五百三十二話目「ワタシはこう戦う」
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そういう訳でオウカ達は学校に入り、施設に向かう。
違う制服なのだが、幸いにも目立たない。多少交流があるので、何も言われない。
「それにしても……」
レイリがオウカに聞く。
「本当に入って良いんですか?」
「許可貰っているから」
「いや、そこじゃなくて……」
言いにくそうにレイリは言う。
「ここって男子禁制ですよ」
「だからここの制服着てるんだ」
「「そういう問題!?」」
レイリだけでなく、イヌコもツッコミを入れる。
それにオウカは言う。
「今の時代男女平等だろ? だからその一環なんだと」
「それで、女装?」
「そういう事」
「「……」」
その言葉に一同、納得できるような、できないような気がした。
………………
…………
……
そうして施設までやって来て、準備をしてから向かい合う二人。
「よろしくお願いします!」
レイリがペコリと挨拶。
制服であるセーラー服姿に、手には巨大斧。
「おう」
答えるオウカ。
こちらはブレザー姿に、手には大鉈。
二人共、V.F.は展開済み。
欲を言えば、VRの方を借りたかったのだが、今日はメンテナンスとの事。
そして
「今日は無理を言ってすいません」
「いえ、気にしないでください」
イヌコがカヤに頭を下げ、彼女はそれに気にしないように言った。
「……(ワクワク)」
「楽しみ」
クインとヒナタが、今か今かと待ちわびていた。
「私も居て良かったのでしょうか?」
「問題、ない」
場違い感に疑問を浮かべたミユに、返事をしたバイカ。
どこからか聞きつけた面々が来たおかげで、人数が増えた。
(倍になったわね。それにしても……)
イヌコがオウカを見た。
実は彼がもう一人呼んだらしく、これから来るらしい。
(誰が来るのかしら?)
天ノ角の人だろうか?
そんな事を思っていると……
「じゃあ五秒後に開始で」
「はい!」
カウントダウンが始まる。
「五、四、三、二、一」
レイリのリストが固まる。
オウカは構えも取らず立っている。
「零」
始まりの合図と同時、レイリが地面を砕くかの勢いで踏み込みで間合いを潰し、
「ハア!」
無数の斬撃が凄まじいスピードで襲い掛かる。
それをオウカは紙一重で避けて行く。
(重い武器を小枝みたいに扱うな……)
レイリは自らの膂力を活かし、巨大斧を刀剣みたいに使う。
オウカはそれを大鉈で受ける。
(重っ!)
だが、止まらない。オウカは激しく吹き飛んだ。




