五百八十三話目「ナニを話す二人」
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そうして四人はダンジョンを出て、昨日のキャンプ地に戻る。
「今日はもう無理……」
「……疲れました」
そんな疲れ切ったオウカとミユに、マユとネラは声を掛ける。
「わたし達がやって置くから休んでいて」
「当機、索敵、探知」
そうしてマユは食事の準備、ネラは見張りをし始める。
なのでオウカとミユは食事まで休む事にする。
出したビーズクッションにもたれるように座る、もしくは寝転がる。
「はあ……」
「ふう……」
十分程そうしていただろうか。
ミユが口を開く。
「……起きてます?」
うつ伏せになっていたオウカから返事が聞こえる。
「ああ。寝てないから平気」
目はつぶっていたけど、とオウカは心の中で続けた。
「何か話しませんか?」
「良いけど……。何を?」
昨日は趣味について話した。
他の話題はあるだろうか。
それに、ミユは少し微笑む。
「何でも良いじゃないですか。命だって預け合いましたし」
「まあな……」
今日の二戦は先日とは打って変わって共闘と相成った。
どちらも一対一だと、勝てないとは言わないが、少しきつかった。
「案外すんなり共闘出来ましたし。……まあ先輩合わせてくれたのもありますけど」
「共闘の経験は結構あるから」
異世界では一人だった時は案外少なく、いつも誰かしらと一緒にいた。
そのためいつしか、相手に合わせるのが上手くなっていた。
「戦闘スタイルも色々……でもないな」
「あれま」
「接近戦ばかりだったな……」
冥刀は色々な形・性質・能力を持つが、やっぱり刀剣が多い。
一応、身近にある物を武器にするため中距離・遠距離もこなすモンセラート、糸が得物のディアン、投擲武器であるチャクラムを得物としているアンジェリカのような例もいた。
だがしかし、三人共バチバチに接近戦でやり合える。
刃物の扱いは達人クラスのモンセラート、糸を近接武具に変え戦うディアン、チャクラムをメリケンサック代わりにして殴りにかかるアンジェリカ。
(アレ? もしかして皆脳筋?)
今更な事を思っていると、ミユが何かを思いついたような顔をする。そして聞いて来る。
「先輩」
「ん?」
「その友達や仲間に付いて教えてくれませんか?」
「……」
「嫌ならいいですけど……」
「別にいいよ。時間はあるから」




