四十四之巻 相討つ両者
オウカは相棒に声を掛けた。しかもカナタにも聞こえるように。
「マユ。開けろ」
『! いいの?』
マユが声を出す。突如響いた声に驚くカナタ。
「だ、誰!?」
だがその反応をオウカは無視して続ける。
「ああ。頼む」
『わかった』
その言葉に頷くマユ。そして、櫛から人間に戻る。
「!!??」
驚くカナタにやっとフォローするオウカ。
「後で話すので」
その様子を横目にマユは手と手を合わせ合掌。すると、前方の空間に四角いゲートが開く。
「どうぞ」
入れと言うマユだが、流石に躊躇うカナタ。なのでオウカは、
「大丈夫ですよ」
先に入る。そして、手だけをゲートから出す。それを見たカナタは、
(……ええい、女は度胸!)
オウカの手を掴み中に入る。
それを確認するとマユも中へ入った。
******
そこは一面の青い空間。マユが『虚空叢雅』の作品を元に編み出したモノ。彼女が使える<スキル>である。専ら二人は秘密基地及び訓練施設として使っている。
辺りを見渡すカナタにマユは説明する。
「この中は時空が歪んでいるから、ここでの一分は一秒以下」
因みに外の時間と合わせる事も可能だが、今回はそうしない。やる事があるのだから。
「わ、わかった。ところで君は一体?」
「わたしはオウカの<冥刀>」
「人型とは……珍しい」
実のところ、人型の<アーティファクト>は昔からある。だからこその反応だった。
そうしてカナタはオウカを見て訊ねる。それにオウカは答える。
「それで一体何をするの?」
「取り敢えず……戦ってみようと」
「え」
それに驚くカナタ。
「今はそんな事している場合じゃ……」
「お互いどう戦うかわからないので、多少知っておかないと連携も取れない」
「それはまあ……」
「それにあの刀達の慣らしも兼ねてです。……気になるので」
「絶対そっちが本題でしょう……」
不承不承に納得するカナタ。とは言え消耗しては駄目な気もする。そんな彼女にマユが続ける。
「大丈夫。そこまで本格的にはしない」
「そう、ならいいわ」
そういう事で向かい合うオウカとカナタ。
オウカは鉄棒を背中から抜く。ジンナとの戦いでも使った物。それの柄頭のスイッチを操作すると丸かった部分が鋭利になり長ドスとなる。
カナタは腰の愛用の刀を抜こうとしたが、止めた
「……せっかくの慣らしだから、こうしましょう」
腰から一本の刀を抜く。
「お望み通り見せてあげるわ」
その言葉にオウカは歯を剥き出して笑う、嗤う、哂う。
「面白い。こっちも使おうか」
【TIPS】
虚空叢雅の作品
(㈩*㈩)<出ていないけど、説明する。
(㈩*㈩)<彼女の作品は言ってしまえば特殊空間。
(㈩*㈩)<自分だけの秘密基地、訓練場、決闘場に出来る。
(・▽・)<……領○展開? 生○領域?
(㈩*㈩)<違う。そっちは別にある。
(#ー#)<あるのかよ……。
(㈩*㈩)<でも今回は説明しない。長くなるから。
(㈩*㈩)<ただ一言。<ダンジョン>がそれ。
(・▽・)<……じゃあ、4○元マンション? 近年のウ○トラマンのアレ?
(㈩*㈩)<それが近いと思う。本格登場はまだ先。




