159話:六・徳・叢・雅
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<冥刀>で変わり種と呼ばれるのは、やはり『六徳叢雅』の作品だろう。
『虚空叢雅』が作った作品である異空間も、十二分に変わり種ではあるが、アレらはまだ刀剣として使う事も出来るので、ギリギリセーフ。
だが、六徳の作品、機体型と呼ばれるアレらは、アウトな領域に足を踏み入れている。
確かに、待機形態では刀剣のカタチをしている。だが、抜錨すると、機体、要するにロボットが出てくる。コレに搭乗して戦うので、待機形態が刀剣で無くても良いだろうという意見が、一門からもあった。
だがアレ(性別不詳なので)はこう言った。
「え? 何で刀剣にしたのかですか? それはまあ、小生は刀工なので」
との事。そのせいか、生粋の刀工である恒河沙とは滅茶苦茶仲が悪かった。
そして、そんな作品達だが、どれも強力だった。
機体型と呼ばれるソレらは、動物のロボットとでも呼べる姿をしており、どれも強力だった。
用途的に、潜入や偵察を担うモノでも、敵を倒す事は勿論可能。そして、完全戦闘向けであれば、一個中隊規模を相手取れる。
そのうえ、代償は軽いモノが多く、体力や気力、一定時間のインターバル程度が多い。
だから、生まれた世界でも、異なる世界でも、運用されている。
特に、後者では、機体型を解析して、ロボット技術を発展させており、場所や地域によってはロボットが運用されている。……まあ、コストや量産性の問題があるが。
そんな六徳には最高傑作(もしくは趣味百%)と呼ばれる作品がある。それが「九人姉妹」。
待機形態では、見た目麗しい、綺麗、可愛い、妖艶と、表現されるガイノイド。……もはや刀剣ですらない。因みに年齢層は幼女、少女、大人まで様々。
そして、使い手と融合する事で、全高八メートル程の人型ロボットとなる。
その戦闘力は凄まじいの一言に尽きる。単純な殴蹴でも強いのだが、どれもがナニかしらのチカラを持つため、大軍相手に無双する可能。
だが、この姉妹は恐ろしく使い手にうるさい。操縦の腕前だけではなく、顔、性格、体型、戦闘スタイルなどなど。だからこそ、異世界でも九人姉妹の使い手は、故人含めて両手両足の指で足りる程しかいなかった。
そんな彼女達の中に、他の姉妹達は使い手を選んだのに、使い手を選ばなかったモノがいる。彼女は起動して早々に眠りについた。
曰く、
「相応しい人がいれば目覚めます」
との事。だが、一向に目覚めず、世界の危機でも起きなかった。なので、彼女が入っている棺ごと、山奥に投棄された。これでもう使い手は現れないと思われた。
だが、そこに偶然オウカが現れ、その棺を見つけた事から、彼女は目覚めた。そして、
「貴方が私の使い手になる方ですね」
オウカは選ばれた。
このときの彼は複数の<冥刀>を使っていたが、それでも彼を受け入れチカラとなった。
そして、彼女は彼と共に戦い続けた。だが、ある時致命傷を負い、足手まといになることを嫌がった彼女は、何の躊躇いもなく、彼にチカラを遺して消えた。
そうなった後でも、彼女の性能は変わらない。そのチカラをオウカのために振るい続ける。
【コソコソ話】
(㈩*㈩)<捕捉説明。アイツの作品は前も言った通り世代がある。
(#ー#)<えーと、確か第一世代が動物ロボだったな。
(・▽・)<宝石銘が裏銘で付くんでしたっけ?
(#ー#)<そんで、第三世代は人型ロボだったよな。
(・▽・)<確か前回アリスって言ってましたね。
(㈩*㈩)<そう。他の面々も童話の登場人物が元ネタ。
(㈩*㈩)<そして、第二世代。第一世代と第三世代の間。中間。
(#ー#)(・▽・)<どういう事?
(㈩*㈩)<それはいずれ。まあ、気づく人もいるかもしれない。
(㈩*㈩)<獣でもあり、人でもある。
(㈩*㈩)<乗騎でもあり、甲冑でもある。それが第二世代。
(#ー#)<?
(・▽・)<……ああ。そういう事ですか!




