第478話:思考して、見通す。
(このままだと長引く。どうにかしねえと……)
考える時間が欲しい。
なので、こう告げる。
「一旦後方支援に集中する。頼む」
「「了解でござんす!」」
「なんかわからんが……早くしろよ」
同僚二人は頷き、マリアも察して反対はしない。
なので、甘える事にする。
「感謝する!」
そのまま弾幕を張りながら思考する。
(まずそんなチカラを持っている? そこからだ)
まず蒼騎士を見る。
蒼の鎧を纏い、武器は背からの二つの鎌、手には巨大な青龍偃月刀。竜巻を操って来る。パワーも中々。
(動物、昆虫、武器、自然と言ったところだな……)
蒼騎士のチカラ――蟷螂、青龍偃月刀、竜巻なのは確定。ブラウンの動物種が分からないが、一旦脇に置く。
次に白騎士を見る。
白の鎧を纏い、兜からはサーベルのような牙が伸び、トラバサミを自在に出してくる。更に体を鋼鉄化させる。こちらはパワーとスピードもある。
(古代生物、人工物、物質。後、他の生物系か)
白騎士のチカラ、サーベルタイガー、トラバサミ、鋼鉄なのは確定。後一つ、生物系を持っているだろうが、まだ不明。
そして、朱騎士を見る。
朱の鎧を纏い、背から翼を生やしている。それ以外にも何か持っていそうだがわからない。凄まじいスピードファイター。
(あの翼から察するに……幻獣、他の系統から察するにもう一つ生物系。だが、あと二つがわからん)
鳥の幻獣と、何かしらの生物は確定。だが残り二つがわからない。
なので、切り替える。
最後の一体、黒騎士を見る。
黒の鎧を纏い、体には蛇が巻き付き、これが伸縮して攻撃を仕掛けて来る。しかも牙からは毒が滴っているので毒蛇なのは確定。手には槍と盾――琉球武術で使われるティンベーとロンチー。更に、ウォーターカッターを飛ばしてくる。パワーとスピードだけでなく、テクニックが凄まじい。
(動物、武器、自然。んでもう一つ生物だな)
毒蛇、ティンベーロンチー、水なのは確定。だが、もう一つの生物がわからない。
(未確定が多い。これが後で命取りになる可能性があるな……)
ならば、どうにか見極める。
(今は眼以外要らない……)
自身の加護ノ翅のチカラを視力に振り分ける。
そして、今まで隙間から覗く所を見た。




