五百四話目「ナニが始まるのか」
【コソコソ話】
(#ー#)<そう言えば……あのシスターってどうしたんだ?
(㈩*㈩)<追々語る。元気にやってるから安心して。
それに反論したのは、オウカが助けた女子生徒。
「人を噂だけで判断しない方が良い」
「貴方は?」
イヌコが少女を見る。
高校生としては平均的な自分達より小柄な少女。
短めな髪の毛をしており、ヘッドホンを付けている。
「わたしはクイン」
「じゃあクインちゃんで。あ、私はレイリ。宜しくね」
「宜しくレイリ」
二人の自己紹介が終わったタイミングで、イヌコの番となる。
「私はアサg」
「それでこの子はワンコちゃん」
「イヌコよ! それと先輩だから!」
因みに彼女はツッコミ役である。
「……そうなの?」
「一応ね。私と一カ月差なんだけど」
「納得した」
クインはイヌコを見上げこう言う。
「宜しく。ワンコ」
「呼び捨て!?」
ツッコミが炸裂した。
………………
…………
……
その後、一旦イヌコと別れ、自分達のクラスへ行く事になる。
「同じクラスだね」
「……うん」
そして、担任の挨拶があり、様々な連絡事項が話された後、オリエンテーションとなる。
一学年全員が広い部屋に集められる。
「結構広い所だね」
「ん。頑丈みたい」
「誰か戦ったりするのかな?」
そんな事を思っていると、主任による説明が始まる。
「さて、どうしてこんな部屋に集められたのか疑問に思っているでしょう」
曰く。
歓迎として、在校生の模擬戦がおこなわれるとの事。
毎年の行事らしい。
「今回はこの二人を選びました」
その言葉と共に入室したのは二人の生徒。
「あ!」
「……!」
「「ギャー!?」」
その姿に見覚えあるのか声があちらこちらで上がった。
……悲鳴も上がった。
そこにいたのは……
「サク君一体何したの?」
「ザビエルと落ち武者を作っただけです」
「何が違うの!?」
片方は金髪の女子生徒。
三年のクドウ=カナタ。
もう片方は灰色の長髪の男子生徒。
二年のサクヅキ=オウカ。
この二人が選ばれていた。
△▲△
時間は少し戻り、オウカがキョウコに連れられたのは職員室。
「新入生のオリエンテーションがあるんだけど~、模擬戦に出てくれない~?」
単刀直入のお願いにオウカは少し嫌そうな顔をする。
元々、手札を伏せて置くのがオウカ。それに加え、チカラを失ってまもないため色々不足がある。
「頭剃り上げはそれで勘弁してあげるから~」
「俺以外に居ないんですか?」
「いるにはいる~、けど相手が君が良いって」
「相手?」
首を捻るとタイミングよく入って来たのは……
「私よ」
カナタだった。
「色々試行錯誤の結果見せたいし、貴方も色々試せるわよ?」
その言葉にオウカは引き受ける事にした。




