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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
伍ノ章 ~無尽蔵の略奪者と破滅の装置~

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442/718

第442話:そしてワタクシは、ハカイする。

 どれだけ泣いていただろうか。

 突如マリアの泣き声が止まった。そのまま立ち上がる。


「……お、おい大丈夫k……ひ」


 男は思わず悲鳴を漏らす。

 マリアは凄絶な表情をしていた。怒りと悲しみが混ざったような顔。


「……」


 無言のまま彼女は懐から布の包みを出した。それを開くとそこには五寸釘が入っていた。それを右手で掴み左肘当てる。


「【レギンナグラル】。聞いていただけますか」


 そうして冥刀に声を掛けた。


「ワタクシは気づきました。右の頬を叩かれたら左の頬を差し出せ。アレは間違っています」


 やっと気づけた。


「相手は調子に乗り、更に手を出してくる」


 もうすべて遅いが。


「良心や親切をしてもそれが返って来るとは限らない」


 ああ、何でもっと早く気づけなかったのか。


「やられたら倍にしてやり返す」


 だからこそ。


「右の頬を殴られたら、左の頬に肘打ちをしてから、ボディブローを叩き込む」


 もう間違えない。


「反撃する気がなくなるまで徹底的に叩き潰す。それしかない」


 その言葉に五寸釘は震える。その通りと言っているよう。


「だからこそチカラがいる。協力して貰います」


 そして、マリアは釘を肘から突き刺した。そのまま奥深くまで押し込む。


「ひ!?」


 見ていた男が悲鳴を漏らす。アレは痛い。

 しかも、男は知らないが、コレは冥刀なので、痛みは倍程度では済まない。

 屈強な男性でも、絶叫し、のたうち回る痛み。

 ……モノによっては代償として発狂死寸前の痛みを与えて来る。

 だが、マリアはそれを耐える。奥歯を噛みしめ耐えきった。


「……」


 暫くはそのままの体勢でいた。

 そして、男の方へ視線を移す。


「ちょっと訊ねて宜しいでしょうか?」


 口調は穏やかだが、男にはわかる。

 これは嵐の前触れだと。


「な、なんでございましょうか?」

「なぜ敬語なんですか? まあいいですけど……」


 マリアは急に変わった男の態度に疑問を感じながらも、ある事を聞いた。

 それは自分達を破滅に追いやった外道共の居所。


「あ、ああ……」


 幸い有名だったので、男は話した。洗いざらい話した。

 ……話さなかったらどうなるか、わかったもんじゃない。

 そうして聞き終えると、マリアは微笑んだ。……とっても怖い笑み。


「ありがとうございます」


 そうしてマリアは踵を返していった。

【後書】

(・▽・)<何がどうなったのかは描写しません。


(#ー#)<一目瞭然だな。


(㈩*㈩)<カクヨムサポパスで希望があればやるかもしれない。……残酷過ぎるかもしれないけど。


(#ー#)<だよな!?


(・▽・)<あ、そうそう。次話は久しぶりにアレをやります。

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