、最後の奥の手が発動する。
「爆!」
ベニバナの口に残した腕が大爆発を起こす。
あまりの威力に胸部から上が消し飛ぶ。
普通ならこれで終わりだろう。
だが……
「まだってハナシ!」
残された部分にありったけの爆発物を叩き込む。
そして、起爆した。




