五百五十九話目「カレは過ごす」
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月日は流れて行く。
本当に平和な日々が続いていた。
何かに巻き込まれる事もなく、自ら飛び込んでいく事もなく、オウカは過ごしていた。
その間は色々やっていた。
前に約束したリアとデートに行った。
『次はあっちに行きましょう!』
『おう』
因みに尾行者が結構いる。
『……あのプランどっちが考えたんだろう?』
『サク君だと思う。ソルさん曰く、百合女に仕込まれたんだって』
『何なんだろう……あの人』
『次はどこに行くのかな?』
『……なあ帰ってええ?』
『駄目に決まっているだろう』
そうしたら羨ましがった他の面々ともデートする事になったりした。
『わたくしとデートコースが違う……』
『ソルさん曰く、百合女の教えなんだって』
『本当に何なんだ……あの人』
『…………なあ今すぐ帰ってええ?』
『駄目。道連』
『酷い!?』
勿論遊ぶだけではない。模擬戦をしたりもした。
『脱力ぅー、脱力ぅー』
『うん。出来てる出来てる』
レイリとは稽古のような模擬戦になった。
伸びしろがあるのか、彼女はドンドン強くなっていった。
なぜかオウカも強くなったが。
『んー』
『ハッ!』
クインとは殺し合い一歩手前まで行った。
使いたがらない手札も見せて貰った。
そのおかげでなんで使いたがらないか、オウカは理解した。
『オウザキ=レイリです! 宜しくお願いします』
『ん。クイン』
『私も変人の仲間入りか……』
そう言う訳でレイリやクインがオウカがつるむ面々に加わった。……イヌコは道連れ。
天ノ角高校の面々だけでなく……
『他の人と行ったのなら、ウチも』
『ああ、いいよ』
ヒナタともデートした。
『やっぱりコースが違う……』
『リリアーヌさんの教えが生きてるんだ……。何なんだあの人』
『あの二人どこまで行くんだろう?』
『下手すると最後まで……』
『……帰りたい』
『どんまい』
勿論追跡者はいる。
バイカと模擬戦をした。
『出来る、なった』
『流石』
彼女は出来る範囲を増やし、強くなった。
……それに付随してオウカも強くなっていった。
そして、新しい友達だけでなく、古い友達とも交流した。
『平和ですな、婆さん』
『そうですね、爺さん』
マリアともデートしたり、
『悪いな、付き合って貰って』
『構いませんよ』
模擬戦……と言う名の殺し合いをした。
『やっぱり修羅場に赴かないと牙が鈍る』
『……この世界は平和なのですから、それで良いのでは?』
『いや、駄目だ。アイツとの誓いだからな』
【コソコソ話】
(#ー#)<なあ、“アイツ”って誰?
(・▽・)(㈩*㈩)<……。
(#ー#)<また二人して黙り込んだ!? もしや……“勇者”?
(㈩*㈩)<そう。今のサクの性格って色々な人との交流で出来たんだけど……
(・▽・)<外〇人格ですね。
(#ー#)<ほとんどの人がわからねえ例えすんな!?
(㈩*㈩)<その中でも比率が大きいのが、この拷問士と……
(・▽・)<イエイ♪
(㈩*㈩)<百合女や修道女の割合も大きいけど、
(㈩*㈩)<この勇者の比率も大きいから。……交流時間は一時間もないのに。
(#ー#)<なるほど。(嫉妬だな。)




