cccⅹcⅰ 最後は一体どうするのか
ヒナタの【パダルン・レドコウト】には【カリュブディス】が融合している。
【カリュブディス】のチカラは捕食。それは空間や次元ごと齧り取る事が可能。彼女自身はもう死んでいるが、そのチカラ自体は外套に受け継がれている。
だからこそ、エドリーゲインの防御や耐性を空間ごと削り取ったのだ。
普通の人間なら六等分されれば絶命する。
だが生憎と、エドリーゲインは普通ではなかった。
(チィ、こうなったら……)
エドリーゲインは特殊な手術により、頭部さえ無事ならどうにかなる。
そして、最後の奥の手として、胴体部分に爆弾が仕込んである。いわゆる自爆。
その破壊力は凄まじく、半径数キロを爆破可能なうえ、自身にダメージはない。
(じゃあな……)
だが起爆寸前、外套の胸部から出て来た巨大な顎が、分割部分の胴体部を噛み砕く事で防がれた。
そうして全ての手札がなくなったエドリーゲインは地面に落ちる。
もうなすすべがない頭部をオウカは見下ろす。 切れた左腕がひとりでに戻る。
「さあ、トドメと行きたいところだけど……」
「!?」
それと同時に、外套が元のデザインに戻る。更にマントのようになってしまう。
時間切れだった。
「もう俺は動けない」
そう言って座り込む。
そして、マントを自身の影に沈め、少しして何かを引っ張り出す。
それは――ヒナタだった。
「ヒナどうぞ。トドメよろしく」
「え……サク!?」
ヒナタはその言葉に驚いた。
彼女もかなり消耗しており、満身創痍。
「ありがとう。お言葉に甘えていかせてもらう」
それでも、立ち上がって見せ、距離を詰める。
「簡単に死ねると思うな……」
「(手足がない……、それどころか動けねえ。)うおぁあ、ちょ、ちょっと待て」
もうこの男に出来る事は何もない。
ヒナタは上からじっとりと見る。その顔は悪鬼そのもの。
「全員の恨みを載せて――撲殺してやる」
そして、魂の拳が振り下ろされる!
「まずはとうさんの分」
「ゴオオ……」
「かあさんは眼が見えなくなってた!」
「ガァ、グ」
二発目は目つぶし。眼球を潰し光を奪った。
「これはツクヨの分」
「ゴッ!」
「これはホシマルの分」
「ガッ!」
ヒナタは妹弟の分も殴る。
エドリーゲインは、何も見えない世界で殴られ続ける。
その拳こそ、ソラナキ=ヒナタの怒りだった。
【コソコソ話】
(#ー#)<そういえばさ
(㈩*㈩)<何?
(#ー#)<お前さ、ソラナキに機体型の冥刀あげるとか言ってたけど、結局どうなったんだ?
(㈩*㈩)<ああアレ? 結局貰わなかった。
(#ー#)<え。何で?
(㈩*㈩)<相性が悪くて使えるのがなかった。
(#ー#)<まあ複数持ってたし、しょうがないか。




