第426話:スーツをまといし、針金サングラス
須臾の作品は、アクセサリー。
オウカの親友であるモンセラートが使っていた【ルンペルシュティルツヒェン】のように、間接的、補助的な能力を持つモノが多い。……例外もあるが。
後ろから覗き見ていたルラが聞いてくる。
「ハンマーとペンダント……。どんなチカラなんですか?」
「わかりません。アイツがいれば解説してくれるんですけど……」
オウカは作成者と、有名どころならわかるが、全部はわからない。
「何か解説とかないでござんすか?」
「ないようだな……」
マックスとジョージが冥刀が入っていた場所を見てみるが、何もない。
「何かしらありそうであるが……」
「そうなんですよね……」
ノワールの言葉に、同意するオウカ。
あのソルドアットが手抜かりをする訳がない。
そんな時だった。
『表銘が知りたいのかね? ならば答えようか』
第三者の声が聞こえた。
『ハンマーは【ムジョルニア】、ペンダントは【グウェンゾライ・アプ・カイディオ】だ』
「「!?」」
警戒する一同。円卓勢は即座に武装を展開する。
それに、その声は続ける。
『そんなに警戒しないでくれ。害する気はない。というか出来ないのだから』
「だったら姿を見せなさい」
モップを構え言い放ったルラ。
それに声の主は嘆息し、答える。
『わかった。今から姿を見せるから……』
そして、六人の前に突如として声の主が現れる。
『驚かないでくれたまえ』
「「!?」」
それは長身の男。痩せ気味で線が細い針金のような印象がある。服装は奇抜ではなく、スーツに薄い色のサングラスを掛けている。
その人物に対し、真っ先に声を掛けたのは――ジョージ。
「……姿を見せろと言ったぜ?」
『見せているが?』
「本体を見せろよ。匂い、鼓動、呼吸が不自然、体重がねえ。立体映像だろう?」
ジョージは加護ノ翅のチカラで感覚が恐ろしく鋭敏。だからこそ気づけた。
それに男は苦笑。
『今はこれが本体だよ。体は大分前に失くしている』
「「……!」」
警戒を解かないほぼ全員。
それに男はやれやれと首を振る。
ノワールが訊ねる。
「何者であるか?」
『よく聞いてくれた! とは言えここで知っている者はそうは居ないが。拙は』
名乗ろうとしたのだが……
「な、何で……」
男が出て来たから、動かなくなっていたオウカが再起動した。
「アンタがここにいる!」
その顔は驚愕している。
「須臾……叢雅!」




