第472話:開かれる、特殊な空間
そうして全員が集まったタイミングでノワールが一同に言う。
「では進むのである!」
そういう訳で進む五人。
そうしている内に、ふとオウカは気になった事を訊ねる。
「そういえば、あんな見つかりにくい場所よく見つけたな」
「確かにな」
ジョージが同意する。
「アレかなり上手く隠してあったからな」
それにマリアは答える。
「私が見つけた訳じゃない」
「「は!?」」
聞き捨てならない言葉に聞き返す一同。
「どういう事でござんすか?」
「探している時に――」
何でも折紙の蝶が案内してくれたとの事。
それに心当たりがあるのは、その人物とこの間共闘した面々。
「あの人ではござんすか」
「そのようであるが……。改竄受けてないのであるか?」
「そういえば、逃れた人もいるようですけど」
オウカの問いにノワールが答える。
「強力な何かしらがあれば防げるのである」
ルラは装備強化、ジョージはユニークスキル、マックスは術技強化で逃れた。
「じゃあノワールさんは?」
「吾輩は……」
答えようとした時だった。
異変に気づいたのは、一際感覚が鋭い者。
「来る!!」
ジョージの警告。一丁拳銃にしていた冥刀を二丁にして構える
それに他の面々も戦闘態勢を取る。
「話はお預けですね」
「で、あるな」
そう会話する一人と一匹。
そこに現れたのは――ローブを目深に被った四人組。
「人間? じゃねえな。外れてる。でも強そうだ。気をつけろ」
ジョージのは分析に、残りの面々は頷く。
「四天王でござんすな」
「なら噛ませだな」
「油断大敵だ」
その会話を聞いていたノワールはある事を決断する。
「オウカ! ここは吾輩達に任せて行くのである」
「え、でも……」
躊躇うオウカ。それに、
「向こうは四人だからな。丁度いい」
「元を正せばこっちの不手際でござんすから……」
ジョージとマックスが告げた。
そしてマリアは言う。
「ここまで付き合ったからな。最後までだ」
その言葉にオウカは頷く。
「わかった。ありがとう!」
そして、一気に駆け抜けようとする。
だがローブは道を塞ごうとする。
「させるかよ」
「同じく」
動いたのはジョージとマックス。弾丸と匕首が飛来し、ローブを妨害し、
「こういうのは行かせるのがスジである」
「その通り」
ノワールとマリアが間合いを詰め、ローブを攻撃。だが、爪牙と杭は届かない。
「防がれたである」
「こちらは上手く受け流された」
体勢を立て直す二人に、残り二人も合流。
「結構やるねえ」
「そうでござんすな」
「関心してる場合か?」
「取りあえず始末してオウカに追い付くである」
こうして戦いが幕開けた。




