第477話:強敵なる、四色騎士。
(今の一撃、直撃していれば盾ごと粉砕出来たのに……)
内心しかめっ面をするマリア。
【カズィクル・ベイ】は生半可な防御どころか、大抵の防御を貫通出来る。幾ら数値が高くとも、零をかければ、零になってしまうのと同じ道理。
なのだが、黒騎士は盾で上手く受け流した。
溜息を吐いて呟くマリア。
「本当に誰? こいつら雑魚とか言った奴?」
「「お前だよ!!」」
その場の全員のツッコミを貰ってしまう。
実際この四騎士はかなり強かった。
単体でもかなり強いうえ、連携までしてくる。
しかも、持っている能力のせいで、こちらの利点まで削いでくる。
蒼騎士の竜巻によって、マックスの【エル・フマドール】の煙が散らされる。
白騎士が設置するトラバサミのせいで、スピードを活かす面々の機動力が生かせない。
朱騎士は飛行して攻撃を仕掛けて来るので、空に気を配らなければならない。
そして、黒騎士は要所要所でサポートを挟んでくる。
そんな中、気になる事をマックスは呟く。
「ところで気になったんでござんすが……」
隙を見て煙草を吹かしながら続きを言う。
「こいつら……なんでござんすか?」
「わからん。知らん」
マリアの答えはけんもほろろだった。
だが、残り二人は分析している。
「匂いは人に近い。多分クルセイダーである」
「しかも……どう見ても二つ……いや三つか四つ持っている」
「「は!?」」
ノワールは匂いで分析し、ジョージは鋭い感覚で見極める。
だが、聞き捨てならない言葉に聞き返す同僚二人。
「そんな馬鹿な!?」
「キャパシティが弾けるでござんす……」
クロスはガチャではあるが、お手軽な特殊能力。とは言え、容量は存在する。
二つが限界であり、三つ以上は無理。実際、三回目以降のナノマシン投与は生存率ゼロである。
それを聞いたマリアがふと呟く。
「抜け道があるんじゃないのか?」
「「……う~ん?」」
考える一同だったが、相手はそんな隙を与えない。
「カァーッ!」
「ハアァーッ!」
「ハハハハハハ!」
「ハァ……」
一気に間合いを潰してくる四騎士。
「チッ、考えるのは後だ!」
ジョージが拳銃を四丁に切り替え、弾幕を張る。
スピードが鈍ったところを、残り三人が突撃。
そうして入り乱れながら激突した。




