二〇二「光るマンティスと武器百般」
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そうして向かい合う三人。
三人とも武器は持っていないが、準備万端。
オウカは状況によって、武器を変えるので、こういうスタイル。
カミキは武器は使わないので、徒手空拳。
スドウはオウカと同じパターン。
そうしてカミキが二人に声を掛ける。
「では勝敗は先程と同じように」
「はい」
「おう」
カミキが出したのはコイン。
「これを投げる。落ちたらスタートだ」
カミキが親指でコインを弾く。コインが上がり、重力に従い落ちる。
そして――地面に落ちた。
それと同時、二人は距離を離しにかかり、一人は距離を詰めにかかる。
カミキは移動しながら、両腕をカマキリの鎌に変え、腕を振るい三日月形態の光刃を飛ばす。しかも連続して飛ばす。
スドウは片手で撃てるボウガン出して発射する。勿論、対<プレイヤー>と<モンスター>用のボウガンで、【匣】と連動しており、連射可能な矢の数は五桁。
奇しくもオウカに近づけさせないように立ち回る事にした二人。
それにオウカは、ロングナイフを両手に構える二刀流。一気に間合いを詰めにかかる。
「スロー過ぎて欠伸が出るねぇ!」
矢と光刃を避け、時にナイフで弾き、近づく。
オウカは、銃や砲の速さに慣れているからこその言葉。
それにツッコミを入れる二人。
「お前が速すぎるんじゃボケ!」
「……全くもって同感だ」
そう言いながらも二人は対抗。
カミキは鎌に光を纏わせ、攻撃の威力を上げ、スドウはボウガンの代わりにショートソードを二本出して近接戦に持ち込む。
そして、ぶつかり合う。
「ハアアアアアア!」
「オラアアアアアア!」
「ハッハー!」
斬撃がぶつかり合う。お互いのVFが削れていく、完全に互角な状況。だが、それは、冷静に考えると、実際はおかしい。
二対一、四つの刃対二つの刃なので、数的にオウカが不利。
だが、オウカは二倍の手数相手に渡り合っていた。
それを見ているベニバナは絶句し、カナタは呟く。
「……!」
「流石サク君」
拮抗した状況だったが、これが長く続く訳もない。
「テンション上げて行こうかぁ!」
「「!!」」
オウカの斬撃の激しさが増していく。しかも、それだけでなく。
「オラよっと」
「!」
偶に、踏みつけ攻撃を混ぜてくるオウカ。今回はスドウ目がけ襲い掛かる。それをどうにか避ける。
「足癖悪いなぁ!」
「誉め言葉どうも」
オウカの足が上がる。それを見た二人は再び警戒する中。
「同じじゃ芸がないよねぇ!」
「うお!?」
踏みつけと見せかけた前蹴り。
スドウは対応出来ず、蹴り飛ばされた。
だが、ただでは飛ばず、投擲ナイフを飛ばす。蹴りで足が伸びた瞬間を、二人は見逃さない。
「隙あり」
そこに重ねるように、カミキは鎌に光を集中させた一撃を放つ。鎌に光を集中させた一撃を放つ。片足だけで避けられないベストなタイミング。
だが、それをオウカは不安定な態勢で、投擲ナイフを避け、弾き、光鎌を受け止め、後ろに飛ぶ事で威力を殺す。
そうして仕切り直しになった。
【コソコソ話】
(#ー#)<そういや、実体剣で非実体剣って受け止められるのか?
(㈩*㈩)<物による。普通だったら、通り抜けるか、溶断されるかの二択。
(㈩*㈩)<でも、<冥刀>は受け止め可能。ちゃんと対策済み。
(・▽・)<そして、特殊な処置をすれば<冥刀>じゃなくても受け止められます。
(・▽・)<因みに、ヴィーの武器は全部処置済み。
(・▽・)<それに、私は【ルンペル】の強化を載せているから鍔迫り合いも可能です。




