五百八十二話目「鳥はドコにいる」
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休憩を終え、最後の一体を倒しに行く。
「どんな奴だっけ?」
「鳥です」
姿形が不明なダンジョンボスに対して、中ボスはある程度の情報がある。
ステータスが高い【サーベライガー】、防御と回復の【ソウオロチ】、多彩なる技巧者【スターキャンサー】。
そして最後の一体が……
「ステルスと遠距離攻撃の【コカクチョウ】です」
因みに漢字で書くと、“呉斯躯鳥”。妖怪の“姑獲鳥(うぶめ、もしくは、こかくちょうと読む)”ではない。
「姿を消して、遠くから爆撃して来るそうです」
「シンプルにウザいタイプだな」
つまりは広域を一気に殲滅できる手段か、索敵して遠距離に当てる手段がないとどうしようもない。
「まあ、幸いな事に私も先輩もありますし」
「まあな」
ミユとオウカは共に前者と後者の手段がある。なので少し安心していたが。
(こういう時に限って上手く行かないんだよな……)
そんな予感を感じたオウカだった。
そして、それは的中した。
●○
「……」
「……」
「「……」」
「……ステルス性能……凄まじかったな……」
「……はい。まさか、あそこまでとは思いませんでした」
「見えない、聞こえない、匂わない……位は予想していたけどさあ」
「熱感知が通じないとは……」
「糸を使った感知は、羽を飛ばして攪乱して来やがるし……」
「完全情報不足でしたね」
「だな。文句言ってやれ」
「……やめたんで言いづらいです」
「それもそうか」
「そうです」
「……」
「……」
「「……」」
「「はあ……」」
「しかも広範囲攻撃は上手く避けるし……」
「擦り抜けまでしてきましたし」
「……まあ、極短時間しか使えないのと……」
「……ステルスと同時には使えないのが救いでしたね」
「同時に使えたらどうなっていただろう……」
「言わないでください。考えたくもない」
「それもそうか」
「そうです」
「……」
「……」
「「……」」
「「はあ……」」
「結局、勘で俺が狙撃して、一瞬動き止めた所へ」
「私が凍らせてマーキングして」
「後は、消耗戦でしたね」
「チマチマ削ってどうにか倒したけど……」
「もうやりたくありません」
「同感だ」
「……」
「……」
「「……」」
「先輩今、何想像しました?」
「そっちこそ。何を思い浮かべた?」
「「……」」
「同時に言いましょう」
「ああ」
「「せーの! ラスボスが中ボス全部のチカラ使えたらどうしよう!?」」
【TIPS:コカクチョウ】
(・▽・)<鳥型の中ボス。ステルス状態で爆撃してきます。
(・▽・)<しかも動きが速く、極短時間なら擦り抜けすら可能。
(・▽・)<……まあ飛ばしましたけど。
(㈩*㈩)<こういうのって何て言うんだっけ? ユ〇パる?
(㈩*㈩)<もしくは……錆〇兵?
(#ー#)<他の作品のネタを出すな!
(・▽・)<実はサクとマユさん一番苦戦しました。




