五百二話目「コレが私の行動」
その少年――男子の制服を着ているので性別は男なのだが、背が低く、顔が中世的なので、セーラー服着たら女子生徒と言っても通用しそう――は手袋をした左手に真っ黒なロングナイフを持っている。器用にクルクル回しながら、倒れている二人に話しかける。
「ねえ、足二本切断するか、真ん中の足を切ってオネエになるか、選んで?」
「え、選べましぇん……」
「た、たしゅけて」
最悪最低の二択にボコボコにされた二人は、当然の如く選べる訳がない。
だが、この少年は全く容赦しない。
「そ。ならそれは勘弁してあげる」
「「!」」
ボコボコにされた二人に希望が宿る。
だが、それは早計だった。
「代わりにお前はザビエルだ~」
「ギャー!?」
容赦なく髪の毛を剃り上げる。
その光景にもう一人は這う這うの体で逃げようとするが、
「おいおい逃げるなよ」
「ひ!?」
足を掴まれる。
逃げられる訳もなく……
「お前は落ち武者だ~」
「ナニガチガウ!?」
髪の毛を大量に引っこ抜かれ、落ち武者となった。
その光景を見ていたイヌコは、レイリの方へ向きながら言う。
「ね? だから近づいt」
言葉が途中で止まる。
そこには誰も居ない。
「……レイリ!? どこh」
キョロキョロ辺りを見渡していると、少年は落ち武者の禿げあがった頭部をナイフで何かを彫ろうとしている。
「サービスにヘリポートにしてやる~」
「ギャー!」
そうしてナイフを頭に付けようとした時だった。
「何をしてるんですかぁー!」
レイリがそこにいた。
巨斧を振りかぶり、少年目がけ振り下ろそうとしている。
そして。
「ハア!」
巨斧が少年目がけフルスイングされる。……一応殺さないように配慮しているのか峰打ちにしている。とは言え、これでも喰らえば怪我はするだろう。
だが、その一撃を少年は片手で受け止める。
「おっと」
完全に威力は殺せず、地面に亀裂が走る。
「中々の膂力だな」
感心した彼にレイリは照れたように笑う。
「ありがとうございます。……って、そうじゃなくて!」
表情を切り替えレイリは言う。
「何でそんな事をしているんですか!」
「そんな事って……コレ」
ザビエルと落ち武者を見て言う少年。
「それ以外にないでしょう!」
プリプリ怒るレイリに少年が答えようとした時だった。
彼の背後にいた女子生徒が前に出てきて答える。
「この人がアタシを助けてくれた」
「へ?」
予想もしない言葉にレイリの眼が点になった。




