ccclⅹⅳ 骨と対するのは誰なのか
戦いは終わったが、彼は煙を解除しない。
まだやる事があるからだ。
「さて確認でござんす」
そのままローブの中を見る。
「こっちは偽物か」
その中にいたのは、エドリーゲインではない人物。
ただ姿と形は似通っている。
(と言う事は、能力を転写できるでござんすか?)
つまりエドリーが複数いるという事。
「先輩達は大丈夫でござんすかね……」
とりあえず分かった事を各地に送った。
******
橙の結界。
そこは骨や屍の兵隊が人間ではなく、様々な獣、鳥、竜となっていた。
戦える人々はどうにか対抗するが、人外の再生力と高いステータスに押されていた。
そんな状況下。
何かが通り過ぎる。それと同時、兵隊達は細切れになる。
「な、なんだ!?」
「何が起こっている!?」
透明な訳ではないが、あまりに早すぎて見えない。
それに兵隊達を操っているローブ姿の人物は、隊列を組ませ対抗。
それに対してその“何か”は兵隊達の前に出現。
戦闘者達もその姿を視認する事が可能になる。
「「犬?」」
「「狼?」」
それは黒い犬。尻尾が蛇腹剣となっている。
彼こそが、聖霊教の円卓が一人(一匹?)であるノワール。
ノワールは息を吸い込み……
「アオオオオオン!!」
咆哮を放つ。ただ放つだけではなく、前方に収束させる。もはや咆哮というより超振動波。
それにより雑兵は殲滅。だがまだローブは健在。
彼は手に持つファルシオンを振るう。すると亜空間の裂け目が広がり、そこから十メートル程の骸骨の怪獣が出現。
「こんなものまでストックしているのであるか……」
あまり喋らないようにしているノワールだったが、思わず言葉を漏らしてしまう。
更にローブは骨の兵隊を増やす。
(不味い……)
雑兵の狙いは戦えない一般市民。
このままでは人が死ぬ。
だが、怪獣も放って置けない。
その時だった。
「おーい! そこのワン公」
骨の雑兵と戦っていたプレイヤーがノワールに声を掛ける。
「言葉がわかる前提で話すぞ!」
首肯する事で肯定の意を示す。
「俺達に雑魚は任せろ! あんたは大物を頼む!」
それに、首肯する事で感謝を示すノワール。
(これで大物に集中できるである)
そして、怪獣とローブに向かい合う。
それと同時に思い出したのは
(本当に厄介な冥刀である)
オウカの説明だった。
【TIPS:ノワール】
(#ー#)<聖霊教の戦闘部隊の精鋭、円卓の一人というか一匹。
(#ー#)<実は最古参メンバー。魔力で知能が上昇しまくっている。
(・▽・)<木○脳幹みたいですね。
(#ー#)<言わんとしていた事言うなよ……。因みに雑種。狼の血も混ざってる。
(㈩*㈩)<戦い方は犬や狼の機動力を活かした戦いかな?
(#ー#)<ああ。尻尾が蛇腹剣になっていて相手を斬り刻む。爪牙も鋭い。
(#ー#)<更にまだ手札がある。それについては追々。




