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冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
弐ノ章~みんなで実習キターッ!~

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172/711

172話:円・卓・邂・逅

 ◇◆◇◆



 その日の夜。とある場所にオウカの姿はあった。


「ここか……」


 それは、オオトリ=トシノブの隠れ家の近く。

 実はある人物に頼んで、居場所を探って貰っていた。そして、居場所がわかったので、早速駆け付けた訳である。

 勿論一人では無く相棒が二人付いている。


「此処にいるの?」

「下衆、潜伏、建物」


 マユとネラ。前者は状態で髪に挿さり、後者は機械アリ状態で懐にいる。

 ネラの疑問にオウカは答える。


「ああ」


 そして、こう言う。


「そうだよな?」


 訊ねるかのような言葉。それに答える者がいる。


「その通り」


 それは闇に浮かぶ白い無貌の面。

 この人物は、リアを狙い、オウカとランコと戦い、幾つかの理由で引いた、殺し屋組織のまとめ役。オウカは彼に、オオトリの居場所の捜索を頼んでいたのである。


「だが、中には特殊装備で武装させた半グレや傭兵、専属の護衛がいるぞ?」

「だから?」


 無貌の忠告にオウカは問い返す。


「それは俺の止まる理由にならない。アイツには今まで生きて来た事と、産まれて来た事を後悔させる」

「そうか。なら我の役目はここまで。健闘を」

「ん」


 無貌の気配が消え失せた所で、オウカは早速カチコミに行こうとしたのだが、人の気配を感じる。


(ん?)


 無貌と違う、気配を隠そうとしていない。それどころか、こちらにいる事をアピールしている。


「誰だ?」


 その言葉に二人の人物が物陰から出て来た。


「あらあらバレてしまいました」

「いや、姐さん気配隠す気なかったでしょ」


 それは一組の男女。女はメイド服を着て手にはモップを持っている。男はは皮ジャンを着た青年。身のこなしや纏う気配から分かる。かなりの強者。


 まずメイドの女性が名乗り、青年が続く。


「申し遅れました。ワタクシはヤリガサキ=ルラと申します」

「オレはジョージ。名字は嫌いでな。名乗りたくねえんだ」


 その名乗りにオウカも名乗ろうとするが、それをルラが制す。


「俺は……」

「ああ、ランコから聞いています。サクヅキ=オウカさんでしたよね?」

「!」


 ランコの名前が出て来た、強者、この場所にいる。

 つまりこの二人の正体は……。


「もしかして≪聖霊教≫の戦闘部隊?」

「はい。≪円卓≫です」


 ≪円卓≫

 それは≪聖霊教≫の戦闘部隊にして最強の十四人を指す。

 全員が、【セイレイレマ】の特殊なチカラを持っている一騎当千の強者。

 それが出て来たという事はつまり。


「オオトリを捕まえに来た?」

「いいえ、殺りに来ました」

「姐さん、オブラートに包もうや……」

「隠してもしょうがないでしょう?」


 何でも、オオトリは大聖女暗殺未遂と、聖女殺害未遂以外にも色々やらかしていたらしい。人身売買、金の横領など。更には、今の時代だからこそ、禁忌となっているとある事をやっていた。


「オオトリは、信者の洗脳までおこなっていたのです」

「うわあ。……もしかしてランコも?」

「はい。影響受けてました」


 呆れかえると同時、納得するオウカ。

 精神系の術技は禁忌となっている。使えば、特殊な事情が無い限り、問答無用で捕まる。

 それに加え……


「彼は“とあるモノ”を持ちだしました。それは絶対に許されない」


 ルラが凄まじい圧を放つ。


「もうアレは死ぬしかない」

「それには同感。だからオレらが出て来たんだ」


 その事情に納得するオウカだった。

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