第462話:その時、戦士が動いた。
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時間はマリアが塀をぶち破った所まで戻る。
いつまでも呆然としている訳にはいかないので、中に入る。するとマリアが全員入ったのを確認してから匣から小さな機械を出す。それを作動させると、塀が外見上は元に戻る。
「これで暫く誤魔化せる」
更に、ペンダントを出しそれを起動。すると結界が張られ、周りから見えなくなる。
彼女が使ったのはそれぞれアーティファクト。
何でも所属していた組織のヤサを漁った際に出て来たらしい。これ以外にも色々あるとの事。
使えそうなのを配分し、マリアは告げる。
「さあ作戦会議と行こう」
「「ぶち破る前も出来たよね!?」」
「その前の段階でまごついただろう?」
一理ある。
このままでは収拾がつかないので、咳払いしてからノワールが言う。
「こほん。とにかくこれからどうするかである」
「場所はわからないんですよね?」
「ああ。だがどこかしらにはあるはずである」
「人海戦術でござんすか……」
「六人しかいないけどな」
それにルラが手を上げる。
「何である?」
「私は陽動をします。なので残りで探してください」
「……それは危険じゃないか?」
マリアのもっともな疑問。オウカも顔を顰める。
下手をすれば大多数を相手しなくてはならなくなる。
だが、彼女の事を良く知っている面々――円卓は違った。
「確かに……である」
「姐さん程適任はいねえ」
「最強でござんすからね」
ルラの意見に賛成した。
とは言え、不安そうな二人がいるので、ジョージが説明する。
「姐さんは装備品を強化可能なんだ。だからどんな状況でも対応できるうえ……」
マックスが続けて言う。
「それは冥刀にも適応する。しかも補正が高めだからとんでもない事になるでござんす」
それに納得した顔になる。
「なら平気ですかね。でも……」
「安心してください。殺しません。……まあ手足の五六本は覚悟してもらいますが……」
「なら良かった」
「「何も良くない!?」」
元々根が少し物騒なオウカはほっとするが、他の面々がツッコミを入れる。
人間に手足は四本しかない。……大抵の場合。
「で? 残りの面々で隈なく探すのか……」
「コレがあるであるが……ちょっとキツイでござんすね」
マックスが出したのは腕輪。これには隠密効果が付与されたアーティファクトであり、同じ効果で違うアクセサリーなのが、ルラを除いた全員に配られている。




