cccⅹⅹⅳ どれが逸品なのだろうか
そうして、二人は協力して戦利品を搔き集める。
斧、刀、銃、アクセサリー、そしてクロス。
ヒナタは狸のお面を外し、その下に付けているバイザー越しにモノクルを付ける。鑑定のスキルを持つアーティアクトらしい。
そして、物品の鑑定を始めるが。
「斧は冥刀。銘は【リサナウト】。巨大化が可能」
「似たようなの知っているけど、何が違うのかな?」
「ウチに言われても……」
冥刀には鑑定スキルが効かないので、戦闘時と、刻んである銘を見て判断する。
因みに、オウカが言ったのはストックにある【オルナ】であり、こちらも巨大化能力を持っている。
そして、ヒナタは刀を持って鑑定する。
「刀は妖刀」
「どのタイプ?」
「呪いの武器の方。能力は高いステータスバフ。右が防御力低下、左が呪怨付与」
妖刀には四種類がある。
・モンスターが憑依したり、封じ込められている
・使い手が次々死んでいる曰く付き
・呪いや怨念を吸って変質した、もしくはさせた
・妖怪の素材を使って作った
カナタが使っていたのは一番目で、二刀流使いが使っていたのは三番目。
「相手の一人が、《ヴァイオレットクロス》持っていたでしょう」
「あ、もしかしてそれで呪いを無効にしてた?」
こくりと頷くヒナタ。
二刀流のクロスは《ヴァイオレットクロス〔耐性薬〕》。
呪い耐性の薬のチカラを使う事で、妖刀をデメリット抜きで使っていたらしい。
納得するオウカに、ヒナタが胡乱な視線を向ける。
「?」
「ウチが妖刀持っている事には、何も突っ込まないなって」
「え、あ!」
「知ってるのね? この手のチカラ」
その言葉にオウカはバツの悪そうな顔をした後、説明する。
「さっき言ったメンテナンスできる奴いるって言っただろう」
「(こくり)」
「ソイツは冥刀に恐ろしく詳しい。だから教えてくれた」
一拍置き続ける。
「その腕は【ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】。能力は穢れの除去」
オウカの言葉に、ヒナタの眼が見開かれる。
ソレは毒、呪い、穢れ、汚れを消せ、応用も色々効く。
本来なら、呪いの武器を持つどころか、浄化まで可能だが、今回はしない。妖刀は呪いや怨念こそが武器なのだから。
「メイスは【テーセウス】。応報系の一つ。ストックが可能」
冥刀とクロスは、似た能力になる事はあるが、全く同一にはならない。
「そんで、その外套は【パダルン・レドコウト】。形状操作により色々できる」
無数の帯を伸ばし、相手を切り裂いたり、獣の顎や腕を出して攻撃・防御も可能。
隠し事は面倒な事になりやすいのでちゃんと話したオウカだった。
【TIPS:ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】
(㈩*㈩)<義手型の冥刀。まあ今は義足にもなっているから義肢だけど。
(#ー#)<これ元ネタなんだ?
(・▽・)<グリム童話の「手無しの娘」ですか?
(㈩*㈩)<うん。能力は上記の通りなんだけど、実は戦闘以外の応用が凄い。
(#ー#)<?
(㈩*㈩)<穢れと汚れ消去だから、泥、埃、汚れ、返り血が付かなくなる。
(㈩*㈩)<そして――汗、垢、老廃物も出る度に消去されるから。体を清潔に保てる。美肌効果あり。
(・▽・)<女性が欲しがりそうですね。
(#ー#)<美肌と手足って引き換えにするものじゃねえだろう。
(㈩*㈩)<そして……これは追々。まだ早い。
(#ー#)(・▽・)<??




