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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
肆ノ章 ~ヴェンジェンス・イズ・マイン~

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324/715

cccⅹⅹⅳ どれが逸品なのだろうか

 そうして、二人は協力して戦利品を搔き集める。

 斧、刀、銃、アクセサリー、そしてクロス。

 ヒナタは狸のお面を外し、その下に付けているバイザー越しにモノクルを付ける。鑑定のスキルを持つアーティアクトらしい。

 そして、物品の鑑定を始めるが。


「斧は冥刀。銘は【リサナウト】。巨大化が可能」

「似たようなの知っているけど、何が違うのかな?」

「ウチに言われても……」


 冥刀には鑑定スキルが効かないので、戦闘時と、刻んである銘を見て判断する。

 因みに、オウカが言ったのはストックにある【オルナ】であり、こちらも巨大化能力を持っている。


 そして、ヒナタは刀を持って鑑定する。


「刀は妖刀」

「どのタイプ?」

「呪いの武器の方。能力は高いステータスバフ。右が防御力低下、左が呪怨付与」


 妖刀には四種類がある。


・モンスターが憑依したり、封じ込められている

・使い手が次々死んでいる曰く付き

・呪いや怨念を吸って変質した、もしくはさせた

・妖怪の素材を使って作った


 カナタが使っていたのは一番目で、二刀流使いが使っていたのは三番目。


「相手の一人が、《ヴァイオレットクロス》持っていたでしょう」

「あ、もしかしてそれで呪いを無効にしてた?」


 こくりと頷くヒナタ。


 二刀流のクロスは《ヴァイオレットクロス〔耐性薬〕》。

 呪い耐性の薬のチカラを使う事で、妖刀をデメリット抜きで使っていたらしい。


 納得するオウカに、ヒナタが胡乱な視線を向ける。


「?」

「ウチが妖刀持っている事には、何も突っ込まないなって」

「え、あ!」

「知ってるのね? この手のチカラ」


 その言葉にオウカはバツの悪そうな顔をした後、説明する。


「さっき言ったメンテナンスできる奴いるって言っただろう」

「(こくり)」

「ソイツは冥刀に恐ろしく詳しい。だから教えてくれた」


 一拍置き続ける。


「その腕は【ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】。能力は穢れの除去」


 オウカの言葉に、ヒナタの眼が見開かれる。


 ソレは毒、呪い、穢れ、汚れを消せ、応用も色々効く。

 本来なら、呪いの武器を持つどころか、浄化まで可能だが、今回はしない。妖刀は呪いや怨念こそが武器なのだから。


「メイスは【テーセウス】。応報系の一つ。ストックが可能」


 冥刀とクロスは、似た能力になる事はあるが、全く同一にはならない。


「そんで、その外套は【パダルン・レドコウト】。形状操作により色々できる」


 無数の帯を伸ばし、相手を切り裂いたり、獣の顎や腕を出して攻撃・防御も可能。


 隠し事は面倒な事になりやすいのでちゃんと話したオウカだった。

【TIPS:ダス・メッチェン・オーネ・ヘンデ】

(㈩*㈩)<義手型の冥刀。まあ今は義足にもなっているから義肢だけど。


(#ー#)<これ元ネタなんだ?


(・▽・)<グリム童話の「手無しの娘」ですか?


(㈩*㈩)<うん。能力は上記の通りなんだけど、実は戦闘以外の応用が凄い。


(#ー#)<?


(㈩*㈩)<穢れと汚れ消去だから、泥、埃、汚れ、返り血が付かなくなる。


(㈩*㈩)<そして――汗、垢、老廃物も出る度に消去されるから。体を清潔に保てる。美肌効果あり。


(・▽・)<女性が欲しがりそうですね。


(#ー#)<美肌と手足って引き換えにするものじゃねえだろう。


(㈩*㈩)<そして……これは追々。まだ早い。


(#ー#)(・▽・)<??

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