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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
壱ノ章 ~刀鬼と三重奏~

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51/713

五十一之巻 打ち込む拳

 ******



(サク……)


 マユはオウカとコナタの戦いを見ていた。

 一見するとオウカが押されているように見える。だが、オウカはまだ手札を全然出していない。


「出し惜しみは治らないか……」


 少し呆れていると、


「マユさん……」


 声が聞こえた。

 声の主はカナタだった。まだ少しショックが抜けきっていないようだったが、言い切った。


「……ありがとう。もう大丈夫よ」

「そう。なら良かった」

「後は、私がやらないと……」


 そう言ってオウカとカナタが戦っている所へ向かおうとしたが、マユが止める。


「待って」

「離して。コナタ兄さんは私が止めm」

「違う。そういう事じゃない」


 一拍置くと、マユは口を開く。


「教えて欲しい事がある」



 ******



冥肌鏤骨(オストラコン)


 オウカは残滓を引き出す。自身が使い、仲間が遺した<冥刀>を。肌、骨、血、肉に刻まれ、彫り込まれたチカラを。

 彼が選んだのは、


「【イーコール】」


 液体型の<冥刀>。血液に代替する。チカラは身体強化。一点特化も可能。かつて彼に移植されたモノ。


「行くぞ」


 スピード上げ一気に間合いを詰める。

 カナタは右腕を触手にして伸ばす。オウカを串刺しにしようとするが、当たらない。


「アアア!」


 左腕の刃を振り下ろすがそれも当たらない。それどころか、


「おらよ」

「ア!?」


 振り下ろした刃をオウカは踏みつける。それと同時にパワーを上げ刃を固定。そして、左拳を握る。


「【レギンナグラル】」


 釘型の<冥刀>。腕に埋め込む内蔵式。チカラは攻撃浸透。防御突破の副産物もある。彼の友が使い遺したモノ。


「チェストォォー!」


 拳が胴体に着弾。それと同時に打撃が釘打ち機のように炸裂。


「アアアアアア!?」


 絶叫し、木を薙ぎ倒しながら吹き飛ぶカナタ。


「悪いね。無力化無理だった」


 左腕をプラプラさせるオウカ。見守っていたマユが訊ねる。


「倒した?」

「手応え的には」


 そう言ってオウカはカナタを見る。


「多分まだ息はあります」

「え」

「見に行きましょう」


 どうにも嫌な予感を感じるオウカだった。

【TIPS】


冥肌鏤骨(オストラコン)

(㈩*㈩)<<冥刀>の置き土産。この世界だとほぼ事例なし。だから皆知らない。


(・▽・)<なぜでしょう?


(#ー#)<テメエらの世界が物騒すぎるからだろうが。


(㈩*㈩)<そして、二パターン存在する。


(#ー#)<二つ?


(㈩*㈩)<ええ。一つ目。破壊されたモノが使い手に何かしら遺す。


(㈩*㈩)<そして、二つ目。使い手と殉じる際に、特定人物に遺す。


(#ー#)<主人公(アイツ)は?


(㈩*㈩)<両方。実際ここにもいる。


(#ー#)<?


(・▽・)<イエイ♪

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