五百十二話目「カノジョの能力は一体何」
寝たままでは失礼と判断したのか、オウカは起き上がり、訊ねる。
「座るか?」
「ん」
クインはオウカの隣に座る。
「……」
「……」
「「……」」
両者無言。
どちらも多弁ではないうえ、会ったばっかりなのが災いして、沈黙が続く。
とりあえず、相手を分析し合う。
(身のこなしは隙がない。戦闘経験を積んでるな…)
(悪意はない。悪い人じゃなさそう。それと凄い強そう)
隣に座りながら、双方何をするわけでもなく無言。
暫くそんな時間が続く中……
「聞いても良いか?」
オウカが訊ねた。
「……ん」
「どうしてこの学校に?」
「自立したかったから」
自分の技能を一番活かせるのがプレイヤーだった。
「俺と同じか」
「そうなの?」
「ああ」
「「……」」
そうしてまた無言になる二人。
今度はクインが問いかける。
「……ねえ」
「うん?」
「どうしてそんなに強いの?」
「……わかるのか?」
「ん」
そう言うクインにオウカは答える。
「師匠に鍛えられて」
実践形式のスパルタだった。
「経験積んで」
様々な相手と戦った。
「色々貰った」
友達や冥刀から託された。
「だからだな」
その答えにクインは、無表情を少し崩し、羨ましそうな顔をする。
そして呟く。
「私はかなり特殊。セコい」
「……セコい?」
「ん。威張れない」
その言葉に、オウカの脳裏に過ったのは、この間の騒動。
他者のチカラについて聞くのはマナー違反。更にオウカは人の事情を深くは詮索しない。
だが、結構エライ目にあったので、聞く事にする。
「強奪系?」
「ッ!?」
オウカの問いにクインが分かりやすい程に動揺した。
「……」
暫くの沈黙後、重い口を開く。
「近いけど遠い。もっと……」
「もっと?」
「エグい」
それっきり黙り込んでしまう。どうやら言いたくないらしい。
なので、オウカは謝る。
「悪いな。ちょっと色々あったんだ」
「……色々?」
「ああ。強奪能力持った腐れ外道に能力奪われたんだ」
「!?」
驚くクイン。
「……」
沈黙後、彼女は絞り出すように語ろうとする。
「わたしの秘咒h」
「言いたくないなら言わんでもいい。マナー違反だし」
「でも……」
「なら、一つ聞くけど、お前は俺からチカラを奪うつもりがあるのか?」
オウカの問い。
それに圧を出す。
普通の戦闘者でも怯む程の圧。
「……ない」
だが、その圧にクインは負けじと圧を返した。
それにオウカは口元に笑みを浮かべた。




