二一四「トゥデイは休み」
******
次の日。
オウカはいつもより遅い時間に目を覚ます。
ベッドの上で首や腕を回し、体の調子を確かめる。
(不味いな……。調子が戻らない)
実は、昨日ベニバナの家から帰って、明日の支度して、入浴してすぐに寝てしまったのだが、それでも体がまだ怠い。
そんなオウカに人形態のマユが告げる。
「今日は休めば?」
手には御粥が入った鍋と、付け合わせの様々なおかず。
どうやら予想して作っていたらしい。
そこへ更に蟻形態のネラも言葉を掛ける。
「同感、今日、休暇」
二人から言われ、オウカは迷う。
「う~ん……」
昨日よりだいぶマシにはなっているので、戦おうとすれば戦ったりは可能。
だが、このままこれは続くと不味い。
「そうだな。今日は休むか」
「うん」
「了解」
そういう訳で、今日はベッドの上でおとなしくしている事にする。
オウカは、マユが作ってくれた御粥を食べて、学校の教師や友人に今日は休むと伝え、ベッドに潜り込んだ。
******
「ふにゅう……」
オウカの意識が覚醒。どうやら寝てしまったらしい。
時計を確認すると、時刻は午後四時。
「よく寝たぁ~」
伸びをするオウカ。そして、ベッドから立ち上がる。
「大丈夫なの?」
「平気?」
それに気づいた相棒二人が聞いてくる。因みに二人共何かしら作業をしている。
「うん。朝よりはマシ」
そう言いながら、ストレッチする。
「しっかし、ここまで反動は来るとはな……」
その呟きにマユが答える。
「当たり前。そもそも、反動がかなり強いモノを使ったでしょう?」
オウカがストックから引っ張りだした【ノートゥング】。
オーラの発生・操作という単純な能力であり、実は普通に使う分にはそこまででもないのだが、昨日使ったのはその最終奥義。しかも他者に使わせたうえ、その反動すら引き受けたのだ。ネラが反動を引き受けなければ、もっと重傷する危険性もあった。
「そういえば、ディアンもこれ使った後、怠そうにしていたな」
ふと思い出す。
というか彼女の<冥刀>は、色々コピー可能なのだが。その分反動が来るモノも幾らかあった。
「色々注意しないとな」
ディアンがいたら怒られる。
そんな事を思ったオウカに相棒二人はこう言った。
「無茶を見守る身にもなって」
「身体、資本」
その言葉にオウカは。
「反省します」
それだけ言った。




