五百二十一話目「金目の物はドコにある」
「何だこの化物は!?」
「こんなのやってられるか!」
「おい、何処へ行く?」
「逃げ場なんてねえよ! 戦え!」
禰御の一部構成員達は逃げようとする。
だが、二手に分かれ、出入り口に陣取ったオウカとヒナタのせいで逃げられない。
「どこ行くの?」
「どけよぉ、お前!」
一人が剣片手にヒナタに襲いかかる。だが、
「アンタみたいなのは、鳥になって空を飛びなさい」
「トリィー!?」
ハンマーになった【ムジョルニア】のフルスイングで、グシャグシャになって吹っ飛んだ。
「潰れなさい。スフレみたく」
「クチドケェー!?」
返すハンマーが振り下ろされ、身長が半分以下になった半グレ。
「糞。こっちは駄目か……」
「だったらあっちだ!」
オウカの方へ向かう生き残り達。
だが、それは悪手。
「悪党にしては良く生きた。さあ、死のう」
「ギャ」
「ヒデブ」
「ヒ」
大鉈の横薙ぎで、三人が真っ二つになる。
「腹の中見せてみろ!」
「チャーハン!?」
大鉈の一振りで、真っ二つになる半グレ。
そして最後にボスが出て来た。護衛らしき屈強な男達と一緒。
「テメェら人んちで何w」
「傭兵を舐m」
「殺しt」
「「「うるさい」」」
最後まで言えなかった。
三人が投擲した武器によって、呆気なく死んだ。
「り、リーダーが殺られた!?」
「雇った傭兵まで!?」
「に、逃げるぞ!」
完全に総崩れとなった半グレ達。
だが、オウカ達が逃がす訳がない。
そうしてしばらくすると、そこには命だったものが大量に転がっていた。
「雑魚しかいない」
「歯ごたえのない奴らばかり」
「烏合の衆なんて所詮こんなもんさ」
三人は武器を仕舞い、戦利品を検分していく。
「現金と武器ばかり……」
「レア物はないみたいね……」
オウカとヒナタが溜息を吐く。
この二人の狙いは、何かしらのアーティファクトや邪眼など。
結構高値で売れる上、有用なら自身の武器になる。
なのだが、今回はあまり良くない。
(使い切るタイプなのか?)
そんな時だった。
「ん」
クインが何かに気づき、二人を呼ぶ。
「どうした?」
「どうしたの?」
「アレ」
そこは体育館の床下収納。
何かが厳重に保管されている。
「もしかして……」
見てみると、そこにはアーティファクトと金目の物がある。
「なんだあるじゃないか……」
「今日一番の整理品ね」
ハイタッチするオウカとヒナタだった。
【TIPS:クインのチカラ その一】
(・▽・)<まずはステルス能力。透明人間になれます。
(・▽・)<しかも視覚だけでなく、五感全てを隠蔽可能です。
(・▽・)<まあ攻撃すると解除されてしまうのですけど。
(#ー#)<追跡にはぴったりだな。……アレ? じゃあアイツなんで気づけたの?
(・▽・)<そこにいる者が見えなくても、周囲の物は見えているので。
(#ー#)<……?
(㈩*㈩)<分からない人は、呪〇廻戦で刀爺が呪霊の攻撃を、
(㈩*㈩)<躱して、攻撃出来た理由と同じと思ってくれれば良い。




