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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
陸ノ章 ~New × Generation~

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六百三話目「コノ実習の安全対策はバッチリのはずだった」

 ★☆★☆★



 プレイヤー養成高校の実習は毎回違う場所が選ばれる。

 昨年度の実習は、傭兵団の襲撃を受け、大惨事一歩手前となってしまった。

 死者や重傷者が出なかったのは、本当に奇跡としか言いようがない。


 そういう訳で前回の反省を踏まえ、策を取った。



 一つ目が転移。

 転移事故を防ぐためとは言え、全域に転移封鎖をするのはやり過ぎという事で、一部だけにして、更に転移が用意なポイントも作った。

 これで何かあっても、生徒をすぐに逃がす事が出来る。


 二つ目が引率。

 今回はキョウコとイオリのツートップは別件で引率出来ない。

 その代わり、腕利きを何人も雇った。特に結構高名なプレイヤーであるクロガネ=ザンカ、卒業してすぐさま頭角を出したハナヤマ=ベニバナ、アシヤ=キョウコが推薦したシスター・マリア。

 この三人がトップレベル。


 三つ目が事前準備。

 場所は念入りに見て周り、危険そうなモンスターは間引き、罠は潰した。



 これだけやれば安全だろう。

 そう思っていた。

 なのだが……


 

 ▼▽▼



 実習当日の早朝。

 誰も通らないような路地裏で、二人の人間が何かしらの取引をしていた。


「こ、これで借金は帳消しなんだよな……」


 彼が渡したのはUSBメモリ。

 それを受け取った男は、それには答えず端末にメモリを刺し、中身を見て行く。

 暫くしてから口を開く。


「これだけわかれば十分だ」

「じゃ、じゃあ……」


 顔が明るくなる男に、端末の男はにっこりと笑う。


「ああ。ほら」


 何かを投げる。

 それは……


「小銭?」


 昔の小銭だった。

 彼は知らなかったが、知っている人ならこう言った。

 六文銭と。


「あの世に行った時に使え」


 男は流れるようにナイフを出して、呆けた表情の男を始末した。


「さ、始めるか」


 そうして作業を始める。



 ………………

 …………

 ……



 暫くして……、そこには先程死んだ男が立っていた。

 足元には、服と皮を失い、筋組織むき出しの死体があった。


「さて、行きますか」


 そう言ってから、燃やした紙を死体に落とす。

 その火は死体に燃え移り、跡形もなく死体を燃やし、残ったのは僅かな燃えカスのみ。

 それを確認すると、男はその場を何食わぬ顔で立ち去った。



 ★☆★☆★ 



 幾ら対策をしようとも、情報が漏れていたり、内部に協力者がいる場合は意味がない。

 こういう時は想定外を起こさねばならない。

 オウカの友人であるメイドならこう言っただろう。

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