第403話:仲間を傷つけた、それゆえに。
汚い薔薇を地面に咲かせたフードはそのまま残りのチンピラ達を睥睨する。
「今まで大人数で弱者を虐げて来たんだろう?」
本気の圧を出す。
「大人数が強者一人に蹴散らされる絶望を体験しておけ」
ゆっくりとチンピラ達に近づいてく。
それに――
「こ、コイツやべえ!」
「逃げるぞ!」
逃げ出そうとするチンピラ達。
だが、全ては遅い。
「どうした怖気づいたのか?」
一瞬で回り込む。
そして、前にいた男に繰り出したのは。
「外道に肋骨はいらない」
「ゴゴゴゴ!」
正拳突きの連打。肋骨を全て砕かれ内臓に突き刺さる。
二人目。
「お前に内臓があるのが我慢できない」
「ハレツゥ!?」
浸透勁。内部破壊の打撃で内臓が破裂。
三人目。
「顔なんてお前らが持つ権利はねえ」
「ギャアアア!」
「ゲアアア!」
二人を掴み顔面をぶつけ合う。顔面が破壊され陥没。
四人目と五人目。
そして、最後の一人――気の弱そうな男に近づく。
「ヒッ」
怯え動けない男をじっと見る。
その男の頭部を掴んで問いかける。
「おい、お前らの組織の事を全部話せ」
「へ……?」
「そうしたらお前は見逃してやる」
殺されるかもと怯えていた顔が一瞬で変わる。
「俺はな、沢山の糞野郎を見て来た。だから分かる。お前」
一拍置いて続ける。
「まだ誰も殺してないだろう? それに一人嫌そうにしてたし」
「!」
図星だった。
実は、先輩に無理矢理入らせただけで、ずっと抜けたくてたまらなかった。
だが。
「い、言ったら殺される……」
それにフードはアイアンクロー。
「イタタタタ(、なんつー力……)!」
「話さなきゃ、ここで脳漿をぶちまけて貰うが?」
「ひぃ……言う! 言います!」
曰く。
社会活動と称して、ホームレス狩や親父狩をしているそうだ。
規模も少しずつ増えているとの事。
更に。
「リーダーが腕利きの半グレや傭兵を雇っていて……」
「報復が怖くなったのかね……」
とりあえず聞きたい事は聞けたので、フードは頭から手を離す。
「じゃ、どっか行け。真面目に生きろよ」
最後に凄まじい圧をぶつける。
「次同じような事したら……」
周りの命だったものに目線をやって告げる。
「この程度じゃ済まねえぞ?」
「ヒ、わ、わかりました!」
逃げていく男を見送って、フードはホームレス達に目を向ける。
「じゃあ、いってきます」




