一八四「過激なるフレンズ」
オウカの言葉にカミキはほっとしたような顔をする。
「良かった。こればっかりは強制出来ないからね」
「そういうものですか」
「ああ、バックレられても困るからな」
因みにヨシムラは選ばれてバックレた。
「とは言え、タダで出場させるのもどうかと思う。だから何か望みはあるかね?」
「望みって全員に聞いているんですか?」
「ん? 人によるな。出たい人もいるが、出たくない人を説得するのに使っている」
実力を隠しておきたい、目立ちたくないと言う人はいる。富と名声は程々で良いという人もいる。
「そうですね……」
考えるオウカにジンナが訊ねる。
「《クロス》の盗難は?」
「それはアシヤ先生が動いている」
あの人、責任感じて色々やってくれているらしい。とは言え結果は芳しくないが。
この間、偶然鉢合わせして夕食を奢って貰った時に愚痴っていた。
(それにはっきり言ってもうソレはどうでもいいし)
そんな事を思っていると、カミキが付け加えるように言う。
「それについては他の面々も動いているよ。こんな事続いては駄目だからね」
「そうですか……」
「まあ、敵もさるもの引っ搔くもの、尻尾を掴ませないが……」
「どこにいるんでしょうね。犯人」
首を捻る三人。
「おっとと、脱線した。それで?」
「……今は思いつかないので保留で」
「わかった。ああ、それと」
カミキはこう言う。
「反撃と正当防衛は構わないが、やり過ぎないように。流石に人死には困る」
「わかってますぅー」
「「それ、分かっていない人の返事!?」」
そんなツッコミを二人から貰った時だった。
「こんにちはですわー」
一人の人物が生徒会室に入って来た。
それは先程まで噂をしていた人物だった。
「おや、ジンナさんと……貴方は確か……」
校則ぶっちぎって(ギリ合法?)着物と袴を着ている少女。内履としてブーツを履き、頭には大きなリボン。
「確か、サクヅキ=オウカさん……ですわね」
「おう。そう言う貴方は……ハ○カラさん」
「違いますわ!? 誰ですわ!? 私はハナヤマ=ベニバナですわ!」
お嬢様口調で名乗る少女。そんな彼女にオウカは訊ねる。
「おう、悪い。それで俺の名前はよく知っていたな?」
「……貴方有名ですもの。突っかかってくる人を、ボッコボコにしてるって」
「撫でる程度なのに」
そんなオウカに三人が半眼になってツッコミを入れる。
「関節を曲げる事が?」
「河童や落ち武者にする事が?」
「舌をカットする事が?」
「よく見てる……というか聞いたのか?」
そんな返しをしてオウカは続ける。
「そうだよ。俺の親友……達だったら、もっと過激だ」
「「達!?」」
オウカは思い返していく。
「例えば……」
真っ先に思い浮かんだのは、夢に見た友。
「ソルドアットは……達磨にしていたし」
「「……」」
因みに、河童と落ち武者にもしていたが、彼女はもっと深く斬り、脳無人間を量産していた。流石に過激なのでコレは言わない。
「後、シスターの友達なんかは、やられたら倍返しにしてたな」
「ぐ、具体的には……」
「左の頬を叩かれたら、右の頬に肘打ちしてから、ボディブロウ」
「「やり過ぎ!?」」
因みに、金的で睾丸どころか、内臓まで潰していた。流石に過激なのでコレも言わない。
「な、穏便だろう?」
そんなオウカの言葉にジンナが吐き出したツッコミは。
「比較対象が可笑しいだけ」
ごもっとも。
【コソコソ話】
(・▽・)<因みに私は……
(#ー#)<言わんでいい、言わんでいい。
(㈩*㈩)<遥かに過激なのは火を見るより明らか。
(・▽・)<……。




