五十一之巻 打ち込む拳
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(サク……)
マユはオウカとコナタの戦いを見ていた。
一見するとオウカが押されているように見える。だが、オウカはまだ手札を全然出していない。
「出し惜しみは治らないか……」
少し呆れていると、
「マユさん……」
声が聞こえた。
声の主はカナタだった。まだ少しショックが抜けきっていないようだったが、言い切った。
「……ありがとう。もう大丈夫よ」
「そう。なら良かった」
「後は、私がやらないと……」
そう言ってオウカとカナタが戦っている所へ向かおうとしたが、マユが止める。
「待って」
「離して。コナタ兄さんは私が止めm」
「違う。そういう事じゃない」
一拍置くと、マユは口を開く。
「教えて欲しい事がある」
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「冥肌鏤骨」
オウカは残滓を引き出す。自身が使い、仲間が遺した<冥刀>を。肌、骨、血、肉に刻まれ、彫り込まれたチカラを。
彼が選んだのは、
「【イーコール】」
液体型の<冥刀>。血液に代替する。チカラは身体強化。一点特化も可能。かつて彼に移植されたモノ。
「行くぞ」
スピード上げ一気に間合いを詰める。
カナタは右腕を触手にして伸ばす。オウカを串刺しにしようとするが、当たらない。
「アアア!」
左腕の刃を振り下ろすがそれも当たらない。それどころか、
「おらよ」
「ア!?」
振り下ろした刃をオウカは踏みつける。それと同時にパワーを上げ刃を固定。そして、左拳を握る。
「【レギンナグラル】」
釘型の<冥刀>。腕に埋め込む内蔵式。チカラは攻撃浸透。防御突破の副産物もある。彼の友が使い遺したモノ。
「チェストォォー!」
拳が胴体に着弾。それと同時に打撃が釘打ち機のように炸裂。
「アアアアアア!?」
絶叫し、木を薙ぎ倒しながら吹き飛ぶカナタ。
「悪いね。無力化無理だった」
左腕をプラプラさせるオウカ。見守っていたマユが訊ねる。
「倒した?」
「手応え的には」
そう言ってオウカはカナタを見る。
「多分まだ息はあります」
「え」
「見に行きましょう」
どうにも嫌な予感を感じるオウカだった。
【TIPS】
冥肌鏤骨
(㈩*㈩)<<冥刀>の置き土産。この世界だとほぼ事例なし。だから皆知らない。
(・▽・)<なぜでしょう?
(#ー#)<テメエらの世界が物騒すぎるからだろうが。
(㈩*㈩)<そして、二パターン存在する。
(#ー#)<二つ?
(㈩*㈩)<ええ。一つ目。破壊されたモノが使い手に何かしら遺す。
(㈩*㈩)<そして、二つ目。使い手と殉じる際に、特定人物に遺す。
(#ー#)<主人公は?
(㈩*㈩)<両方。実際ここにもいる。
(#ー#)<?
(・▽・)<イエイ♪




