表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冥刀抜錨トリニティGEAR  作者: 亜亜亜 無常也
弐ノ章~みんなで実習キターッ!~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

166/711

166話:刹・那・叢・雅

【前書】

(㈩*㈩)<今回、切るのもアレなんで少し長め。ご了承。

 ◇◆◇◆



 オウカは空き教室で、食事を取りながら事情を話した。因みに、メニューはカツ丼。リアはまだ意識が戻らないので、保健室へ行く事になった。


 全てを話し終えて、一息つくためにお茶を飲むオウカ。彼は蜂蜜を入れたレモンティーである。


「ふぃ~」


 ネラもティーカップに頭部を入れてお茶を飲んでいた。彼女は砂糖沢山のミルクティーである。


「美味」

「「味覚あるんだ!?」」


 高校側の面々がツッコミを入れる。


 一方、≪蟲≫の面々は苦い顔をしていた。

 その前にあったのは、機体型<冥刀>の待機形態が五本、彼らのエモノ。なのだが、色褪せている上、罅や刃毀れだらけ。


「どうしましょう……」

「生きてはいるようだが、修理がいるな……」

「仕事出来ないし」

「そもそもぉ、リーダーがいなくなったぁ」

「……」


 自爆寸前、本体をネラが機械アリを使い回収していたので、【オーガ】以外の十九の<冥刀>は無事ではあった。

 とは言え、自己修復可能なラインを超えている。……正確には自己修復は不可能ではないが、こうまでなると、時間が凄まじくかかる。部品の修理や追加、刻印の書き直しなどをした方が速く直る。

 ただし、専門の職人は必要。しかも今回はあまりに損傷と消耗が激しすぎるので、凄腕でないとできない。しかも、彼らの機体のメンテナンスをしていたのが、ハーミットだったので、彼がいないので出来ない。彼ら自体もある程度のメンテナンスは可能だが、そこまでの腕は持っていない。

 そんな彼らに声を掛けたのはマユ。


「直そうか? 報酬は貰うけど」

「出来るのですか?」

「出来るのか?」


 彼女が<冥刀>の作刀に関わった刀工である事は知らないので、疑わしいそうな眼を向けるカルゴとカツト。

 マユは微笑んで答える。


「この程度ならすぐ終わる」

「本当だし?」

「嘘じゃねえのぉ?」

「……」


 ファン、サイズ、フタオの顔も疑わしそう。

 なので、マユは見せる事にする。

 という訳で、キョウコに声を掛ける。


「すいません」

「な~に~」

「頑丈な部屋を貸して」

「うん~? 何するの~?」

「コレらの修理」

「できるの~?」


 頷くと、キョウコは端末を操作して部屋を取ってくれた。


 そういう訳で、実験に使われる部屋にやってきた全員。因みに、ザンカとジンナも付いて来た。


「ボクも見てみたい」

「興味あるっす」


 見物人に溜息を吐くマユ。


「まあいいか」


 気持ちを切り替える。


 そして、お手本として出したのは、機体型の待機形態である刀剣。先程回収したモノの一つで、色褪せ刀身はボロボロ。

 銘は【エーラーワン】。ゾウムシの機体を召喚する<冥刀>。


 マユは修理に必要な道具を出していき、同時並行で刀剣を診ていく。


(かなり不味い状態。でも、ギリギリ修復可能な範囲)


 刀剣を携帯用の炉に入れ熱しながら、彼女はインゴットを出す。見た所、特殊な金属ではないのだが、


「〈錬成〉」


 それを一瞬で【エーラーワン】の素材に合わせた金属にしてしまう。


「「!?」」


 それにオウカ以外の全員が絶句。

 そんな彼らにオウカは心の中で称賛しながら、冷静に言う。


「(流石、刹那叢雅。)これで驚いていたら、持ちませんよ?」


 絶句者を他所に、作業は進む。

 マユは刀剣を台に置き固定。右手に鎚、左手にインゴットを持ち構える。


「さて」


 インゴットが端から糸になっていき、刀剣に纏わりつく、それにマユは小槌で刀剣を叩いていく。暫く叩き続け……


「ここ」


 タイミングを見て、水を入れた水槽に入れて冷やす。すると、そこには色と艶が戻った待機形態の【エーラーワン】があった。


「後は……」


 彫刻刀と筆が合体したようなモノを出し、刻印を書き直していく。それと同時に核を修復する。

 そうして一時間もしない内に<冥刀>は完全に復活した。

【コソコソ話】

(・▽・)<実はマユこと、刹那叢雅、やらかしました。


(#ー#)<何を?


(・▽・)<専門家なら異常さがわかるんですけど……


(・▽・)<実はここまでの修繕できる人は、この世界にいないんです。


(#ー#)<……そういう事か。というか錬成自体異常だけどな。


(・▽・)<ええ。しかも、最後の肯定に至っては、あの世界にも……いないのです。


(#ー#)<は!?


(・▽・)<最後の核修復促進。アレが出来るの叢雅一門だけなので。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ