二〇一「一段落と次のバトル」
◇◆◇◆
オウカが説明を終える。
「ふぃ~。何か飲み物あったかな……」
話疲れて何か飲もうとしたオウカに、カナタが差し出したのはノンカフェインの甘いお茶。オウカは結構お気に入り。
「どうぞ。サク君」
「ありがとう」
喉を潤していると、スドウが訊ねてきた。
「……なあ、オレもこれ使えるか?」
「使えはすると思います」
オウカは答える。
「でも、かなりの修練が必要です」
「そうか……」
「それに、先輩は色々習得していますよね? <スキル>の容量を圧迫します」
<スキル>は覚えれば覚える程、それぞれの成長速度が遅くなる。スドウはオウカの分析通り、沢山覚えている。
オウカの言葉にスドウは納得する。
「そうだな。うん色々考えてみる」
「そうしてください」
そう言って彼は色々考え始めた。
一方ベニバナはと言えば、色々考えていたようだが、オウカとスドウの話が終わったタイミングで話しかけて来た。
「オウカ!」
「何?」
「私も使えますよね!?」
「近い近い近い」
顔がかなり近くになったのでそう言う。
「あら……失礼」
そう言って離れる。そして、聞いてくる。
「それで?」
「使える。というか、圧縮は出来てるから、次は固有能力だな」
「〈爪技〉ですわね」
「でも、これはちょっと難しいらしい」
オーラ操作には三つの壁がある。一つ目が防御以外の使用、二つ目が固有能力、そして、最後の〈心牙〉。壁は超える度、厚く大きくなっていく。
ベニバナが超える、もしくは砕かなければならないのは二つ目の壁。
「何かしらきっかけが必要だとさ」
「きっかけ……ですの?」
「例えば?」
カナタの疑問にオウカは答える。
「追い詰められた時とか。生命の危機と生存の意志」
「……そういうの多い気がする」
「アハハ」
そんなカナタのコメントにオウカは苦笑する。
一方、ベニバナは考え込み始めた。
そして、会話が一段落したタイミングで、カミキが次の戦いの組み合わせを決める。
「さて次は……」
一拍置いて続ける。
「自分とスドウ、そして、サクヅキ君だ」
「三つ巴か?」
「二対一?」
上がスドウ、下がオウカ。
答えは……。
「自分とスドウの二人掛かりで挑ませて貰おう」
「ですわ!?」
「え」
「おいおい」
オウカ以外が驚く。流石にそれは予想外だったらしい
一方オウカは。
「へえ……」
好戦的な笑みを浮かべる。
そんな四人に、カミキは告げる。
「これで丁度良いだろうからね」
その言葉に三人も一応納得。カナタは少し心配そうだったが。
「大丈夫?」
「大丈夫ですよ。負けても死ぬ訳じゃない」
今回はルールがちゃんとしているからこそ。
……退学危機の決闘が本当に酷かったのがよくわかる。
「まあやるからには、勝ちますよ」
その言葉に男二人は――
「舐めんなよ?」
「先輩の力を見せようか」
好戦的な笑みを浮かべた。




