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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
間章~刃振るう鐵の姉妹~

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EPISODE23:会話

■□■□



「皆やってるね~」

「そうっすね~」


 授業を見守るキョウコとザンカ。実はザンカはここの卒業生だった。


「……悪いね~、急に来てもらって」

「いえいえ。アタシ暇でしたし」


 高ランクの探索士かつ冒険者を生業としている<プレイヤー>ならば、週に三回か四回程、中難易度の<モンスター>の討伐依頼を受けるなり、<ダンジョン>に潜るなりすれば普通に暮らせる。


「こういうのも良いもんっす」


 後輩の成長を見守るのは先輩の務め。和やかな雰囲気だったが、


「ところで、センセー」

「うん~?」

「アノ子が本題っすよね?」

「うん~」

「……何っすか? アレ」


 空気が一瞬で変わる。キョウコの目が開眼する。


「アナタから見てもヤバイ?」

「ヤバイってもんじゃ無いっす」


 ザンカは強者を見たり、戦ったりしてきた。だからこそわかる。


「かなりの修羅場を潜ってるっす。後、殺ってるっす。確実に」

「一人や二人じゃないよね?」

「そんなものじゃすまないっす」


 あの血の匂いはそんなものではつかない。だが、


「でも悪人って訳じゃなさそうっす」

「うん」


 それは見て感じる。剣を打ち合わせても感じ取れた。


「一体何があったんだろうね~」


 いつの間にか糸目と口調が戻っているキョウコ。視線をオウカに移すと、ジンナと戦っていた。

 ジンナが繰り出す双剣の連撃を、オウカは手に持った鉄棒で捌いていく。そして、鉄棒が双剣の隙を潜り抜け首元に突きつけられる。

 それを見たザンカはキョウコに話しかける。


「キョウコセンセー。ちょっといいすか?」

「?」


 ザンカのお願いをキョウコは快く引き受けた。

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