ccclⅹⅹⅹⅳ 相手が硬い理由はなにか
(スキルで取っている?)
レアやユニークならそういうモノもある。だが、キャパシティやスロットに限界はあるはず。
(ん?)
何かにひっかかりを覚えるヒナタ。
(付加や増設の手段の一つに移植ってあるけど、限界はある)
臓器移植のように、他者からソレらを移植可能。ただし、執刀医はあまりいないうえ、そもそもドナーがいなければ出来ず、出来たとしても失敗する可能性も高い。
(限界……)
ふとエドリーゲインをヒナタは見やる。その体は人間をやめている。
(アレは翅のチカラ)
加護の翅は、応用性と拡張性は高い
(ちょっと待って? 融合して部位だけが増えたなんて言っていない)
それだけとは一言も言っていない。
(まさか……キャパシティやスロットも増やした?)
それなら辻褄が合う。
そこに防御、耐性、回復のスキルを覚えれば、難攻不落になる。
「サウヅキくん! アイツはスロットやキャパシティも増やしている!!」
「! まさか!?」
「へえ気づいたか……」
エドリーゲインが笑う。
どうやらその考えが正しいらしい。
しかもご丁寧に説明してくれる。
「加護ノ翅のおかげで、こういう事も出来るんだ」
何でも、死者を骨の兵隊にする際に、キャパシティやスロットを取り出し、屍の兵隊に移す。そして、必要なスキルを覚えさせる事で、生前より強化させる。
更に今回はそれを取り込み、更に追加分と空のストックに防御系のスキルを覚えたとの事。
だからこそ、硬く、再生力があり、耐性まで存在する。
つまりは――大火力や次元攻撃をぶつけるしかない。
(不味い……)
手札を数多に持っているオウカだが、色々制約がある。しかも今回は場所が客船であり、まだ中には人がいる。
(火力過多なのは使えない……)
更に、今は【アロンダイト】は使用不可能。ある程度なら使えるが、大規模なモノは使用不可能。
つまりかなり不味い。
(要するに確実にダメージを与えられる攻撃しかない)
ロングナイフを握った左腕を見やる。
これは友の遺された左腕を移植してある。その時に、彼女が使っていた冥刀も一緒に移植した。
【レギンナグラル】
釘型の冥刀であり、 腕に埋め込んで使う。その痛みが代償であり、能力は拳撃の連打と炸裂。それに付随して、相手の防御を無視して、ダメージを浸透させる事も出来る。
「南無阿弥陀仏」
オウカは徒手空拳となり、構えた。
【TIPS:キャパシティとスロット】
(#ー#)<人がどれだけスキルを覚えられるかだな。人によって違う。
(㈩*㈩)<ない人に移植は可能って前聞いたけど、増設も出来たんだ……。
(#ー#)<まあな。でもやる人は少ないけど。
(㈩*㈩)<やっぱりリスクがあるから?
(#ー#)<そうだ。失敗する可能性も高いし、元あるモノに影響が出る場合もあるから。
(㈩*㈩)<なるほど。




