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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
伍ノ章 ~無尽蔵の略奪者と破滅の装置~

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417/716

第417話:語られる、宗教団体の話。

「ケ、ケツが、わ、割れる……」

「元から割れているでしょう?」

「横に割れるでござんす……」

「……横に割れたら尻じゃないのである」


 どうにかジョージとマックスが起き上がり、改めて話が始まろうとした。


「……なあワシも聞いてええんか?」


 それに長老が待ったをかけた。


「席を外すが?」


 部外者なうえ、今から話される内容はかなりの機密。

 だからこその提案だった。


「大丈夫である。無暗に口外しないのなら」


 ノワールがそう言う。

 なので、長老はこう返す。


「わかった。ただ……」

「「ただ?」」

「もう一人聞かせなきゃならない者がおるんじゃが……」

「もしや……」


 ルラが思い当たったのか聞く。


「情報屋さんですか?」

「ああ。改竄の違和感に気づいた子じゃ」


 それにノワールは少し考え。


「わかったのである。その人物が守秘義務を担ってくれるなら構わんのである」


 なので長老は連絡。少しの会話後、端末の設定を変える。

 すると、端末から声が響く。


[構わない。単に気になるだけだから口外はしない]


 情報屋の声が響く。


[ああ、申し遅れた。自分はクロサキ=シロ]

「! もしや“情報屋黒白”ですか?」


 ルラとかは知っていたらしい。


[そう呼ばれてるけどね。そこまで大層な者じゃない]


 謙遜するシロ。

 そして、この場の面々に提案する。


[もし自分を利用する機会があったら、初回サービスしよう]

「……良いのであるか?」


 ノワールの疑問は最も。この性別不詳は超凄腕の情報屋なのだから。

 利用出来るだけでなく、サービスまでしてくれるとは、至れり尽くせり。

 それにシロはこう答える。


[今回は良い情報が貰えそうなうえに、色々な人と繋ぎが取れたからね]


 そういう訳で聴衆が揃った所で話が始まる。



 ******



「さて……まず話すのは│吾輩《円卓》の仕事である」


 ノワールの言葉にオウカは口を開く。


「確か聖女や信者の護衛……だよね?」

「ええ、その通り」


 ルラが答え、付け加える。


「そして、外法の抹殺です」

「外法?」


 首をひねる長老。

 それにシロが発言。


[異端者だよ。禁忌の技術に手を出したり、魔に堕ちた奴を粛清してたんだ]


 公的機関が動く時は、手遅れだったり、犠牲が出た後が多い。

 聖霊教はそれらを前もって狩っていた。

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