五百七十七話目「カノジョらの夜の会話」
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そうして食事を終え、身支度をしてから、もう寝る事にする。
「見張、任置」
「わたしたちは寝なくても活動に支障はない」
見張りはネラの機械アリとマユがやってくれるらしい。
なのでオウカとミユは寝る事にする。
持っていていた寝袋に包まり眠る事にする。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
寝つきが良いので二人共あっという間に夢の中。
それを確認すると、マユとネラは見張りを開始。
ネラは機械アリをあちらこちらに配置する。
(情報、怪物、隠密。注意)
ステルス持ちのボスがいるらしいので、注意をしておく。
少しの力を込めただけで引き千切れる糸を辺りに張り巡らし、機械アリにそれを咥えさせておく。
こうすれば見えず、聞こえず、匂いもない相手でも感知可能。
(極稀、通抜、怪物、存在)
まあそれでも潜り抜けて来るのがいるが、そういうものはどうしようもない。
一方、マユは辺りを警戒しながら考える。
(今日は順調にいった)
チラリと寝息を立てる二人を見る。
(幸いコストが重かったり、インターバルが長い術技は使ってない)
消耗したのは、体力と気力くらい。明日には回復しているだろう。
(中ボス二体はどうにか、今日みたく倒したいけど……)
ふぅ、と息を吐いてマユはボソリと呟く。
「上手くいくといいな」
その言葉が聞こえたのか、ネラがやって来て問いかける。
「何話?」
「明日の攻略」
「納得。後三」
「うん。情報がある二体はまだ良いんだけど……」
「最後……」
このダンジョンの最後のボス。情報がほとんど無いのだ。
「わかっている事は、四体のモンスターを従えていて、蘇生も可能」
「其大、丈夫?」
「?」
「二体、撃破。無駄」
「ああ、それは平気らしい」
情報に拠れば、ボスの蘇生は時間がかかるとのこと。
「後、これは予想だけど、攻略中は考えなくて良い」
「其心?」
「例えばだけど、ネラは特殊な機械アリ作りながら戦闘出来る?」
その問いかけにネラは少し考えてから答える。
「難思」
「でしょう? だから」
「納得」
ダンジョンボスも戦闘しながら、中ボス蘇生は難しいだろうという判断だった。
「まあ長くは掛けられないと思うけど」
「出来、早終」
「そうね」
そして二人は見張りを再開した。
外敵は無く、夜は平和に過ぎて行った。




